エキナセア 季節の花-春に植え付けかタネまきする花-イパネマおやじ
- エキナセア (echinacea) は、初夏になると茎頂部に花径7~10cmの頭頂花を咲かせます。花の中心部がクリのイガイガのような半球状で、筒状花とその周囲を囲むように密集する舌状花とで構成されています。主に栽培されているのは、生長と共に徐々に花弁が垂れ下がり、その形が馬簾に似ていることから、ムラサキバレンギクと呼ばれるエキナセア・プレプレアが代表的品種です。(馬簾(ばれん):江戸時代に火消しが使った纏(まとい)の周囲に施した飾り。)
- 原産地では、古来より根や葉茎を薬用ハーブ として利用されてきましたが、日本では観賞用として広く栽培されています。花の形が個性的なので、切り花やドライフラワーとしても人気があります。春に苗が流通するのを植え付けるのが一般的な栽培方法ですが、タネまきからでも育てられます。
- エキナセアの花言葉:「優しさ」「深い愛」「あなたの痛みを癒します」アメリカ先住民の社会では、ハーブティーにしたり、鎮痛免疫力アップの治療薬として利用されていたようです。
冬越しもできる多年草
- 分類:キク科エキナセア属 / 原産地:北アメリカ
- 学名:Echinacea
- 別名:エキナケア
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:30~100cm
- タネまき:3月下旬~4月、9月中旬~10月上旬
- 苗の植え付け:3月下旬~4月、9月~10月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月下旬~4月
- 株分け:3月下旬~4月
- 開花期:6月~9月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
- 特徴
- エキナセアの仲間は、北アメリカに約9種が分布するキク科バレンギク(エキナセア)属の多年草です。花色は、白、黄、オレンジ、ピンク、赤色などバラエティーに富んだ花色の品種が多数あり「エキナセア」は、その総称です。日本で主に栽培されているのは、和名がムラサキバレンギクのエキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea)です。アメリカ東南部、中央部にを中心に自生しています。古くから先住民が薬草として利用してきたハーブ植物です。
- 現代でも、ハーブティーとして利用されています。また、根茎に生物の免疫力を活性化させる成分が含まれていることが分かり、抗HIVウィルスの研究にも利用されています。
- 近縁種
- エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea)→国内で多く栽培されている品種。一般的に「エキナセア」と呼ばれるのは当種を指しています。プルプレアとは紅紫色の意味で、花の色からきています。茎は枝分かれして、よく茂り初夏から秋にかけてたくさんの花を咲かせます。花びらが咲き大きく生長してくると下に垂れ下がります。その姿が江戸時代の火消しの纏(まとい)に、ノレンのように垂れ下がっている飾りと似ていることから、ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)と呼ばれています。
- エキナセア・アングスティフォリア(E. angustifolia)→カナダ原産。草丈70~90cmで、花径は他の種と比べると小柄。蝶や蜜蜂の蜜源としても人気があります。花色は紅紫色で開花期は5月~7月。
- エキナセア・アトロルベンス(E. atrorubens)→USAカンザス、オクラホマ、テキサス州原産。草丈60~80cmで、花色は紫、白、ピンク色。花弁は幅細で、水平に伸びるか軽く反り返る。開花期は5月。
- エキナセア・パラドクサ(E. paradoxa)→USA原産。草丈60~80cmで、花色はエキナセアの仲間では珍しい黄色。花弁は細長く水平に広がるかやや下垂気味に咲く。開花期は5月~8月。
切り花やドライフラワーとして人気がある
- 用土
- 水はけがよければ特に土質は選びません。
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:(他には、亜k玉土・小粒4:腐葉土3:鹿沼土3:など)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~200g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥か腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、4月~6月、9月に月1回緩効性化成肥料を置肥します。それでも生育が悪い場合は、液体肥料を月2~3回施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月下旬、6月、10月の各1回骨粉入り固形油かすをバラまきします。
- 病気に抵抗力のある丈夫な株に育てるために、肥料は最小限しましょう。
春と秋にタネまきで増やす
- タネまき
- 適期は、3月下旬~4月、9月中旬~10月上旬です。一部の品種が市販されていますが、その種類は少ないです。自家採取でも発芽するので、増やしたい場合は自分でタネを採りましょう。箱まきかポリポットにまきます
- 箱まきの場合、容器に用土を敷きつめ、新聞紙で覆った上から霧吹きをするなど、事前に土を湿らせておきます。タネをバラまきしたら薄く隠れる程度に覆土をします。弱い苗を間引きながら、本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。本葉が5~7枚になり、ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- ポリポットまきの場合、弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になり茎がしっかりしたら、花壇や鉢に定植します。
- 秋まきの場合、冬越しのためにフレームで防寒するか軒下で管理して、翌春になったら定植します。
- 植え付け
- 適期は、3月下旬~4月、9月~10月上旬です。夏の暑さが残っていると根付きにくいので、9月になって涼しくなったら植え付けましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は30~40cm)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は30~40cm)
- 植え替え
- 適期は、3月下旬~4月、9月~10月上旬です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。株が肥大して、花付きが悪くなったら3~4年を目安に植え替えます。
- 株分け
- 適期は、3月下旬~4月です、
- コンテナの場合、植え替えの際に、同時に作業しましょう。掘り上げたら、細かく分けられるのを嫌うので、1株に4~5芽が付くように株分けします。
- 地植えの場合、年数が経ってもあまり横に広がらないので、株が余程大きくならない限り、頻繁に株分けしないほうがよいです。小さな株を分けると枯れてしまうので注意しましょう。
生命力が強く育てる手間がかからない
- 水やり
- コンテナの場合は、土の表面が乾いてきたら水を与えます。過湿になると根腐れを起こしやすいので、やや乾燥気味に管理します。
- 地植えで植えつけた際に根が付くまでの間と、夏の暑くて乾燥する時期を除いては、与えなくても大丈夫です。
- 手入れ
- 花がら摘み→花が枯れてきたら花茎ごと切り取ります、花がらを摘むことで次々と新しい花が咲きます。
- 冬越し→屋外の地植え場合、冬になると地上部が枯れるので、茎を地際から切り取ります。コンテナの場合、水やりを少なくして、やや乾燥気味に管理します。
- 病気→うどんこ病
- 日当たり
- 日なたを好みます。日陰では育ちませんが半日陰(午前は日が当たり、午後は日陰になる場所)なら育ちます。
- 基本的には日当たりの良い場所を選びましょう。寒さには強いほうですが、寒冷地であれば防寒の必要があります。株元を腐葉土や落ち葉やワラなどで厚く覆って、根が凍らないようにしてやりましょう。
ガーデンの風景: