シュウメイギク 季節の花-秋に植える草花-イパネマおやじ
シュウメイギク(秋明菊)は、キンポウゲ科の多年草です。草丈50~100cmで、地下茎を伸ばして分枝した先端に花径5~7cm程の花を咲かせます。花弁のように見えるのは、実は萼片で本来の花弁は退化して存在しません。花弁の中央には多数の雌しべと雄しべが密集しています。キクという名前が付いていますが、キク科の植物ではありません。
山野や草原に自生する多年草
- 分類:キンポウゲ科イチリンソウ属 / 原産地:中国、台湾、ヒマラヤ地方
- 別名:キブネギク(貴船菊)、シュウメイギク(漢字表記・秋明菊)
- 学名:Anemone hupehensis ver. japonica Bowles et Stern
- 英名:Japanese anemone
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30~150cm
- タネまき:3月~4月
- 苗の植え付け:3月~5月、秋が10月~12月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月~4月中旬
- 株分け:3月~4月中旬
- 根伏せ:3月~4月中旬
- 開花期:8月下旬~11月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 国内では、本州、四国、九州の草原や山野に自生する多年草です。古くに中国から渡来して、広がり帰化したものと思われます。アネモネの仲間で、英名はジャパニーズ・アネモネと呼ばれます。別名のキフネギク(貴船菊)という花名の由来は、京都の貴船神社の付近で自生していたことから名付けられました。
- ※ 花名がキクと付いていますが、キク科の植物ではありません。
- 近縁種
- イチリンソウ(Anemone nikoensis)→本州、四国、九州の山中や山林の木陰の比較的明るい草地で、小石混じりの水はけのよい場所に自生する多年草。6月には地上部は枯れ地中で休眠する。
- アズマイチゲ(A, raddeana)→北海道、本州、四国やサハリン、朝鮮半島などの落葉樹林の近くや草原、山麓の土手に自生する多年草です。草丈15~20cmで、花径3~4cmの花を茎の先端に頂花をつける。春先に開花して、落葉広葉樹林に若葉が出る頃には地上部が枯れ、翌春まで地下茎の状態で休眠する。
- ニリンソウ(A. flaccida)→国内の全域、サハリン、中国東北部に分布する。山麓の林や竹林、土手などに自生する多年草で群生する。草丈15~25cmで、春になると茎から脇芽を伸ばして先端に花径1.5~2.5cmの白色の花を咲かせる。花びらのように見えるのは、実は萼片で5個あります。若葉は山菜として利用することもできる。
葉は日当たりよく株元は日陰になるとよい
- 用土
- コンテナの場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土4:(他には、赤玉土4:腐葉土3:鹿沼土3:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して、腐葉土と完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。追肥として、3~5月、10~11月に緩効性化成肥料を株元から少し離れた場所に置肥するか、又は10日に1回を目安に液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料の堆肥を混ぜ込んでおきます。3月頃に緩効性化成肥料を株元から少し離れた場所に置肥します。
タネまき
適期は9月~10月です。花後に種を採取した場合、翌年の春3月~4月頃にまきます。
- 植え付け
- 苗が12月下旬までは流通しているので植えつけます。(開花苗は11月上旬位まで)
- 適期は、春が3月~4月中旬、秋が10月~12月です。
- 地植えの場合、やや湿り気のある土壌を好むので、半日陰の湿度がある場所を選びましょう。
- 植え替え
- 適期は、3月~4月中旬です。
- コンテナや鉢の中が根詰まりしてきたら植え替えをしましょう。
- 地植えの場合、基本的に毎年は必要ありませんが、2~3年経過して増えすぎてきたら株分けを兼ねて植え替えましょう。
- 株分け
- 適期は3月~4月中旬です。植え替えの際、同時に株分けします。
- 根伏せ
- 適期は3月~4月中旬です。太さ2~3mm以上の根を長さ2~3cmに切って、平鉢や育苗箱に約3cm間隔で植え、軽く覆土します。根を切り取った親株は、そのまま鉢植えにしておきます。
高温乾燥を嫌うので強い日差しを避けた場所で育てる
- 水やり
- やや湿り気のある土壌を好みます。
- コンテナの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花や茎を切り取ります。地上部が枯れたら越冬するので地際から切り取ります。
- 病気→うどんこ病 風通しが悪い環境だと発生しやすい。
- 害虫→アブラムシ 見つけ次第に捕殺します。薬剤散布もしておきましょう。
- 日当たり
- 日当たりが良すぎると、乾燥しやすく葉が干からびてくるので要注意。
- 適度な半日陰を好みます。落葉樹の下や、家の北側や生垣の樹木がある場所などが適しています。