トケイソウの植え付けは4~6月 季節の花-熱帯植物

  • トケイソウは、つる性常緑植物です。熱帯植物の特徴である、色彩の鮮やかさと個性的な花形が特徴です。その仲間は約500種以上があり、つる性、低木、多年草など様々な種があります。その中で、美しい花を咲かせる、つる性の多年草が「トケイソウ」として、多くはあんどん仕立ての鉢物として流通しています。
  • 花が咲くのは、5月頃~晩秋までの長い間を咲き続けて、楽しませてくれます。花名は形が時計の文字盤に似ていることから、名付けられたようです。花色は原色系が中心で、個性的な花形と独特の色彩美で人気があります。主に鉢植えで育てられ、アサガオの支柱に使われる「あんどん仕立て」にして栽培されているのを見かけます。地植えにして、トレリスやフェンスに誘引しても極彩色の花を楽しめます。

トケイソウは熱帯植物です

初夏~秋まで長く開花する

  • 分類:トケイソウ科トケイソウ(パッシフローラ)属 / 原産地:アルゼンチン、ブラジル
  • 別名:ポロンカズラ、パッションフラワー
  • 学名:Passiflora caerulea L.
  • 英名:blue passionflower
  • 園芸分類:つる性多年草 / 非耐寒性~耐寒性(種により異なる)、耐暑性 
  • 草丈(伸長):3~5m
  • 開花期:5~9月 /
  • 栽培方法:地植え、鉢植え

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  • 特徴
  • トケイソウの仲間は、熱帯アメリカを中心に世界中で約500種が分布しています。種により、低木、多年草など、多彩な樹形や花形をしています。流通上で「トケイソウ」と呼ばれているのは、パッシフロール・カエルレア(Passiflora caerulea)のことを指している場合もありますが、本来はトケイ属の総称として用いるのが一般的です。
  • 開花期は、5~10月と種により様々ですが主として7~10月上旬に開花する種が中心です。巻きひげのようなつるを、支柱に絡ませながら上へと長く伸びていきます。窓際に長い支柱を立ててて誘引して、日射しよけのグリーンカーテンにしてもよいですね。一部の種は、実が食用になるパッションフルーツを付けるものもあり、国内でも栽培されています。
  • 近縁種
  • パッシフローラ・アラタ(Passiflora alata)→和名がブラジルトケイソウ。つる性常緑樹で、つる茎は方形で、萼片と花弁は暗褐色で、白色、青色、紫色の縞模様が入る。花後に果実を付け果皮は黄色で果肉は白色。スウィート・パッションと呼ばれ、酸味が少なく甘みが勝る果実を付ける。
  • パッシフローラ・キトリナ(Passiflora  citrina)→和名がキバナトケイソウ。つる性常緑多年草で、本来のトケソウらしくない花色は、淡いレモン色でシンプルな花形をしている。つるの伸長は5~6mに及ぶ。
  • パッシフローラ・コッキネア(Passiflora coccinea)→和名がベニバナトケイソウ。つる性常緑樹で、花弁と萼片は鮮紅色。花冠の基部は白くなり、細いしべの伸びた様子とのコントラストが美しくて人気のある種です。
  • パッシフローラ・ラケモサ(Passiflora racemosa )→和名がホザキノトケイソウ。つる性常緑低木で、花径10cm程の橙赤色の花が数輪連なって開花します。縞模様が入らずスッキリした花姿をしています。

トケイソウは多年草です

時計の文字盤のような花形

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用) / 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土 水はけのよい土壌を好みます。 
  • 鉢植えの場合、市販の草花用培養土にパーライトか日向土2割を混ぜた土か、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:日向土2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(市販の草花用の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします)
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んでおきます。(水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、寒さ対策で室内に入れる植物には、臭いの発生しやすい有機質の肥料はなるべく使わないほうがよい。
  • 鉢植えの場合、定植後の施肥は、4~10月の間に2~3回、骨粉入り固形油かすを置肥するか、月2~3回を目安に液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として完熟堆肥などを混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月、6月、9月頃に骨粉入り固形油かすを置肥します。
  • 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に撒きます。

パッションフルーツは食べられます

パッションフルーツの実る種もある

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、3月下旬~6月です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落としてから植え付けます。支柱を立てて苗木を固定します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。支柱を立てて苗木を固定します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、3月下旬~5月上旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。

トケイソウは春から秋まで開花する

  • 増やし方
  • 挿し木で増やす→適期は、6月~7月上旬です。枝先を2節程の長さで切り取り挿し穂にします。下部の葉を取り除き、1時間程水揚げしたら清潔な用土に挿します。(挿し木の手順
  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。

トケイソウの花色は原色が多い

  • 手入れ
  • 切り戻し→春の植え替えの際に、枯れたつるを切り取って株元から20~30cmの高さで切り戻します。新しく伸びたつるに花を付けます。
  • つるの誘引→つるが伸びるのを放置すると、収集がつかなくなるので小まめに誘引しましょう。
  • 支柱たて:草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったらそれぞれ1本ずつよりも、あんどん仕立てにして支柱をまとめた方がよい。(あんどん仕立て→アサガオの栽培によく使われている支柱)
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。

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