エルサレムセージ 季節の花-ドライフラワーに利用できる-イパネマおやじ

  • エルサレム セージ (Jerusalem sage) は、セージの名前が付いていますがセージの仲間ではありません。よく知られているセージはシソ科サルビア属で、本種とは属が違います。草姿がセージに似ていることや、代用として利用されたので、この名前が付いたといわれます。花は乾燥させても、鮮やかな色を保つので、ドライフラワーやポプリなどクラフトに好んで利用されます。
  • 常緑性ですが、冬は葉が紅葉して落ちることも多いのですが、株が元気であれば春には芽吹いて元気に生長します。水はけが特によい石灰質の土を好み、土の過湿が苦手ですが暑さには強い性質です。寒冷地では、防寒に注意してください。

エルサレム セージは常緑小低木です

ドライフラワーやポプリに用いる

  • 分類:シソ科フロミス(オオセキワタ)属 / 原産地:地中海沿岸
  • 学名:Phlomis fruticosa
  • 別名:フロミス・フルティコサ、キバナキセワタ
  • 園芸分類:常緑小低木 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い・高温多湿には弱い)
  • 草丈:100~150cm
  • タネまき:4月下旬~6月上旬、秋は9月下旬~10月上旬
  • 苗の植え付け・植え替え:4月~6月
  • 挿し木:6月~7月上旬
  • 開花期:5~9月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • 花の開花期は初夏から夏季で、茎の上部に10~20輪の黄色筒状花が輪生状に咲きます。
  • 主に観賞用として、ヨーロッパで古くから栽培されてきました。葉は楕円形で、表面に細かなシワが入り、縁や裏側は星状毛と呼ばれる白い毛が生えて銀白色に見え、こすると仄かな芳香がします。
  • 花後にできる実は分果で2つのブロックになっています。年数が経つと株元が木質化してきて、徐々に小低木を実感させます。3月頃の寒さを越して、新芽が出てきます。
  • 近縁種
  • フロミス・チューベローサ (Phlomis tuberosa)→モンゴル、カザフスタン、中国、ロシア、ヨーロッパ原産。別名はフロミス・ツベロサで、草丈100cm程。花色は薄紅紫色で茎に段々の間隔を空けて開花する。耐寒性あるが冬季には落葉する。
  • パープル・エルサレム・セージ (P. purpurea)→ポルトガル、スペイン、モロッコ原産。草丈120~180cm程で、全草に白い毛が密生する。葉は灰緑色で、花色はピンク~ラベンダー色。開花期は春~秋。
  • フロミス・ルッセリアナ (P. russeliana)→アジア南西部、トルコ、シリア原産。草丈100cm程で、葉は手触りが粗く無毛で微香がある。花色は淡い黄色の唇形で、開花期は7月~9月。

エルサレム セージはシソ科フロミス属のハーブです

  • 用土
  • 特に水はけがよい、石灰質の土壌を好みます。
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割加える)(酸性気味の土壌では、植え付けの2週間程前によく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。1㎡当り100g→1握り)
  • 肥料 肥料は比較的多く施す
  • 用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します。
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、4月~6月中旬、9月~11月上旬は月1回程、骨粉入り油かすなどの固形肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月~6月中旬、9月~11月上旬は2ケ月に2~3回程、骨粉入り油かすなどの固形肥料を置肥します。
  • 置肥をする際には、植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。

エルサレム セージはドライフラワーやポプリに利用するとよい

高温多湿を嫌う

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、4月~6月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように、古い土を落としてから植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は40cm位空けて植え付けます。
  • タネまき
  • 適期は4月下旬~6月上旬、秋は9月下旬~10月上旬です。春まきの場合、開花は翌年の初夏です。
  • 挿し木
  • 適期は、6月~7月上旬です。(挿し木手順 詳細ページ

エルサレム セージは半耐寒性です

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関東以西の平地では地植えでの冬越し可能

  • 水やり
  • 半乾燥地に自生する植物なので、ジメジメした土壌を嫌います。
  • コンテナの場合、土の表面が乾いてから、様子を見ながら数日経過してタップリと水やりをして、過湿にならないようにしましょう。
  • 地植えの場合、根付いてからは極端に乾燥しないかぎりは、特に水を与える必要はありません。
  • 手入れ
  • 暑さには強いですが、ジメジメした高温過湿の環境は苦手です。梅雨から夏季にかけて湿度の高い時期は株の中が蒸れないように、枝葉が茂り過ぎていたら、適当に間引くか刈り込みをして、株の中心の風通しをよくしましょう。
  • 地植えの場合、株元に腐葉土などを敷いて防寒対策を施しましょう。枝先も守ってやらないと花芽が枯れることがあります。
  • 寒さには強いほうですが(~-5℃)程度まで耐えますが、寒冷地では凍らせないように、株元に敷きわらや腐葉土などを敷いて防寒対策をしましょう。
  • 切り戻す→秋に草丈を1/3程度きり戻してやると、形が整います。
  • 病気・害虫→なし
  • 収穫
  • ドライフラワーにする場合、地際から10cm上部で刈り込んで束にして、風通しのよい場所で吊るして乾燥させます。
  • 日当たり・置き場所
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 地植えの場合、関東地方以西でも強い霜が降る所や寒冷地では凍らせないように、厳寒期は鉢上げして温室や室内で管理する方法もあります。
  • コンテナの場合、梅雨時期の長雨で、葉を傷めることがあるので軒下への移動や雨避け対策をした方がよいでしょう。

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