クレマチス 季節の花-冬に植え付けできる花-イパネマおやじ
クレマチス ( Clematis ) は、日本人好みの端正な花姿で人気が有り、江戸時代以降からテッセンの花名で栽培されてきました。植え付けの時期が長いのが特徴です。開花時期も5月~10月頃までの長い間を楽しめます。
真夏と真冬を除き植え付けできる
- 分類:キンポウゲ科センニンソウ属 / 原産地:世界各地 主に北半球
- 学名:Clematis spp.
- 英名:Clematis
- 園芸分類:多年草・つる性 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:120~150cm
- 苗の植え付け:真夏と寒冷期を除く一年中
- 植え替え:春が2月下旬~3月、秋は9月中旬~10月中旬
- 株分け:2月~3月上旬
- 挿し芽:5月~6月
- 開花期:5月~10月(品種により異なる)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 世界中に約250~300種が分布しています。日本では約20種が自生しています。クレマチス属の大半は、つるを伸ばして生長する蔓性植物です。厳密に分けると、落葉性と常緑性に分類され形態や生育サイクルにより更に細かく分けられます。
- 鋭角的な花びらのように見えるのは、実は萼(がく)が色づいているものです。本来の花びらは退化してありません。基本的に花びらの枚数は、4枚・6枚・8枚ですが、例外は雌しべや雄しべが、花びらに進化(変化?)した八重咲きの品種です。
- 近縁種
- インテグリフォリア系(C. integrifolia)→木立性~半つる性、花期は5~10月。花付がよく育てやすい。前年枝・当年枝の新梢に花をつける。節々に花をつけながら上へ向かって開花して頂花を咲かせる。四季咲き。
- ヘラクレイフォリア系(C. heracleifolia)→木立性~半つる性、青色でヒヤシンスのような筒状の花を咲かせる。グランドカバーに適する。一季咲き。
- モンタナ系(C. montana)→前年枝に花をつける。節々に複数の花を直につけ株全体に開花する。一季咲き。
- ヴィチセラ系(C. viticella)→今年の枝から伸びた新梢に花をつける。葉腋から伸びた側枝に花をつけ、小輪花を下から上へ向かって開花していく。四季咲き。
- テキセンシス系(C. texensis)→新梢に花をつける。葉腋に花をつけながら下から上へ向かって開花していく。チューリップ形やベル形で多くの花を咲かせる四季咲き。
- ジャックマニー系・遅咲き大輪系(C. jackmanii)→前年枝・今年枝から伸長した新梢に花をつける。頂花をつけその後節々に花をつける。四季咲き。
- パテンス八重咲き大輪系(C. patens double)→前年枝から花芽を伸ばし、頂花咲きでその下につくこともある一季咲きの大輪花。
- タングチカ系(c. tangutica)→前年枝・当年枝の新梢に花をつける。葉腋に花をつけ下から上へ向かって開花していく。黄色、オレンジ色で釣鐘型で多くの花を咲かせる。四季咲き。
- シルホーサ系(C. cirrhosa)→クリスマスローズに似た小輪の花をさかせる。白色の花は鐘形で下向きに垂れて開花する。williamsiiの近縁種。
- がくアトラゲネ系(C. atragene)→前年枝・今年の枝に花をつける。節々に直に花をつける。弱い四季咲き。
- フロリダ系(C. florida)→前年・今年の新梢に葉腋に花をつける。下から上に向かって花をつけながら伸長する。和紙の様な柔らかい花びらの小輪花。四季咲き。
柔らかい中性の土壌を好む
- 用土
- 保水性があり、酸性・アルカリ性の中間の柔らかい土壌を好みます。
- コンテナ・鉢植えの場合、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2(他には、赤玉土・小粒4:腐葉土3:鹿沼土・小粒3:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料
- コンテナ・鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、10月と3月に緩効性化成肥料を鉢の縁に置き肥します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料の堆肥、酸性土壌なら石灰をを混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、10月と3月に緩効性化成肥料をバラまきします。
- 植え付け 生育適温15~25℃
- 適期は、真夏と寒冷時期をのそく一年中可能ですが、2月下旬~6月、9月~11月です。真夏の7月~8月と寒冷地の1月~2月中旬は避けましょう。生長期になったら支柱を設置します。
- コンテナ・鉢植えの場合、直根性なのでできれば深鉢にしましょう。鉢底ネット・鉢底石を敷きつめる。「用土」と「肥料」の項目で用意したものを、鉢の1/3の深さまで入れる。根鉢が崩れないように、株元から2節程埋まる位置に定植する。固定したら、残りの土を足す。植え付け直後にタップリと水やりをしましょう。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30~40cm程で植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、春が2月下旬~3月、秋は9月中旬~10月中旬です。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢の中が根詰まりしやすいので、様子をみて1~2年に1回根鉢を崩さないように植え替えをしましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありませんが3年に1回を目安に堀り上げて株分けしましょう。
- 増やし方
- 株分け→適期は2月~3月上旬です。3年に1回は堀り上げて株分けしましょう。
- 挿し芽→適期は、5月~6月です。頂芽の先端2~3節を挿し穂にします。1時間程水揚げしましょう。
種類に合わせた植え替え・選定が必要
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。大輪種は水切れを嫌うので鉢土を乾かさないように注意しましょう。
- 地植えの場合、特に必要はありません。
手入れ
- 剪定
- 一季咲き性の種は、前年枝に花芽がつくものが多いです。当年枝の新梢に花をつける種。そして、四季咲き性は前年枝と当年枝の新梢に花芽がつく種が多いです。このように3種類のタイプがあります。
- 前年枝咲きの剪定→前年に伸びた枝から春になると、短い枝を出して花を咲かせる。春の花後、初夏に枝が少し伸びた頃、冬の落葉期の3回です。
- 当年枝咲きの剪定→適期は、初夏と冬の2回です。
- 四季咲き性で新旧両枝咲きの剪定→適期は、初夏と冬の2回です。前年伸びた枝から春に芽を出し、5~6節に生長するとそこに花をつけます。新旧両方の枝に花をつけるのではなく、旧枝から伸びた新枝に花をつけるものです。
- 支柱たて→草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったらそれぞれ1本ずつよりも、あんどん仕立てやフェンス、アーチなどに仕立ててもよい。
- 病気→うどんこ病
- 害虫→ナメクジ、アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
ガーデニング風景: