チョウノスケソウ 季節の花-植え付け期は9~10月と春-イパネマおやじ

  • チョウノスケソウは、日当たりと風通しのよい場所を好む高山植物です。高山帯の砂礫地に生え、樹高は5~10cmです。地表を這うように伸びる若い枝から根を下ろして広がります。葉は楕円形で縁には丸い鋸歯があり、葉脈はしわ状になりくぼんでいます。雪解けと共に、楕円形でしわの入った葉を広げます。6月~8月に、葉液から長さ4~10cmの花柄を伸ばし、先端に花径3cm程の花を咲かせます。花は、花冠が8枚の白黄色です。花後には、花柱が長く伸びて羽毛状になり、羽毛を付けた瘦花は風により飛散します。その後、少し紅葉して雪の下で休眠期を迎えます。
  • 栽培した場合、開花期は5月中旬~6月下旬です。高山植物を代表する植物ですが、実際の栽培は難易度の高いものです。

チョウノスケソウは山野草

本州の中部以北の高山地帯に分布する

  • 分類:バラ科チョウノスケ属 / 原産地:北海道、本州の中部以北、高山地帯
  • 別名:(漢字表記:長之助草)
  • 学名:Dryas octopetala  var. asiatica
  • 園芸分類:常緑または落葉小低木 / 耐寒性(普通)、耐暑性(弱い)
  • 樹高:5~10cm
  • 苗の植え付け・植え替え適期:3月中旬~5月中旬、9月下旬~10月中旬
  • タネまき適期:2月下旬~3月
  • 挿し木適期:3月~4月
  • 開花期:5月~6月
  • 栽培方法:鉢植え(棚上で管理する) ※栽培適期:暖地・平地での栽培は難しい。
  • 特徴
  • 19世紀の後半、ロシアの植物学者マクシモヴィッチに依頼され、採取に尽力をした須川長之助の名前に因んでいます。発見されたのは、富山県の立山です。日本で始めて本種を、発見・採取した須川長之助が残した標本を見た、牧野富太郎博士が後日、本種を「チョウノスケソウ(長之助草)」と命名したとされます。
  • 近縁種
  • チョウノスケソウ(Dryas octopetala)→ヨーロッパ、北米、アジアの高山地帯に分布するチョウノスケソウの花種です。匍匐性の常緑小低木で、高山の岩場や砂礫地に群生して白色の花を咲かせる。日本に分布しているのは、一般的に変種(var. asiatica)とされます。
  • キバナチョウノスケソウ(Dryas drummondii)→アラスカから北米西海岸の高山地帯に分布する。黄色の花を咲かせ、葉は幅広形。匍匐するランナーは、よく伸長して広がる丈夫な種。
  • ヒメチョウノスケソウ(Dryas integrifolia)→アラスカからグリーンランドに分布する。小さな葉を外巻きに開く。主に極寒地に生息するので夏の暑さに弱い。草丈10cm程で、白色の花を咲かせ岩場に群生する。

チョウノスケソウは高山植物

草花のようだが小低木です

  • 用土 通気性と水はけのよい土壌を好みます
  • 鉢植えの場合、素焼き蜂かラコッタ鉢のような通気性と水はけのよい植木鉢を選びましょう。市販の山野草用培養土または硬質鹿沼土4:日向土4:軽石2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。

大サイズのライン画像

  • 肥料 
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、春先に化成肥料か骨粉入り固形油かすを置肥します。他には、生育期の3月下旬~6月、9月下旬~11月上旬に、月3~4回薄めの液体肥料を施します。(夏季の7月~9月上旬は避ける)

花色は白です

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、3月中旬~5月上旬、9月下旬~10月中旬です。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 流通している苗は、主に北海道で作られたもので、用土はエゾ砂単用です。エゾ砂は、多孔質な軽石なので、温暖地では過湿になり傷みやすいので、一度根鉢を抜いて古い土を振るい落として、用意しておいた新しい用土に植えつけます。
  • 植え替え
  • 適期は、3月中旬~5月中旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 増やし方
  • タネまきで増やす→暖地では向きません。適期は、2月下旬~3月です。鉢に用土を入れてタネまきをします。用土は、水苔または山野草用培養土、軽く覆土して発芽したら移植します。植え付け後、2年程で開花します。
  • 株分けで増やす→適期は、3月中旬~5月中旬です。植え替えの際、枝に根が伸びているものを選んで同時に作業しましょう。
  • 挿し木で増やす→適期は、3月~4月です。用土は、硬質鹿沼土を用いる。基本的には可能ですが、暖地や一般園芸では向いていません。

チョウノスケソウは常緑性です

日当たりと風通しのよい環境を好む

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、基本的には年間を通じて毎日施しましょう。
  • 真夏は夕方に、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。多湿は嫌いますが、冬季も乾燥しない程度に施しましょう。
  • 手入れ
  • 葉先を摘み取る→適宜に、枝葉を茂らせるためには、枝先を摘み取り、腋芽を出してやります。
  • 害虫→アブラムシ、ナメクジ、バッタ、ヨトウムシ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
  • 夏季の高温期は、葉焼けや植木鉢内の停滞水が温度上昇するのを防ぐために、日除け対策として、遮光ネットを張り風通しのよい環境を整えましょう。

大サイズのライン画像