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- パンジーは、夏~秋にタネをまく一年草です。国内で広く栽培されている品種は、通称をサンシキスミレと呼ばれる品種です。秋にタネをまくと、早ければ晩秋から花が咲き始める程生長の早い植物です。花色や咲き方、花の大きさなど多種多様で、その数は数千種類ともいわれます。
- 花姿は単色のものや鮮やかな二色に分かれるもの、複数の色が混じるもの、中心に輪状のブロッチが入るもの、弁縁に色が入るなど、バラエティーに富んだ品種があります。
- パンジーとビオラは同じ品種で、園芸店やホームセンターなどでは、花の大きい品種をパンジー、小さい品種をビオラと区別するのが一般的です。具体的には、花の直径が4cmから10cmのものをパンジー、2cmから4cmのものをビオラと呼んでいます。また、パンジーのほうが花数が少なく、ビオラのほうが花数が多いという特長もあります
晩秋から春まで花を咲かせる
- 分類:スミレ科スミレ属 / 原産地:ヨーロッパ
- 別名:サンシキスミレ(漢字表記:三色菫)
- 学名:Viola x wittrochiana
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:10~30cm
- タネまき:8月中旬~9月
- 苗の植え付け:10月中旬~11月下旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:10月下旬~5月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- パンジーは交雑により作られた植物なので、野生種は存在しません。本来は、元となる種はあったのでしょうが、長い歴史の中で複雑な交雑が繰り返されて現在に至っているので、その経緯は不明です。
- パンジーの一般的な基本種は、ビオラ・トリコロル(Viola tricolor)です。イギリスでは「ハーツ・イーズ(心の平和)」と呼ばれて広く親しまれたスミレです。19世紀初期にイギリスで品種改良が試みられ、その後多くの園芸種が作出されてます。わが国へ渡来したのは1860年代とされています。
- 近縁種
- パンジーとビオラ→小ぶりで小さな花が群がるように多く咲く品種を、一般的にビオラと呼んでいます。しかしパンジーとビオラの分類上の違いはなくて、あいまいなのです。流通する際の分け方も決まっておらず、それとなく見た目で分けているというのが現状のようです。
- 代表的な品種
- スイス・ジャイアント→20世紀前半にスイスで作出。花径8cm余の大輪種で、花色は豊富。現在でも人気のある品種でタネが流通しています。
- マジェスティック・ジャイアント→1940年代になると、アメリカで巨大輪種として作出。花径10cmを超える。
- 現在は、巨大輪品種などのサイズにこだわるより、小中輪サイズで多くの花を咲かせる品種が人気です。
耐寒性に優れた草花
- 苗を選ぶ(店頭に並ぶポット苗など)
- 枯れかけの黄色い葉がない苗。
- 株全体がコンパクトにしまって、ぐらつきの無い苗。
- 寄せ植えのため複数苗を選ぶのは同系色が見栄えがよい。
- 用土
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ通気性のよい土を使います。
- 地植えの場合、土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 適期は、11~5月です。開花期が長いので肥料切れしやすいので要注意。
- コンテナ・鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定期的に化成肥料を置肥するか液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料の堆肥を混ぜ込んでおきます。
- タネまき
- 適期は、8月中旬~9月です。
- 年内に開花させたい場合は、8月中旬頃までにまきますが、できるだけ涼しい場所で発芽させるようにします。環境が許せば、9月中旬頃にまいた方が安心です。8月にまいた苗より開花時期は遅くなり、年内の開花は望めません。
- 育苗箱やピートバンなどにまいて発芽させます。植えつける土を事前に湿らせておきます。
- 土の表面を平らにならし、指先で軽く押してくぼみを作ります。
- 1つの穴に、2粒を目安にまきます。タネがとても小さいので、ハガキなどを二つ折にしてタネを載せてからポンポンとたたいて落としてやると簡単です。
- タネが薄く隠れる程度に、バーミキュライトなどで覆います。タップリト水やりをします。発芽まで期間は、乾燥しないように管理します。
- 植えつけ
- 適期は、10月中旬~11月下旬です。
- コンテナ・鉢植えの場合、普通の品種だと植えつけ間隔は10~15cm位で植えつけます。65cmプランターの場合は、4~5株を目安にします。
- 地植えの場合、20cm間隔位を目安に植えつけますが、大きくなる品種だと少し広めにしましょう。
- 植え替え
- 一年草なので基本的には必要ありませんが、コンテナ・鉢植えの場合無事に越冬して春になると根詰まりを起こすこともあるので、その場合は一回り大きな鉢へ植え替えます。
室内よりも寒さに当たる屋外に置く
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。春になると、旺盛に水を吸い上げるので水切れをしないように管理します。
- 地植えの場合、自然の雨水にまかせ真夏に極端な乾燥をするようなら、水やりをしましょう。
- 手入れ
- 耐寒性に優れているので、防寒対策は必要ありませんが、ベランダなど冬の寒風が直に当たる場所は避けましょう。茎が紫色帯びて不健康になります。
- 花がら摘み→花後の枯れた花茎を放置すると実が出てきます。栄養を奪われるので、長く花を楽しむために早めに、花茎ごと摘み取りましょう。
- 病気→特になし
- 害虫→アブラムシ 春先にツボミや新芽につきやすいので駆除しましょう。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所で育てましょう。
- 日照不足だと、花つきが悪くなったり株が細長く貧弱になります。