バラの剪定作業 バラの園芸・作業-イパネマおやじ

剪定とは枝を切ることです。株を健康な状態で維持するために欠かせない作業です。年間を通して必要な作業なので、手入れのポイントを理解しておきましょう。

つるバラの夏の手入れ風景

剪定はバラの栽培にとって最も大切な作業の一つ

  • 剪定の大切さ
  • バラの株は、手入れをしないで放置しておいても育つのは育ちます。しかし、いつまでも枯れた枝や花がらが付いたままだと、株元が込み合い、風通しや日当たりが悪くなり、株の劣化が進み花も貧弱になります。
  • そんな状態にならないよう、不要な枝を整理して春から秋のシーズンを通して、美しい花を咲かせるために剪定を行いましょう。

段落の仕切りライン大

フロリバンダ系の夏剪定

剪定をすると、こんな効果がある

  • 花数を減らして、大輪の花を咲かせる→
  • 枝数を減らすとことで、花数が減り花が大きく育ちます。切り取る枝は低く切りすぎないで、太い枝を残しましょう。
  • 株を更新する→
  • 古い枝を切り取ることで、シュートの発生を促します。シュートの発生は、株が若返ることにつながります。但し、品種によってはシュートの発生しにくいものもあり、その場合は古い枝が何年も行き続けます。そのために、古い枝を大切に管理していきましょう。
  • 株の内部に日を当てる→
  • 古い枝や、徒長した枝を切ることで、枝葉を密生させずに太陽光が株元に当たると、株が充実して病気や害虫の発生を防げる。
  • 伸びすぎた枝をコンパクトにまとめる→
  • 枝が伸びすぎて、樹形が乱れた株をバランスよくまとめる。
  • 開花シーズンに先駆けて、早く花を咲かせる→
  • 早く花を咲かせたい時は、枝を浅め(先端に近い位置)に切ります。低い(根元に近い)位置で切ると、開花が遅くなり、花枝が短く花も小さめになってしまいます。
  • 花を多く咲かせる→
  • 浅めに切り、枝数を多く残すと花は小さくなるが、花数を増やすことができます。

夏のバラ園の手入れ風景

夏の剪定は秋に美しい花を咲かせるための作業

  • 夏剪定の目的
  • 夏剪定の目的は、秋によいバラを咲かせるために必要不可欠の作業です。
  • 適期は8月25日~9月15日前後だが気温により作業時期が異なります。
  • 温暖な地域の、四季咲き性で木立ち性品種のみ剪定します。ハイブリッド・ティー、フロリバンダ、ミニチュア、オールドローズの一部系統が対象です。

ハイブリッドティ系統の夏の手入れは、三番花が咲いた場合でも二番花の花枝を切ります。(樹高の1/2を目安に切る)そして、フロリバンダ系統はやや浅く、枝の先端から1/3の位置で剪定します。

ダマスク系やケンティフォーリア系の一部など、一季咲きのオールドローズは今年咲いた花枝を先端から1/3強の位置で切ります。(つるバラは剪定しないで軽く枝先を整える程度に刈る。他には、四季咲きの半つる性、木立ち性オールドローズ(チャイナ系、ティー系のみ)、イングリッシュローズは上部1/3弱で切り戻しています)

夏のつるバラ剪定

開花時期を遅らせる

四季咲き性の品種は、夏剪定をしなくても開花します。なぜ、夏剪定をするのかというと、8月15日過ぎに軽く剪定すると約30日で開花します。ということは、9月15日頃に開花するわけですが、開花する時の気温が夏の暑さが残っていると、まだ花は小さく花色も本来の美しいものではありません。暑さが残っている場合は、9月上旬から10日頃に剪定を遅らせると、10月に美しく大きな花を咲かせます。

一般的に9月になって朝夕が涼しくなってくると、日照時間も短くなり、早咲き品種でも開花するまで40日位必要となります。そうなると、咲くのは10月10日頃ということになりますね。この、開花までに10日間余分に必要になることで、花枝、花、葉がより生長して、美しく大きな花を咲かせる原動力となるのです。

注意点は、夏の暑さに弱い品種や、病気に罹って下葉を落とした株、生育不良で樹勢の弱い株は剪定を避けましょう。

樹高の調整作業

生育期間の長い、関東地方以西の地域では、株立ちの木立ち性のバラは順調に生育すると樹高が150cm以上になります。

春の花後も、花が程よい樹高で咲き揃うように調整作業をすることが、夏の剪定の目的です。この時期は株によって状態が異なるのですが、適期に剪定することで、秋バラのシーズンに備えて株をサッパリとさせましょう。

作業日程

秋の花は夏花と比べると花色も鮮やかで美しいバラが咲いて、格段の違いがあります。そのなかでも開花に時間を要する品種は、早めに剪定をしましょう。作業は集中して2~3日で完了させましょう。

冬の剪定は株を若返らせて春によい花を咲かせるため

  • 冬剪定の目的
  • 冬剪定は、株を若返らせ春によい花をさかせるためです。適期は2月です。(品種によっては1月から行う場合もある)
  • 2月に入ると、バラの根は休眠から目覚めて活動を開始します。活発に水を吸い上げ、春の発芽の準備を始めます。そして、3月になると芽が伸びはじめます。
  • 剪定するのは、芽が伸び始める直前の2月に行います。
  • 剪定のポイント
  • 前年の開花枝(一番花)を2~3節程残して切るのはハイブリッドティ系のバラ、フロリバンダ系は花を多く咲かせるので、やや浅く上から1/3の位置を目安にします。
  • よい芽がなくても、まずは剪定する。
  • 太い枝、堅い枝は浅く、細い枝や柔らかい枝は深く切る。※最も大切なのは、一番花を切ることです。
  • 他には、枯れた枝や病気の枝など、見つけ次第すぐにつけ根から切り除きましょう。原則は、太い枝、堅い枝は浅め仁、細い枝、柔らかい枝は深めに切ります。

バラ園の風景:春の京成バラ園

京成バラ園の風景

園芸メモ・バラの栽培用語:葉挿し⇒挿し木の一種で、茎の替わりに葉を使う。

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