ラベンダー ハーブ-芳香を楽しむハーブの代表の一つ-イパネマおやじ
- ラベンダー (Lavender) は、初夏から夏にかけて青紫の美しい花を咲かせ、葉や花に、「えも言われぬ」独特の甘い香りをただよわせます。木本性だが草花として扱われる場合が多く、コンテナ・鉢栽培や花壇の植え込みなど広く栽培されています。
- 多くの系統がありますが、園芸上ではフレンチラベンダー(L. stoechas)と、イングリッシュラベンダー(L. angustifolia)に大別されます。花穂の上部にクルッとした兎の耳のような苞葉(ほうよう)を持っているのがフレンチラベンダーです。
- 多くの系統があり、花色は青紫以外にもピンクや白色など多くの品種があります。古くから薬用、香料用、浴用、芳香、食用、と様々な使われ方をしてきました。香りにはリラックス効果や安眠効果があるといわれています。
初夏から青紫色の美しい花を咲かせる
- 分類:シソ科ラベンダー(ラバンドゥラ)属 / 原産地:地中海沿岸
- 学名:Lavandula spp.
- 園芸分類:常緑小低木 / 耐寒性(普通 品種により異なる)、耐暑性(弱い~普通)
- 草丈・樹高:30~130cm
- タネまき:3月~4月中旬
- 苗の植え付け:3月下旬~4月中旬、10月上旬~中旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月下旬~4月中旬、9月下旬~10月中旬
- 挿し木:5月~6月、9月~10月
- 開花期:5月~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 近縁種 → 耐寒性~非耐寒性・常緑低木 草丈:30~150cmの仲間
- イングリッシュ・ラベンダー(L.angustifolia=L.officinalis)→一般的にラベンダーといえば、この品種を指しコモンラベンダー、真正ラベンダーとも呼ばれる。改良品種は多数「ロイヤルパープル」「ヒドコート」「オカムラサキ」「濃紫3号」などがあります。
- フレンチラベンダー(L. stoechas)→兎の耳のような苞葉がある。とても耐暑性に優れ、暖地以南でも栽培に適する。「エンジェル」「グリーンラベンダー」「アボン・ビュー」などの品種がある。
- スパイクラベンダー(L.latifolia)→葉が灰緑色で幅が広いのでヒロハラベンダーとも呼ばれます。花はスッキリとした強い香りには防虫効果がありハエ除けになります。初夏から夏に開花、半耐暑性(~-10℃)
- ウーリーラベンダー(L.lanata)→スペイン南部・山岳地帯の乾燥地域に分布。全体が白い綿毛で覆われています。花は濃紫で耐寒性に優れています。
- ラバンディン(L.xintermedia)→イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーを掛け合わせた品種。香りが強く、耐暑性に優れ精油成分を多く含んでいます。代表品種には、「グロッソ」「プロバンス」「シール」「スーパー」などがある。
- レースラベンダー(L. multifida)→流通名はレースラベンダー。花びらが羽のように開くのが特徴で、葉は羽状の切れ込みが強く、葉はすごく細い。他にも、同名でカナリア諸島原産のピンタナ種があります。
- イングリッシュ ウーリー→イングリッシュラベンダーと、ウーリーラベンダーを掛け合わせた品種です。多湿に強い。代表品種には、「ソーヤーズ」があります。
特徴
- 淡い紫のやさしい色合いの花と、すっきりとした爽快感のある上品な甘くすがすがしい芳香が幅ひろく愛されているハーブの代表的な花の一つです。
- 大別すると代表的なイングリッシュラベンダー(学名:Lavandula angustifolia Mill)の他に4種類と、計5種類に分かれますが、交雑種も多くあります。約37種の原種があり、栽培品種の数は100種を超えるといわれます。
- それぞれ花の色、形、香り、葉の形も異なり、効能も異なります。いずれもドライにしても香りがそのまま残るため、幅広い使い方ができます。
- 適応
- ストレス性不眠、神経性の偏頭痛、気管支炎、軽い鬱症状、不安、疲労、消化不良、自律神経失調症、生理不順、高血圧、冷え性
- 料理・飲み物で楽しむ
- 花はフレッシュのままジャムやビネガー、エッセンシャル・オイルなどに。ブーケやアレンジの添え花として用いても素敵です。
- ラベンダーフレーバーのアイスクリームをよく見かけるようになりました。ハーブティーには神経を鎮め、リラックスさせる効果があります。
- 蜂蜜を入れたりレモン汁を少量加えるとおいしくなります。食用にするには香りが強いので、はちみつや砂糖、ワインなどにつけこんで香りを移す方法がおすすめです。
爽快感のある上品な香りを持つ
- 用土 水はけのよいアルカリ性の土壌を好む
- 水はけのよい痩せた土が適しています。
- コンテナ・鉢植えの場合、赤玉土(中小粒)5:腐葉土3:パーライト(黒曜石)2:の割合で混ぜ込んだ土を使用します。
- 地植えの場合、畑の土をよく耕して1週間前位に苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。
- 肥料
- やせた土地を好むので、肥料はほとんど必要ありません。与えすぎると肥料焼けを起こすので注意しましょう。
- コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後は、3~4月・10月に月間1回、普通の草花に与えるものより薄めの(濃度2000倍)液体肥料を与えます。基本的にはこれだけです。
- 地植えの場合、植え付けの際に元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後は、3~4月に月間1回、緩効性化成肥料を施します。
- タネまき
- 3月~4月中旬が適期です。直まきするか、ポットに蒔いて苗を育ててから植え付けをします。発芽までは、一定期間の低温が必要です。発芽後は、できるだけ日当たりの良い場所に置き徒長を防ぎましょう。
- 細かい種子は鉢等に土(ピートモス1/3・バーミキュライト1/3・赤玉小粒又は細砂1/3を混ぜ合わせる)に水をタップリとやり、種子を平均に蒔きます。細かい種子は底面潅水(深めの受皿に水を入れ鉢の底がたっぷり浸るようにする)で栽培します。
- 種皮の硬いものは発芽に1ヶ月以上かかるものもあるので気長に、乾燥を防ぎながら水やりを続け発芽後は間引きながら育苗してから、定植しましょう。
- 挿し木
- 適期は5月~6月、9月~10月です。
- 枝先を7~10cm程の長さに切り取って挿し穂にします。葉を5~6枚付けた状態で、下葉は取り除いておきましょう。(挿し木の 詳細手順)
- 植え付け
- コンテナ・鉢植えの場合、適期は3月下旬~4月中旬、10月上旬~中旬です。大き過ぎると過湿になりやすいので、6号鉢に1株が目安です。
- 地植えの場合、適期は3月下旬~4月中旬、10月上旬~中旬です。水はけをよくして過湿を防ぐために、深く耕すと共に土を盛り上げて高植えにします。
- 植え替え
- コンテナ・鉢植えの場合、適期は3月~4月です。2~3年経つと根詰まりを起こすので、植え替えてやりましょう。鉢から抜いた株の古い土を、全て落としてから根の先端を三分の一ほど切りつめてから、一回り大きな鉢へ植え替えましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
石鹸香料や入浴剤にも利用される
- 手入れ
- 高温多湿に弱く、特に夏場は風通しをよくして蒸れないようにしましょう。
- 高温多湿に対処するために、花後はすぐに花穂を切り取り、風通しをよくしましょう。耐寒性があり寒さには非常に強いので、霜に当たっても平気なので寒冷地でも、地植えで育てられます。
- ウーリーラベンダーなどは、夏はあまり暑くなく冬は寒い立地の、冷涼地向きの植物です。品種により差はありますが、夏をいかに涼しく越すかが栽培の最大のポイントです。
- 高温多湿の梅雨時になったら、鉢植えは雨の当たらない場所に避難させてやりましょう。コモン系は暑さ、ウーリー系は多湿に弱いので個別の対処をしましょう。
- 害虫→アブラムシ、ハダニ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 水やり
- 乾燥気味の方がよく育ちます。
- コンテナ・地植えの場合は、植え付け直後の苗が定植するまでの水やり以外は、水やりをする必要はありません。
- 鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたてから水やりをする程度です。
- 収穫
- 葉は春から夏前まで随時摘みとることが出来ます。
- 根を利用する場合は、秋に掘り上げて、天日干しをしてから煎じて抽出液をつくったり、生のままでオイルに漬けて浸出液を作ります。
- 注意→有害物質の「アルカロイド」を含有しているので、根の食用利用は避けましょう。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みますが、直射日光は苦手なので真夏は明るい半日陰で育てます。