ニンジン(人参) 野菜-ベランダでも育てられる野菜-イパネマおやじ
ニンジン (Carrot) は、栄養価が高くカロテン、ビタミンが豊富で食物繊維がたくさん含まれる緑黄色野菜の代表ともいえる野菜です。西洋種と東洋種がありますが、主に流通栽培されているのは西洋種です。
育てやすい基本の栽培パターンは、夏まき秋冬採りです。ニンジンの栽培でタネまきで発芽させれば、栽培は成功したも同然といわれる程、発芽させるのが難しい植物ですが、性質を理解した育て方をすれば元気に生長します。コンテナでの栽培なら、根の小さい「ミニ人参」がよいでしょう。地植えの場合は、夏まき秋冬採りがお奨めです。
苗の移植を嫌うので直まきをする
- 分類:セリ科ニンジン属 / 原産地:中央アジア
- 別名:(漢字表記:)
- 学名:Daucus carota
- 園芸分類:二年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30~50cm
- タネまき:春と秋(発芽適温15~25℃、生育適温20℃前後)
- 苗の植え付け:ポットなどで育苗して移植するのではなく、コンテナや畑に直まきする。
- 収穫期:単根種でタネまきから80日程、長根種で140日程で収穫期
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ニンジンは、他の野菜と比べて発芽率が低いとされています。理由は、種子に発芽抑制物質が含まれている、採取の際に未熟種子が含まれている、高温や低温、乾燥環境などでは発芽しにくい、などの要素があります。病気の発生の原因の一つに連作があります。3年~4年は同じ場所での栽培は避けましょう。
- 収穫したニンジンの側面を観察すると、小さなクボミが並び細くて短い根(側根)が生えています。側根が等間隔で並んでいるものは、生育が順調で美味しい証です。有機質肥料が豊富な土壌でユックリと育つと、側根が等間隔で1列に並びます。
酸性の土壌を嫌います
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)
- (生薬の茎葉)口内炎、扁桃炎、うがい薬
- 料理・飲み物で楽しむ
- サラダ、ジュース、煮物
- 用土 5.5~6.5pHの弱酸性~微酸性の土壌を好む
- コンテナの場合、市販の野菜用培養土または赤玉土(小粒)5:砂2:バーミキュライト3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。赤玉土は弱酸性ですが少量だけ苦土石灰を混ぜ込みます(用土10L当り10g)
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100g)と、完熟堆肥(1㎡当たり3kg)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、緩効性化成肥料を(1㎡当たり100g)と、過リン酸石灰(1㎡当たり30g)を混ぜ込んでおきます。
- ニンジンの生長過程で、土中に小石や障害物に当たると又根(根先が枝分かれ)になるので、土を耕す際に小石などは取り除いておきましょう。
- 畝立て
- 土作りが完了したら、畝を立てます。1条まきは畝幅40cm、2条まきは畝幅60cm、畝の高さは10~15cm位(水はけの悪い場所は20cm)が適当です。水が溜まらないように畝の表面は平らに作ります。
- 肥料(用土の項目と重複します)
- コンテナの場合、鉢底石を敷いて「用土」の項目で準備した用土を容器に入れます。タネまきの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料(10L当たり20g)を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の野菜用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)追肥は、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、タネまきの1週間程前に、緩効性化成肥料を(1㎡当たり100g)と、過リン酸石灰(1㎡当たり30g)を混ぜ込んでおきます。追肥は、2回目と3回目の間引きの後に化成肥料(1㎡当り30~50g)を、条間にまいて土と混ぜておきます。
- タネまき後、60日頃から肥料の吸収が活発になります。それまでは追肥は必要ありません。追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき 発芽適温は15~20℃ 涼しい気候を好み、真夏は生長が止まる
- 適期は、春まきが3月中旬~4月中旬、夏まきは7月中旬~8月中旬です。ニンジンは好光性なので、光が当たらないと発芽しないので、覆土は薄くして5mm~1cm程度にします。タネがとても小さいので、タネまき後に、勢いよく水を施すとタネが流出しやすいので少量の水やりで済むように、土壌をよく湿らせておきます。
- タネまき後、5~7日で発芽します。タネまき後、水を施して時間が経つと、土の表面が乾燥して硬くなり発芽できなくなります。本葉が出揃うまでの間、乾燥を防ぐために不織布を掛けておくと湿度を保ち発芽を促します。(間引きの時期まで掛けっぱなしにしておく)
- コンテナに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、深さ1cm程の、まき溝を作ってタネまきします。1cm間隔で1ケ所に3~4粒を重ならないように筋まきします。表面をしっかり土で覆い20℃前後で管理します。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。
- 畑に直まきする場合、「畝立て」で用意した土に、深さ1cm程の、まき溝を作ってタネまきします。1cm間隔で1ケ所に3~4粒を重ならないように筋まきします。表面を、しっかり土で覆い20℃前後で管理します。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。2条巻きする場合、条間20cmを空けましょう。
- 間引き
- 本葉が2~3枚の頃に1回目の間引きをします。形の悪いものを間引いて、株間は1~2cm空けます。
- 2回目の間引きは、本葉が3~4枚になった頃、株間は3~4cm仕立てます。
- 3回目の間引きは、本葉が5~6枚になった頃、10~12cmで仕立てます。
冷涼な気候を好みます
- 水やり
- ニンジンの種は吸水力が弱いので、タネまき後から発芽まで土壌が乾燥しないように水やりして管理します。
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。長く降雨がなく乾燥が続く時は、水やりしましょう。
- 手入れ
- 土寄せ→ニンジンの肩が地面から出ていたら土寄せして、緑化を防ぎましょう。
- 病気→うどんこ病、軟腐病
- 害虫→キアゲハ、ネグサレセンチュウ、ヨトウムシ
- 収穫
- 単根種でタネまきから80日程、長根種で140日程で収穫期をむかえます。ミニ人参は70~90日です。
- 地上茎が、全体に葉が黄色くなってきたら収穫期です。株ごと抜き取ります、葉も食べることができます。収穫が遅れると、生長し過ぎて実割れ(裂根)を起こします。ただし、11月半ば以後に収穫サイズに育ったものは、実割れをしないので、地中に植えたままの状態にして、好みの時期に収穫できます。
- 越冬収穫するには、葉が枯れて生長が止まりますが、根の部分は耐寒性があるので、株の表面を土やワラなどでで覆っておけば春まで保存維持が可能です。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。