エリキャンペーン ハーブ種-キク科の多年草で和名はオオグルマ|イパネマおやじ
エリキャンペーン elecampane は、古代ギリシャ・ローマ時代や中世ヨーロッパでは、呼吸器系や心臓病の薬として利用されていました。日本へ渡来したのは、江戸時代とされています。和名はオオグルマですが、ハーブとしては英名のエリキャンペーンで呼ばれることが多いようです。エリキャンペーンの根茎は穏やかに身体を温め、消火器や強壮に効果があると考えられて、特に慢性気管支炎や胸部の治療に用いられていました。根から採れる精油は殺菌作用があり皮膚薬として使われます。
夏に小さなヒマワリのような黄色い花を咲かせる
- 分類:キク科オオグルマ属 /
- 原産地:ヨーロッパ中・南部、アジア、ヒマラヤ
- 学名:Inura helenium
- 別名:オオグルマ(大車)、ドモッコウ(土木香)
- 多年草・耐寒性 / 草丈:1~2m
- 開花期:6~9月 / 栽培方法:地植え
- 特徴
- アジアでは、根は木香(もっこう)と呼ばれ、独特の芳香と苦味があり、”土木香(どもっこう)”と呼ばれる生薬の原料です。本来、木香(もっこう)とはインドのカシミール地方原産のキク科の植物の根のことで日本で栽培された記録は無く、根を乾燥して採取した生薬である土木香を、インドや中国から輸入していました。
- 土木香は木香と比べると、芳香も味も強くありません。江戸時代には、木香が無い場合の代用として土木香を用いていたそうです。
- イヌリンという成分を含んでいて、これを原料に砂糖菓子が作られたので人気のある植物でした。
- 初夏から秋にかけて、細長い花びらの黄色い花を咲かせます。草丈は、丈夫なものっだと2mを越すこともある大型の草花です。葉は先が尖っている楕円形で、裏には細かい毛が密生しています。同様に茎も毛が密生しています。
- 花が開ききった時期に茎から切り取って、逆さに吊るして乾燥させドライフラワーにしましょう。
- 適応
- 発汗、利尿、去痰、気管支炎
- 料理・飲み物で楽しむ
- なし
- 用土
- 水はけがよく、肥沃な土壌を好みます。大きくなるので鉢植えには不向きです。
- 庭など、植え付ける場所をよく耕し、腐葉土をタップリと混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 春に芽が出てからは勢いよく生長するので、継続して与えて、秋に地上部が枯れるまで肥料は絶やさないようにしましょう。10日に1回の目安で、500倍に薄めた液体肥料を施します。
増やし方はタネまきと株分けの2種類です
- タネまきで増やす
- タネまきで、ふやすこともできますが株分けのほうが、簡単で確実です。
- 株分けで増やす
- 植え替えの際に、株分けをします。適期は3月です。
- 植え付け
- 苗の根が傷んでいたら、切り詰めておきます。
- ポット苗などはビニールポットから抜き取る前日に、水を含ませておくと根鉢がくずれにくく扱いやすくなります。適期は4~5月です。
- 適度に湿り気のある土を好むので、植え付け作業の前に、土にタップリと水を与えておきます。根づきやすくするために、植え付ける穴を深めで大きめに掘って、十分に耕しておきましょう。
- 植え替え
- 適期は3月です。
- 長年植えっ放しにしておくと生育が悪くなるので、株分けも兼ねて2~3年に1回は植え替えをしましょう。
- 水やり
- 一度、発根すれば定期的に水やりをする必要はありませんが、適度な湿り気を好むので極端に乾燥させると生育が悪くなります。
- 3~11月の生育期に、雨が降らずに乾燥する日が続くような天候の場合は、タップリと水を与えましょう。冬は、休眠するので水やりの必要はありません。
樹高が2mを越えるので摘心をして草丈をまとめる
- 手入れ
- 草丈が2mにまで生長するので、伸びすぎないように摘心して株のバランスをよくしましょう。
- 50~60cmに生長したら早めに支柱を立ててやります。
- 病気→なし
- 害虫→なし
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エリキャンペーンを収穫したら利用法は?
- 収穫
- 根は肥大すれば、栽培年数に関係なく収穫できます。
- 花をドライフラワーやポプリに利用する場合は、夏に咲いた花を茎ごと切り取って、雨水の掛からない風通しのよい日陰で、逆さに吊るして乾燥させます。
- 根を防腐、殺菌剤として利用する場合は、植えつけてから3年経って、太くて大きく育ったものを利用します。霜の降りる前の、10~11月頃に堀りあげて乾燥させます。加工法は、根を乾燥させたものを煎じて利用する。
- 日当たり・置き場所
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 基本、生育適温は15~25℃ですが気温の影響をあまり受けない丈夫な植物です。
- 草丈が長く伸びるので、強い風の当たる場所は避けます。夏の暑さにも強く、冬の休眠期は地上部が枯れて根の状態で越します。寒さにも強いので、凍結の心配がなければ特に防寒対策の必要はないでしょう。