センニチコウ 季節の草花-5月に植える夏の花壇におススメの花-イパネマおやじ

  • センニチコウ ( Globe amaranth ) は、真夏にも元気に咲き続ける丈夫な花です。7月頃から咲き始めて、秋までの長期間に亘り楽しませてくれます。開花期になると、分枝した先端部に径2~2.5cmの球状や円筒状の頭状花を付けます。実は、花のように見えるのは苞葉(ほうよう)と呼ばれるツボミを包んでいた葉の部分なんですが、「特徴」の欄に改めて記載しています。
  • フラワーアレンジやドライフラワーで人気が高く、ドライになっても綺麗な花色が残るのでクラフトにも利用されています。花色(苞葉)は、ピンク色、紅紫色、紫色、橙色、赤色、朱赤色など、熱帯植物特有の極彩色よりも落ち着いた色調の花色が多いですね。花(苞葉)の部分はドライフラワーのような感触があります。和名の「千日紅」は、色褪せずに長期間咲き続けることに由来しています。実際にドライフラワーにして利用されています。

ヒユ科

千日紅

夏の暑さにも元気に咲く

  • 分類:ヒユ科センニチコウ属 / 原産地:熱帯アメリカ、アジア南部
  • 別名:(漢字表記:千日紅)
  • 学名:Gomphrena 
  • 別名:センニチソウ
  • 園芸分類:一年草(多年草もあり) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:15~60cm
  • タネまき:4月下旬~5月中旬
  • 苗の植え付け:5月~7月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 開花期:5月~11月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
  • 特徴
  • センニチコウの仲間は、熱帯アメリカを中心に世界の亜熱帯~熱帯地帯に約100種が分布しています。ほとんどの種は雑草に近い種ですが、その中で花の美しい数種が観賞用として栽培されています。日本へ渡来したのは、意外と古くて江戸時代初期と当時の書物に記述されています。主に栽培されているのは、センニチコウ(Gomphrena globosa)とキバナセンニチコウ(G. haageana)と、その園芸品種です。夏の暑さや乾燥に強く、花壇では基本的に肥料も不要なので、霜が降って枯れるまで放任でも育ちます。
  • 真夏の炎天下でも元気に枝を伸ばして、茎頂部に径2~2.5cmの球状の花を咲かせます。球状花は多数の小花が集ったものです。実は、花に見える部分は花ではなく苞葉(ほうよう)と呼ばれ、ツボミを包んでいた葉の部分になります。本当の花は、苞の間にある白色~薄黄色の部分です。1mm程の小さなものなので、ほとんど目立ちません。
  • 近縁種
  • センニチコウ(Gomphrena globosa)→アジア南部原産で、ブラジル、グアテマラ、パナマなどに約100種が分布する一年草。草丈20~60cmで、開花期は6月~10月です。頭頂花は直径2~2.5cmで、花色は薄紫色または白色。切り花やドライフラワーに適している。
  • キバナセンニチコウ(Gomphrena haageana)→別名はアメリカセンニチコウ。北アメリカ南部テキサス、メキシコ原産の多年草で地面下に塊根を持つ。寒さに弱く冬には枯れてしまうので、園芸上は一年草扱いをする。草丈20~70cmで、開花期は6月~11月で、最盛期は7~10月です。頭頂花は直径2~2.5cmで生長と共に最大6cm程の長球状になる。本当の花は目立たず通常観賞しているのは色付いた苞葉です。花色は赤色または橙色。上手に管理(3℃以上)すれば冬越しも可能です。

センニチコウ

  • 育てPOINT
  • 数年前にミックス種を育てていたら、丸いポンポンが伸びてきたので、最初はネギの近縁種かなと思ったのがセンニチコウとの出会いです。花の寿命が長いことから「千日」という名前が付いたとされ、その性質は水揚げが良く、花持ちがよいので夏の時期の飾り花として愛好しています。花壇にまとめて植えてみましたが、発芽、生育とも良好で、病害虫もほとんどなく、手間いらずで育てられました。
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1(他にも、赤玉土・中粒5:腐葉土3:ピートモス・調整済み2:など)の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の草花用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土か牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、7~10月、液肥を週に1回、または月に1回、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、7月~10月の間、月1回を目安に緩効性化成肥料を置肥します。

一年草

段落の仕切りライン大

開花期が長いので施肥は小まめに

  • タネまき 発芽適温20~25℃
  • 適期は、4月下旬~5月中旬です。タネは表面が綿毛に包まれていて吸水させにくので、タネを砂と一緒にもみ込んで綿毛を取り除きます。(市販されているタネは「クリーンシード」といい多くはこの処理済み)移植しやすいので、箱まきで育苗するか、コンテナや花壇に直まきします。
  • 箱まき(セルトレイなど)の場合、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライト、ピートモスなどの清潔な用土を敷きつめ、数粒をまいたらタネが隠れる程度の覆土をします。乾燥しないよう水やりをしながら、明るい日陰で管理します。1週間~10日程で発芽するので、弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら1本立ちにして、3号ポットに移して仮植えします。薄めの液体肥料を施しながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに移して定植します。
  • 花壇かコンテナに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土にタネをバラまきします。20~30cm間隔で1ケ所に数粒まきます。表面を、しっかり土で覆い20℃前後で管理します。1週間~10日程で発芽するので、本葉が5~7枚になって茎がしっかりするまでは、間引きしながら、よく観察して水切れを起こさないように管理しましょう。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、5月~7月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間20cm程、60cmプランターで2~3株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20cm程で植え付けます。
  • 植え替え
  • 一年草または一年草扱いで、冬の寒さで枯れてしまうので植え替えの必要はありません。
  • キバナセンニチコウは多年草なので、上手に管理すれば冬越しが可能です。冬越ししたら、翌年の5月~6月に植え替えましょう。

季節の草花

水はけのよい土壌で乾燥気味に育てる

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿を嫌うのでやや乾燥気味に管理します。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 剪定→8月下旬~9月上旬頃に、伸びすぎた枝茎を1/2の高さで切り戻します。脇芽がでて再び花を咲かせます。この時、葉が黄色くなっていたら肥料切れなので、液肥を週に1回、または月に1回、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花がら(苞葉)は、下部が茶色に変色するので放置せずに摘み取ります。
  • 病気→立枯病
  • 害虫→ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりと水はけのよい場所を好みます。

ガーデン風景:

花壇の風景

段落の仕切りライン大