キンシバイの植え付けは３月から　季節の花-半落葉小低木

キンシバイ（ヒペリクム）は、梅雨前後の初夏になると鮮やかな黄色い花を、うつむき加減に咲かせます。花姿がウメに似ていりことから、金糸梅と呼ばれようになったそうです。家庭の植木や花壇に観賞用として育てられているのを、見かけることも多い樹木ですね。幹は株立ち状になり、樹高はあまり高くなりません。枝が下垂気味に伸びて、寒冷地では落葉するが暖地では半落葉～常緑になります。

花壇を明るくする花木

分類：オトギリソウ科オトギリソウ属 / 原産地：中国
漢字表記：金糸梅
別名：ヒペリクム、ヒペリカム
学名：Hypericum patulum
英名：
園芸分類：半落葉性小低木 / 耐寒性　
草丈：８０～１００ｃｍ
開花期：６～７月
栽培方法：地植え、鉢植え

特徴
キンシバイは、中国原産の半落葉小低木で、渡来したのは江戸時代とされています。観賞用の花木として好まれ、花壇や植木として広く栽培されています。最近は、本種に代わって園芸品種の’ヒドコート’が、花や葉が大型で長期間にわたり鑑賞できて育てやすいことから、人気が高まっています。

近縁種
ヒペリカム’ヒドコート’（Hypericum ‘Hidcote’）→キンシバイの園芸品種で、大輪キンシバイという名前で流通している。キンシバイによく似ているが、花径や葉形は一回り大きい。開花期も長く、丈夫で育てやすいの人気のある品種です。
ヒペリカム・アンドロサエマム（Hypericum androsaemum）→地中海沿岸に分布する、半落葉低木。花径２～３ｃｍの５弁花を咲かせる。長い雄しべを持ち花弁と同じ長さになる。花後に果実が熟すと赤くなる。樹高は１００ｃｍ程。
ヒペリカム・トリカラー（Hypericum x moserianum ‘Tricolor’）→キンシバイとセイヨウキンシバイの交配種で、葉の緑色地に淡い黄色の斑が入る。斑は、強い日差しや低温になると赤く色づく。樹高３０の矮性品種です。
ヒペリカム・カリキナム（Hypericum calycinumu）→ヨーロッパ、西アジア原産の常緑性低木。世界中に分布していて、アメリカやオーストラリアでは帰化植物として自生している。

地植えの肥料は完熟堆肥を混ぜる

適応・（ハーブ、漢方としての適用） / 料理・飲み物で楽しむ
なし

用土
水はけ水もちのよい土壌を好みます。腐植質で保水性のある土壌はなおよい。
鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、赤玉土（小粒）６：腐葉土３：ピートモス（酸度調整済）１：の割合で混ぜ込んだ土を使います。
地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土２割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。

肥料
鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、３月と花後で気温の下がる９月下旬～１０月に緩効性肥料を置肥する。
地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料と少量の完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、３月と花後で気温が下がる９月下旬～１０月に油かすや骨粉、又は緩効性肥料を置肥する。

植え付け
苗の植え付け適期は、春が３～４月と秋が９月下旬～１０月です。
｢用土」と｢肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
鉢植えの場合、４～６号鉢に１株が目安です。
地植えの場合、植え穴は根鉢の倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。

植え替え
適期は、春が３～４月と秋が９月下旬～１０月です。
鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、１～２年に１回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
植えの場合、基本は必要ありません。

増やし方
株分けで増やす→適期は、春が３～４月と秋が９月下旬～１０月です。植え替え作業と同時に行います。
挿し木で増やす→適期は、６月～７月上旬です。丈夫な枝を選び、先端から１０～１５ｃｍの長さに切り取る。先っぽの葉を３枚程残して、あとは取り除く。１時間程水揚げして、赤玉土（小粒）などの清潔な用土に挿します。発根するまで、明るい日陰で乾燥しないように管理する。根が十分に回ったら、鉢や花壇へ定植する。