ムスカリ 季節の花-秋に植える花-イパネマおやじ

ムスカリ ( Muscari ) は、開花期になると株の中から茎を伸ばして、茎頂部に花序を付け小さな花を咲かせます。細長くて丸みのある肉厚の葉で、花茎には葉がなくて直立します。茎の先端に、白色、黄色、黄緑色、青紫色などの多彩な色合いの品種があります。

ムスカリ

植えっ放しでも丈夫に育つ

  • 分類:キジカクシ科ムスカリ属 / 原産地:地中海沿岸~西アジア
  • 別名:グレープ・ヒアシンス
  • 学名:Muscari
  • 園芸分類:多年草(球根) / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:10~30cm
  • 苗の植え付け:10月~11月
  • 植え替え:10月~11月
  • 球根の堀り上げ(分球):6月~7月上旬
  • 開花期:3月~5月中旬
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • 地中海沿岸~西アジアにかけて約40種類が分布しています。英名にも表されるように、ヒアシンスにとても近い品種です。別名をグレープ・ヒアシンスと呼ぶのは、花姿がブドウの房のようにみえることに由来しています。
  • 秋に球根を植えつけると、春に花を咲かせます。花後の初夏には、葉が枯れて球根だけ休眠して夏超えします。一般的にムスカリと呼ばれているのは、広く栽培されている「ムスカリ・アルメニアクム」のことを指す場合が多いです。よく公園などで見かける、青紫色の花を穂状に咲かせる品種です。

ムスカリ属

  • 近縁種
  • ムスカリ・アルメニアカム(Muscari armeniacum)→ヨーロッパ南部~黒海東部に分布する種。最も栽培されている品種。草丈15~20cmで、青~青紫色の花色。花序は10cm程で、20~40個の小花を付けます。一般的に「ムスカリ」と呼ぶのは当種を指しています。
  • ムスカリ・ボトリオイデス(Muscari bortyoides)→ヨーロッパの中南部を中心に分布、ムスカリの品種の中ではやや小型、花色は青色、青紫色です。園芸品種に”アルブム”がある。ムスカリ・アルメニアクムと共に、広く栽培されている人気の品種です。
  • ムスカリ・コモースム(Muscari comosum)→ヨーロッパ西部から北アフリカにかけて分布しています。花色はオリーブ色で、本品種から変種した”ブルーモースム”(和名・ハネムスカリ)という花が羽状に変化した藤色の花を咲かせる品種もある。
  • ムスカリ・マクロカルプム(Muscari macrocarpum)→ギリシア~トルコに分布しています。ツボミの時期は紫色で、開花すると黄色の生地に先の部分は紫色がかった褐色になる。
  • ムスカリ・ボトリオイデス(Muscari botryoides)→ヨーロッパの中部~南東ヨーロッパの草原や森林に分布する品種でムスカリの仲間の中では少し小型で草丈15程です。青色から青紫色の花を咲かせ、和名ではルリムスカリと呼ばれます。英名のグレープ・ヒアシンスは本品種に由来しています。

ムスカリの別名はグレープ・ヒアシンス

早春に咲く春の訪れを感じる花

  • 用土
  • コンテナの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:(他には、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、アルカリ性を好むので、植え付けの2週間程前に、深さ30cm程に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植えつけの際に用土の中に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。花後に、球根を太らせるための追肥として化成肥料か液体肥料を、葉が枯れる始める時期まで施します。
  • 地植えの場合、植えつける際には特に必要ありませんが、開花後に緩効性の化成肥料を少量だけ表土にまいておきます。
  • 植えつけ
  • 適期は、10月~11月です。
  • コンテナの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備した土に植え付けます。球根の先が軽く隠れるだけの浅植えにしてます。(頭部が3~4mm地表に出る程度)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備した土に植え付けます。球根2個分の深さで、頭部が軽く隠れる程度で植え付けます。間隔は5~6cm空けるか、3~4個まとめて15cm間隔にするなど開花時をイメージして植え付けましょう。
  • 植え替え
  • 植え替えの適期は10月~11月です。植え付けと同じ要領で植え替えましょう。
  • 球根の堀り上げ(分球)
  • 適期は、6月~7月上旬です。葉が枯れ始めるのを目安に作業しましょう。掘り上げた球根は、土を落とし枯れた葉や根を取り除き、古い球根と新しい球根を切り分けます。3日程陰干しして、ネットなどの通気性のよいものに入れ、涼しい場所で植え付け適期まで保存しましょう。
  • 毎年堀り上げて分球するのが理想ですが、様子を見て2年~3年に一度でも大丈夫です。3年位は植えっぱなしでも問題ありませんが、それ以上放置すると球根が増えすぎて、コンテナや花壇が窮屈になると、地上部が枯れて葉茎が抜け、抜けた穴に雨水が入り込み球根が腐る原因になります。

キジカクシ科

ハーブの仕切りライン大

チューリップなどの手前に植えると映える

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。花後に葉が枯れて休眠に入ったら必要ありません。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花後の枯れた花茎だけ切り取ります。葉は、日光を浴びて栄養を作るのに必要なので枯れ始めるまでは残しておきましょう。
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。午後からは日陰になるような、半日陰でも育ちます。
  • 夏は休眠するので、少し日陰になる木漏れ日の漏れる樹木の下なども適します。

ハーブの仕切りライン大