ゼフィランサス 季節の花-春植えの球根-イパネマおやじ

ゼフィランサス ( Zephyranthes ) は、ヒガンバナ科タマスダレ属の春植え球根です。普通の庭土でもよく育ち、耐寒性もあるので、植えっぱなしでもよく育ちます。草丈は10~30cmというサイズなので、鉢植えやプランターでの栽培にも適しています。

ゼフィランサス

  • 分類:ヒガンバナ科タマスダレ(ゼフィランサス)属 / 原産地:南アメリカ、メキシコ
  • 別名:レインリリー
  • 学名:Zephyranthes
  • 園芸分類:多年草(球根植物) / 耐寒性(普通~種により異なる)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:10~30cm
  • 種まき:採取したタネは採りまきができます。但し発芽までに2~4年かかるので分球の方が簡単。
  • 苗の植え付け:3月~5月
  • 植え替え:3月~5月
  • 株分け(分球):3月中旬~4月(植え替え時に同時に作業する)
  • 開花期:6月~10月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • ゼフィランサスは、南北アメリカから約70種が分布するヒガンバナ科タマスダレ(ゼフィランサス)属の多年草球根植物です。きれいな花を咲かせるので、観賞用として世界中で広く栽培されています。数品種が流通していますが、なかでもタマスダレ(Z. candida)やサフランモドキ(Zephyranthes carinata Syn. Zephyranthes grandiflora)が広く栽培されています。
  • 高温乾燥が続いた後に、雨が降ると一斉に開花することからレインリリーと呼ばれています。原産地の周期的な降雨による水分が刺激となって、球根内で次々と作られる花芽が急速に大きくなり、短期間に一斉に花を咲かせる性質があります。比較的、暑さに強く乾燥や多湿にも強く、育てやすいので初心者の栽培にも適する球根植物です。花期の初夏になると、細い花茎を長く伸ばして茎頂部に花を咲かせます。花は漏斗状の6弁花で、上向きに開花します。

近縁種

サフランモドキ

サフランモドキ(Zephyranthes carinata Syn. Zephyranthes grandiflora)→ゼフィランサス・カリナータの花名で流通しています。メキシコ原産、鱗茎は直径2~3cm、葉は数個が束生し線形で扁平、長さ15~30cmで少し多肉質。仏炎苞は帯紫色、長さ4~5cm。花は単生、頂生で直径6cm程。花柄は長さ2~3cm、花被はローズレッド~ピンク色で筒状部は長さ10~25mm。花期は夏~秋。

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タマスダレ

タマスダレ(Z. candida)→仲間の中では最もポピュラーな種で、降雨の多い川沿いや沼地に自生します。別名はレインリリー。南アメリカのアルゼンチン、ペルー、ウルグアイ原産。鱗形の直径20~25mm、葉は光沢のある濃緑色で長さ20~30cm。仏炎苞は長さ2~4cmの赤褐色で、花は単生して直立する。花柄は10~25mmで花被は白色だが、外面がピンク~ローズ色になることもある。花期は7月~9月。

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キバナサフランモドキ

キバナサフランモドキ(Z. citrina Baker)→ゼフィランサス・キトリナの花名でも流通。メキシコのユカタン半島、カリブ海地域、ホンジュラス原産。黄身は鈍い緑色、仏炎苞は長さ16~26mm程で花茎は直立。花径3~5cmの鮮やかな黄色の花を咲かせる。花柄は長さ23~44mm程で仏炎苞より長い。花期は7月~9月。

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  • 用土
  • 水はけと通気性がよく、適度な保水性がある土壌を好みます。
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4(他には赤玉土・小粒6:腐葉土3:軽石1:)の土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に水はけをよくする土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、秋になったら少量の緩効性化成肥料を株元に置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、秋になったら緩効性化成肥料を株元に置肥します。

多年草

  • 球根の植え付け
  • 適期は、3月~5月です。乾燥に強く、狭い場所でも多少は込み合ったほうがよく開花する。開花した時の見栄えが華やかになるよう密植がお勧めです。併せて品種同士の開花期も考慮して寄せ植えをします。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。球根の深さは2cm、間隔は3~5cm程です。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。球根サイズの2倍以上の深さで植え穴を掘り上げます。深さ10cm、間隔は10~15cmの目安で植え付けます。
  • 植え替え
  • 適期は、3月~5月です。前年の根が活動している間に、新しい根が生長するという性質なので、数年間は植えっぱなしの方がよく育ちます。
  • コンテナの場合、根が密集してきたら、3~5年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。コンテナ栽培の場合、十分に根が張った方が花付きがよくなります。但し、球根が増えすぎて過密になり過ぎると逆に花付きが悪くなります。
  • 地植えの場合、植えっぱなしにした方がよく育つので、毎年植え替える必要はありません。
  • 分球 
  • 適期は、3月中旬~4月です。植え替えの際に同時に作業しましょう。鉢植え・コンテナの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。1~2回り大きなサイズに植え替えないこと。(サイズが大きすぎると根を張り切れない)

ヒガンバナ科タマスダレ属

  • 水やり
  • 生長期に長く乾燥が続くと、花が付きにくくなります。
  • コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)朝のうちに水やりをするのがベストです。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 種の採取
  • 花後に出来た鞘が茶色に変わり、裂けて黒い種が見えたら種が熟しています。採取して、すぐに採りまきします。または、紙袋などへ入れて涼しい場所で保存して、翌春の適期になったら播きましょう。但し、発芽までに2~4年かかるので分球の方が簡単です。
  • 手入れ
  • 古い葉摘み→春になると新葉が出るので、冬の時期に傷んだ古い葉を取り除きましょう。
  • 防寒対策→白色花のタマスダレは寒さに強いので、寒冷地以外では特に必要ありません。その他の半耐寒性品種は、やや寒さに弱いので、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。寒冷地で地植えしている株は、10~11月中に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内やフレーム内などで冬を越させる)
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。明るい半日陰でも育ちます。