病気の対策と薬剤 植物にとって重要なトラブル対策-イパネマおやじ

植物に害を与える害虫を防除する農薬が殺虫剤、病気を防除する農薬が殺菌剤です。植物を侵す病原菌はウイルスが約3万種、細菌が約300種、糸状菌が4千種以上あり害虫は約3万種が植物を加害します。しかし、病原菌や害虫もすべての植物に病害を及ぼすわけではありません。

ガーデニングの病害虫対策

植物の病害虫を防除する

多数の種類がある園芸植物は、それぞれ性質が異なります。これらの中には、病気に侵され易いものと、全く侵されない性質のものがあります。被害を回避するには、病原菌や害虫に侵されないよう、それらが活動できないか、もしくは活動を妨げる環境を作る必要があります。農薬ばかりに頼っていると、天敵や拮抗微生物など、病原菌や害虫の対抗生物をも殺してしまい逆に害虫が増えてしまうことになります。

  • 病気や害虫の予防をする方法
  • 健全な苗を使う
  • 植物にとって適当な時期や土地で栽培する
  • 輪作を実行する
  • 抵抗性品種の利用
  • 病原菌や害虫などの対抗生物(害虫の天敵など)が活動しやすい環境づくり
  • 作物管理、環境衛生、誘引作物の利用、干渉作物などの利用による被害回避
  • 肥料を適正に使う
  • 水やりを最適に行う

これらの事を実行することにより、病気、害虫の発生を抑制します。肥料を多めに施用するとべと病やアブラムシが発生してしまい、逆に肥料が切れると斑点病などが出やすくなるので、施肥は植物にあわせて適正に行いましょう。

段落の仕切りライン

殺虫剤を頻繁に使うと抵抗性害虫が発生したり、天敵が減ってしまうので、殺虫剤の散布は必要最小限にしましょう。予防措置をとっても防げない病気・害虫には農薬で対処しますが散布する人や、環境への安全に配慮する必要があります。

薬剤を使わない防除法もあります

日常の栽培管理 家庭園芸で励行したい主な防除法

地植えの場合、土壌の排水を円滑にする。排水が不良の土壌は、排水溝を作ったり畝を高くします。また、完熟した堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土壌の改良をします。畝や通路にカヤや麦わらなどでマルチングをして、雨によって土の粒が植物にハネ上がらないようにします。(病原菌は土中にいるから)

  • 病気にかかった茎や葉は速やかに取り除く
  • しおれたり枯れた株は、周りの土とともに取り除いて焼却や土中に深く埋めて消去します。
  • 定植するときは、株間を十分にとる
  • 茎、枝、葉が繁殖しすぎないよう管理して、風通しを良くして葉の上からの水やりを避けましょう。(病原菌のカビ類の多くは湿気を好みます)
  • 日当たりや、風通しを良くすることは植物の生育には好ましく、病害虫にとっては生息しにくい環境なのです。

健全な苗を使う

病原菌の無い種子や、健全に育った苗を用いる。また、種類によっては接ぎ木した苗を使用する方法もあります。

薬剤の種類→殺菌剤

植物の病気の主原因となる病原菌を直接殺菌するものと、散布された植物がある特定の病原菌の侵入を妨げるようになるものなどです。病気は、害虫と違い植物が病原菌に感染したかどうかは、肉眼では確認することができず、感染しても潜伏期間があって発病するまでは目に見えません。

殺菌剤は、病気の発見が遅れ、まん延してから使用しても十分な効果が得られにくいので、発生初期または、病原菌の感染前に予防的に散布すれば効果的です。そのためには、栽培する植物に発生しやすい病気や、その発生時期を確認しておく必要があります。

除草剤→雑草を直接からすもの、雑草の種子の発芽を抑制するものなどです。イネ科の雑草にのみ効くものや、広い葉の雑草にしか効かないものなどがあります。
その他→葉から水分が蒸発するのを抑えるもの、昆虫を引き寄せるフェロモン剤、害虫が寄ってこないようにするもの、ネズミを殺す薬剤、薬剤が植物に付着しやすくする展着剤などがあります。

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植物の主な病気→カビが原因の病気

うどんこ病→最初はうどん粉をまぶした様な白いカビが生え、被害が進むと葉全体がカビで覆われるようになる

うどんこ病の葉っぱ

疫病→葉や茎が暗褐色に腐敗して枯れる、草花の被害が進むと株が倒れて枯死してしまう

黒星病→葉や葉に黒褐色で円形の斑点ができ、やがて黄変して落葉する。被害が進むと株も衰えてくる

黒星病の症状

ごま色斑点病→円形で褐色の小さな斑点ができる、被害が進むと落葉が激しくなり枝葉が衰弱してくる

さび病→ごま草花や野菜では橙黄色または白色の丸い小斑点がつき、梨やボケでは葉裏にひげ状のカビがつく

すす病→黒色のカビが生え、被害が進むと葉が厚いスス状の膜で覆われて生育が悪くなる

炭そ病→糸状菌で、いくつもの植物を冒す多犯性なので早目に病株を処分しましょう。葉に黒い小粒点やサーモンピンクの粘塊ができる

灰色カビ病→花びらに褐色の小さな斑点がついたり、葉や茎に灰色のカビが生える。多湿な環境で広がりやすい

べと病→キュウリなどウリ科の野菜では葉脈に囲まれた黄色い斑紋ができ被害が進むと葉全体が枯れ上がる

もち病→ツツジ類やツバキ類の葉が餅のようにふくらみ、後に干からびて枯れる

【ウィルスが原因の病気】

モザイク病→ツツジ類やツバキ類の葉が餅のようにふくらみ、後に干からびて枯れる

細菌が原因の病気

軟腐病→野菜や花の根や地際部などが溶けたように軟らかくなって腐る

青枯病→根が褐色になって腐り、葉が緑色のまま急にしおれる、やがて株全体が枯れてしまう

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