ラナンキュラス 季節の花-秋に植え付けると春に開花する-イパネマおやじ

ラナンキュラス (Ranunculus) は、早春から初夏に咲く球根植物です。多くの品種は、紙のような薄い花びらが何枚も重なった色合いと花姿が美しい草花です。(掲載している画像の品種はラナンキュラスのラックスシリーズです)

ラナンキュラスは球根植物

薄い花びらを重ね合わせて咲く

  • 分類:キンポウゲ科キンポウゲ属 / 原産地:ヨーロッパ東南部、トルコ、シリア、イラン
  • 別名:ハナキンポウゲ(漢字表記・花金鳳花)
  • 学名:Ranunculus asiaticus    Crowsfoot / Gold Knots / Persian
  • 英名:Persian Buttercup
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(弱い)
  • 草丈・樹高:20~35cm
  • タネまき:10月
  • 球根の植え付け:10月~11月
  • 球根の堀り上げ・分球:6月
  • 開花期:3月~5月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • ラナンキュラスの仲間は、世界中で500種以上が栽培され、ラナンキュラス・アシアティクス(Ranunculus asiaticus)を改良品種したものが多くを占めています。アジア南西部、ヨーロッパ東南部、地中海沿岸部の草原や牧草地などに自生する多年草です。現在は、約1000種を超える園芸品種が流通しているといわれます。
  • 園芸では秋植え球根として扱い、夏の終わり頃から乾燥させたものが流通します。根が肥大化した塊根で、太くて短い根が多数付いています。花色は白、ピンク、オレンジ、赤、黄、複色など数多いです。
  • 近縁種
  • ラナンキュラス・アシアティクス(R. asiaticus)→多くの園芸品種の元となった野生種です。園芸品種の元祖の大半は、この野生種から生まれています。花名は「アジア産の・・」という意味から。花びらが5枚の一重咲きです。
  • ラナンキュラス・カランドリニオイデス(R. calandrinioides)→キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。北アフリカのアトラス山脈の高地が原産で、草丈15~30cm。長い葉柄をもった篦型(へらがた)で、2~3月頃から花径5cm程の白色~淡い桃色の花を咲かせる。
  • ラナンキュラス・サルドーウス(R. sardous)→キンポウゲ科キンポウゲ属の1~2年草。中国地方~九州北部の河川沿いや田の畦などに多く見られる帰化植物です。草丈は15~60cm程で、茎は細長く直立し茎葉は先端が3浅裂し茎に互生する。4~7月頃茎頂に1cm大の黄色い5弁花を咲かせます。

ラナンキュラスはキンポウゲ科の草花

  • 用土 
  • 酸性土壌を嫌います。水はけがよく、やや水保ちのよい用土を好みます。
  • コンテナ・鉢植えの場合、市販の草花用培養土、または赤玉土(小・中粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、芽出しの春から花が咲き終えるまで、月間1回を目安に、緩効性化成肥料を置き肥します。
  • 地植えの場合、植え付けの際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、芽出しの春から花が咲き終えるまで、月間2~3回を目安に液体肥料を施します。

ラナンキュラスは薄い花びらを重ねて咲く

球根を掘り上げたら分球する

  • 植え付け
  • 適期は、10月~11月です。市販の球根は乾燥していて、そのまま土中に植え付けると急速に水分を吸収して腐りやすくなります。まず、乾燥した球根をゆっくりと吸水させましょう。
  • 容器に、湿らせた川砂かバーミキュライトを入れ球根を水ゴケで包むようにして、一晩寝かせます。材料が揃いにくければ、キッチンペーパーかティッシュペーパーなどで包んで、ラップで保湿します。
  • コンテナ・鉢植えの場合、5号鉢に5個以内を目安に植え付ける。深さは表土が2~3cmの比較的浅めに植える。
  • 地植えの場合、10~15cmの間隔を空けましょう。
  • 球根の掘り上げ
  • 適期は6月です。花後に葉が枯れて黄色くなってきたら、球根を掘り上げます。葉を落としよく土を払ってから、日に当て充分に乾燥させてから涼しい暗所に貯蔵しましょう。
  • 球根を分ける
  • 適期は6月の堀り上げ時です。球根の付け根に、白い短毛が生えている部分を付けて分けます。
  • タネまき
  • 適期は10月です。発芽温度は15度前後、20℃を超えると発芽不良になるので涼しくなってからまきましょう。発芽まで2~3週間必要です。
  • 箱まきかポリポットにまきます。タネが薄く隠れる程度に覆土します。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、さらに、一回り大きなポリポットへ鉢上げ(植え替え)します。その後は花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)

ラナンキュラスはヨーロッパ原産です

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過湿になると球根が腐りやすくなる

  • 水やり
  • コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花が枯れてきたら、早めに花茎の下から切り落とします。枯れた花を放置すると、余分な栄養をとられ、カビが発生する原因にもなります。
  • 病気→灰色カビ病 多湿になると発生しやすいので、株は常に清潔に保ちましょう。 
  • 害虫→アブラムシ 春先から発生しやすいので、見つけたら薬剤散布をしておきます。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 地植えの場合、定植前に場所をよく見極め、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物園の風景:

里山ガーデンの風景

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