センテッドゼラニウム ハーブ-茎や葉に芳香があり香料に利用-イパネマおやじ

センテッドゼラニウム (Scented geranium) は、ニオイゼラニウムとも呼ばれ、250種ほどあるテンジクアオイ属のうち、葉に芳香や刺激臭がある低木類の総称です。ゼラニウムの仲間は、南アフリカ、シリア、オーストラリアなどに約250種が分布する植物です。一年草、多年草、低木状など多様な種があります。

南アフリカ原産

料理やポプリに利用できる

  • 分類:フウロソウ科テンジクアオイ属 / 原産地:南アフリカ、エジプト
  • 学名:Pelargonium graveolens
  • 別名:ニオイゼラニウム(和名:ニオイテンジクアオイ・匂天竺葵)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:30~110cm
  • 苗の植え付け:4月~5月、秋は9月~10月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 植え替え:4月~5月、秋は9月~10月
  • 挿し木:4月~5月、秋は9月~10月
  • 開花期:4~7月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php

ゼラニウムの2枚組み

  • 特徴
  • 普通のゼラニウムとは異なる印象があり、花弁が細かく繊細で、野趣味あふれる雰囲気が人気を呼んでいます。特にトルーローズゼラニウムは、全草にバラと同じ香気成分のゲラニオールを多く含み、香料用精油抽出のため古くから商業的に栽培されてきました。
  • ミント、柑橘、フルーツ系、スパイス系など種類が多く、花の色や形も様々です。主に茎や葉に芳香があり花はほとんど香りがありません。それぞれ使い方は異なりますが、主に料理やハーブティーブーケなどに利用されます。
  • 日本では、1943年から愛媛県、香川県、鹿児島県で精油抽出のため栽培が始まりました。葉には強い香りがあり化粧品や食品用の香料として利用されています。
  • 近縁種
  • センテッドゼラニウム(P.Sented-leaved Group)→南アフリカを中心にオーストラリア、シリアなどに約280種が分布する。特に芳香を放つ品種をセンテッドゼラニウムと呼ばれるのは、葉茎に芳香がありハーブとして利用される。
  • アプリコットゼラニウム(P.scabrum ‘M.Nonin’)→濃いローズ色で、丸い花びらを持つ花が美しくアンズの香りがする。葉は堅く深緑色をしている。人気のある品種です。
  • レモンゼラニウム・プリンスルパート(P.crispum ‘Prince Rupert’ )→レモンの香りがする。胃の不快感を引き起こすことがあり、料理に利用するのは避ける方がよいとする説あり。
  • ローズゼラニウム(P.graveoiens)→全草にバラと同じ香気成分のゲラニオールを含み、商業利用で香料用精油抽出のために栽培をされてきました。

ハーブ季節の花

冬の寒さにはやや弱い

  • 適応 (ハーブなどの効能)
  • 葉はポプリに利用
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 生葉を料理、ジャム、ティーの香り付けに使う、生花はサラダ
  • 用土 通気性があり水はけのよい適度な保水性のある土壌を好む
  • 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または腐葉土3:赤玉土(小粒から中粒)7:の割合で混ぜ込み、土壌改良用として牛ふん堆肥も1割ほど混ぜ込んでおきます。
  • 地植えの場合、ややアルカリ性のある土壌を好むので、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。

センテッドゼラニウム

  • 肥料
  • コンテナの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、4月~7月上旬、9月~10月の間に、月に1~2回、緩効性化成肥料を置肥、または週1回程度規定量に希釈した液肥を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、4月~7月上旬、9月~10月の間に、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 植え付け
  • 適期は、4~5月、秋が9~10月です。
  • コンテナの場合、5~6号鉢に鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。やや乾燥気味を好むので地植えの場合、深く植え過ぎないように、根の上部が土の表面から隠れる程度の浅植えにします。
  • 植え替え
  • 適期は4月~5月、秋が9月~10月です。コンテナ・鉢植えの場合、生育が旺盛で鉢の中がすぐに根でいっぱいになるので、1~2年に1回は大きな鉢へ新しい用土を入れ替えて植え替えします。根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 挿し木
  • 適期は、真夏を除いた生育期です。
  • 春が4~6月、秋が9月~10月です。枝先から10cm位の位置で切り取ります。ゼラニウムの茎は水分が多いので、そのまま用土に挿すと雑菌が入って枯れてしまいます。切り取ってから、1日間は日陰に置いて切り口を乾燥させてから用土に挿します。
  • 用土は病原菌のいる可能性が低い未使用の用土で通気性、保水性が高く、肥料分を含んでいないものを使います。軟らかい茎を挿すのには、丸い粒状のバーミキュライトやピートモスなどです。
  • ※ 挿し木の詳細→サイト内ページ

多年草

ハーブの仕切りライン大

夏の暑さと高温多湿を嫌います

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いてからタップリと与えます。与えすぎて鉢の中が過湿になると根が腐りやすくなり、生育が弱まることもあります。基本はやや乾燥気味で維持しましょう。
  • 地植えの場合、基本的に水やりの必要はありません。
  • 手入れ
  • 切り戻し→高温多湿を嫌うので、梅雨から夏の時期は風通しをよくするために切り戻しをしましょう。特に株の中が、枝が伸びて茎葉が混み合うと蒸れて生育を妨げます。秋に(10~11月頃)なったら、収穫を兼ねて切り戻しをしましょう。葉を少し残すように、草丈の約半分くらいの位置で切り戻します。
  • 花がらを摘む→花が咲き終わったら、花茎のつけ根から折り取ります。
  • 病気→特になし
  • 害虫→オンシツコナジラミ 発生時期は5~10月。カイガラムシのように固着して加害します。発生部位は下葉から枯れ上がります。苗の購入時は、葉裏を確認してコナジラミがついていないか確認しましょう。対策は、黄色粘着トラップで誘殺します。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。アップルゼラニウム、レモンゼラニウムは半日陰でも育ちます。
  • 梅雨から夏にかけて、高温多湿になりやすい場所は避けて、風通しのよい場所を選びましょう。冬の寒さに対して、やや弱く3℃以上が必要です。
  • 地植えの場合、寒冷紗をかけるか、手間はかかりますが掘り上げて鉢に移し、軒下やベランダへ移動させる方法もあります。

ハーブの仕切りライン大