プルメリア 季節の花木-鉢で育てる熱帯植物-イパネマおやじ

プルメリア ( Plumeria ) は、開花期の初夏になると、熱帯性の花木らしい白黄色やピンク色、桃色などのカラフルな美しい花を咲かせます。花径5cm程の肉厚の花弁をしています。花には強い芳香を持つ種もあり、ハワイではレイに使われています。普通の熱帯性植物より乾燥に強く、春から秋には戸外に放置していても、水切れにより枯れる心配は少ないです。水やりの手間もかからず育てやすい花木です。但し、寒さに弱いので晩秋になったら早めに室内に取り込み、温度管理には気配りが必要です。

プルメリアは熱帯植物です

苗木から鉢植えで育てる

  • 分類:キョウチクトウ科インドソケイ(プルメリア)属 / 原産地:中南米~西インド諸島、亜熱帯アメリカ
  • 学名:Plumeria sp.
  • 園芸分類:非耐寒性落葉低木~高木(熱帯では常緑) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:50~70cm(原産地では0.5~10m)鉢サイズを広げ過ぎると巨木化する。
  • 苗の植え付け:4月下旬~6月(市販の苗木が流通する)
  • 植え替え:5月~6月
  • 挿し木:5月~6月
  • 開花期:6月~10月
  • 栽培方法:コンテナ・鉢植え

注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。

※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。

  • 特徴
  • プルメリアの仲間は、熱帯アメリカ、西インド諸島に7種の原種が分布しています。園芸品種は1500~1700種あるとされ広い地域で栽培されています。熱帯性の花木で、原産地では樹高が10m以上にも及ぶ、常緑低木~高木です。寒さに弱いので、日本の気候では露地植えで栽培するのには適さず、鉢植えにして栽培するのが一般的です。基本的には、冬の寒さに弱いのですが、経年と共に株が育ってくると、落葉することはあるが5℃位までの耐寒性が強化されてきます。ある程度の大きさに育たないと花を付けないが、寒さと過湿に注意して育てます。

※挿し木などの際に、枝を切ると白い樹液がでます。肌に付くと、かぶれるので手袋をして作業しましょう。

  • 近縁種 キョウチクトウ科インドソケイ属 
  • プルメリア・オブッーサ(Plumeria obtusa)→和名はタイリンインドソケイ。原産地はキューバ、メキシコ、パナマで、常緑中木。樹高は4~5mで、枝は太く折ると乳液樹が出る。花色は白色で、中心部の周辺は黄色くなり芳香がある。
  • プルメリア・プディカ(P. pudica)→原産地はパナマ、コロンビア、ヴェネズエラで、常緑低木。樹高は約2~3mで、花が房状のようにまとまって開花する。花径5~7cmで、花色はくすみの無い純白。葉の形が大きなヘラ状で明緑色、他に葉に黄色の斑が入る種Golden Spoonは観葉植物として人気があり広く栽培されている。
  • プルメリア・ルブラ(P. rubra)→和名はインドソケイ。原産地は中南米~西インド諸島で、常緑中木。樹高は約4mで枝は太く折ると乳液樹が出る。花径8~10cmで淡い紅色~紅色、ハワイのレイにも使われている。

プルメリア

植え替えは2年に1回を目安に

  • 苗を選ぶ
  • コンテナ・鉢植えに適した、コンパクトなサイズに収まる矮性の園芸品種を選びましょう。1本立ちしたものより、枝分かれしたものが鉢栽培用に適しています。
  • 用土
  • コンテナ・鉢植えの場合、市販の観葉植物用培用土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:(他にも、赤玉土・小粒5:腐葉土3:パーライト2:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の観葉植物用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 肥料 
  • 適期は、5月~10月です。多肥になると、育ちすぎて冬越しの際に、室内に取り込めなくなります。水やりと共に肥料も絞り気味に育てます。多くの施肥は必要なく、ほとんど施肥をしなくても不思議と丈夫に育つ性質です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、用土の中に元肥としてリン酸分が多めの固形肥料を、少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、葉が5枚以上出てきたら、適宜に薄めのリン酸分が多めの速効性液体肥料を施します。
  • 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。植物の根に直接肥料が触れないように注意します。
  • 植え付け
  • 適期は、4月中旬~6月です。生育温度は5℃以上です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、鉢底石を敷き定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、5月~6月です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、年に1回のペースで新しく大きなサイズの鉢に替えると生長し過ぎて、鉢植えに適さないサイズに巨木化します。
  • 植え付けの翌年の春頃になって、鉢の土が盛り上がってきた場合は「植え付け」と「肥料」の項目と同じもので、1回り大きな鉢に植え替えましょう。鉢のタイプは、根が回りにくく、スリットが大きいので通気性と水はけがよくなるスリット鉢がお奨めです。基本的には、2~3年に1回を目安に行いましょう。

熱帯植物

  • 挿し木
  • 適期は、5月~6月です。
  • 少し木質化した太い枝を、20cm程の長さに切り挿し穂にします。挿し穂は、切り取ってから2~3週間程日陰の涼しい場所に置いて、乾燥させてから挿すとよい。深めの鉢に、赤玉土(小粒)か鹿沼土などの水はけのよい清潔な用土を入れて挿し床にします。室内の風の当たらない明るい場所に置きます。倒れないように支柱を設け、水を切らさないように管理して、根付くのを待ちます。約1ケ月程で根付いたら、日当たりのよい場所へ移します。
  • 水やり
  • コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、葉に水がかかるようにタップリと施します。(葉水をすることでハダニ対策にもなる)
  • 11月~12月頃に葉を落とし始めたら徐々に控えめにします。落葉した1月~4月は、基本的に断水します。
  • 5月~10月頃、春になって気温の上昇と共に、水の量と回数を増やしていきます。

こんてなで育てる

段落の仕切りライン大

乾燥には強く過湿を嫌う

  • 剪定→適期は、9月~10月です。温度が下がり出して、室内に取り込む前に切り戻しをしましょう。冬越し後の2月~3月も、徒長枝や傷んだ枝などを切り取り樹形を整えます。切り取った枝には、しばらく花芽が付かないので、やり過ぎずに数年に一度のサイクルで切り戻しましょう。(作業後は切り口に癒合剤を塗っておく)
  • 置き場所→春から秋は屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所で、エアコンの室外機の風が当たらない場所。(風に当たるとハダニが発生しやすい)冬は、室内の日当たりのよい窓際が適しています。
  • 防寒対策→枝は多肉質で柔らかく折れやすいです。耐寒温度は、株が生長すれば5℃以上とされますが、外気温が15℃位になったら、早めに室内に取り込みましょう。寒くなってからだと暖かい室内との温度差で、枝がブヨブヨになり温度差ショックで萎れたり、枯れる原因となります。
  • 支柱たて→枝は比較的柔らかく、折れやすいので樹高が高くなると強風などで折れることがあります。支柱を設置して、紐で固定してやりましょう。台風などの際には室内に取り込みましょう。
  • 基本は、支柱で支えることも大切ですが、冬越しで室内に取り込むのを前提とするなら、枝が伸びたら適宜に切り戻して低め(60cm前後)に樹形を整える方がよいでしょう。
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。5月~10月は、出来るだけ戸外に置いてよく日に当てましょう。日当たりが悪いと、花が咲きにくくなります。
  • 外気温15℃程になったら室内に取り込み、日当たりのよい窓際に置きます。

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