パフィオぺディラム 季節の花-土植えができて寒さに強い洋ラン-イパネマおやじ

  • パフィオペディラム ( Paphiopedilum ) は、コチョウラン(胡蝶蘭)やシンビジュームなどの華やかさのあるランと比べると、あまり馴染みがないかもしれません。だが、多くの種があるランの中でも、比較的栽培の簡単な植物です。一年を通じて、室内の窓辺などに置いておけば丈夫に育ちます。植え替えさえしっかりしておけば、あまり手間がかかりません。
  • 晩秋の11月下旬頃から3月頃まで開花する種が大半ですが、少数だが初夏に開花する原種などの種もあります。洋ランの中では比較的寒さに強く(10~15℃以上は必要)、晩秋~春までの間は室内の日当たりのよい場所に置き、初夏からは屋外の風通しのよい半日陰で育てます。冬の寒さや、夏の日差しや高温を適宜避ける必要があるので、地植えは避けてコンテナ(鉢植え、プランター)栽培で育てましょう。
  • 葉の中心から花茎を伸ばして、1本の茎に単輪咲かせるタイプや多花性タイプもあります。根は、他のランに比べると数が少なくあまり分枝しません。花弁の一部が袋状になっていますが、虫を捕食する食虫植物ではありません。袋の中に虫を誘い込み、受粉を助けてもらうためのものです。

パフィオペディラム

花の唇弁が袋状になる

  • 分類:ラン科パフィオぺディラム属 / 原産地:東南アジア
  • 別名:パフィオ、パフィオペディルム
  • 学名:Paphiopedilum
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:15~80cm
  • 苗の植え付け:3月~4月(市販の苗が流通する)
  • 植え替え:3月~4月
  • 株分け:3月~4月
  • 開花期:12月~6月(品種により異なる)
  • 栽培方法:コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
  • 特徴
  • パフィオペディラムは、東南アジアの熱帯~亜熱帯地域に分布するラン科の多年草です。風通しがよく柔らかい光の当たる場所に自生しています。ランの栽培は難しいというイメージがありますが、当種は比較的育てやすく、植え替えをちゃんとすれば丈夫に育ちます。年間を通して室内の窓辺などに置いておくだけで育てることもできます。
  • 多くの種類があるランの中でも、比較的低温にも強く5℃前後で冬越しが可能です。明るい日陰でも丈夫に生育し、花を咲かせます。しかし、強い光には弱く長く当たると枯れてしまいます。無地葉種と斑入り葉種の2種類があります。無地葉種は比較的明るい場所に置き、斑入り葉種は強い日差しに当たると葉焼けを起こしやすいので強い日に当たるのを避けましょう。(耐寒温度は、無地葉種で12~15℃以上。斑入り葉種で15~18℃以上が必要)
  • 近縁種
  • パフィオペディラム・インシグネ(Paphiopedilum insigne)→原産地は中国・ネパール、インド。多年草で、草丈20~30cm。石灰岩地帯に腐植着生する。当属の代表的な種。開花期は冬。※ 画像・上から1番目。
  • パフィオペディラム・ロスチャイルディアナム(P. rothschikldianum)→原産地はボルネオ島キナバル山。多年草で、草丈45cm程。キナバル山の標高500m以上の高地に自生。開花期は5月~6月。※ 画像は上から2番目。
  • パフィオペディラム・チャールズワーシー(P.charlesworthii)→原産地はミャンマー、インド。多年草で、草丈50~60cm。高地の石灰岩地に自生。開花期は5月~6月。※ 画像は上から3番目。
  • パフィオペディラム・ウェヌスツム(P. venustum)→原産地はインド、ネパール、バングラデシュ。多年草で、標高100~千数十メートルの高地に自生する。※ 画像は上から4番目。

ラン科

  • 用土
  • コンテナの場合、市販のラン用培用土または軽石8:バーク2:(他には水苔10:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。コチョウランなどの着生タイプと違い、地面に根を張るので用土に通常の植え付けが出来ます。
  • 洋ランなどの鉢植えの場合、水苔を素焼き鉢に植えるのが一般的です。株が水に濡れても、手早く乾いた状態に戻る素材が適しています。(プラスチック鉢や陶器鉢は通気性が悪く、株の通気がよくない)水苔の他にも、ヤシ殻チップやパークチップを使うこともあります。
  • 肥料
  • コンテナの場合、苗を定植後の追肥は、春~秋(真夏はストップする)の生育期に、通常の1/2に希釈した液体肥料を週に1回、または固形肥料を月1回を施します。(施肥は10月初旬~3月頃までストップする)
  • 晩秋になったら、コンテナを屋外から室内へ移動させる頃には、肥料切れの状態にコントロールします。

多年草

乾燥に弱いので水やりを小まめにする

  • 苗の植え付け
  • 適期は、3月~4月です。
  • コンテナの場合、大きめの軽石か大きくカットした発泡スチロールを鉢底から1/4の深さまで敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、傷んでいる根は切り取り植え付けます。
  • 植え替え
  • 適期は、3月~4月です。花後に行いましょう。
  • コンテナの場合、1~2年に1回を目安に行いましょう。一回り大きな鉢に大きめの軽石か大きくカットした発泡スチロールを鉢底から1/4の深さまで敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。傷んだ根は切り取ってから植え付けます。(根を水苔で包むようにしてもよい)
  • 水苔を使っている場合、常に湿気のある状態が続くと腐りやすいので、毎年植え替えしましょう。鉢から抜き取り、傷んでいる根を切り取り新しい水苔を詰めた鉢に植え替えましょう。植え替え後、水やりは
  • 株分け
  • 適期は、3月~4月です。2年に1回は堀り上げて株分けしましょう。2~3芽を1株にして植え付けます。植え替えの際、同時に作業しましょう。鉢植えの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。2年以上経つと水苔が古くなり腐ってくるので、1~2年に1回は行いましょう。 

東南アジア原産

ハーブの仕切りライン大

日中4~5時間以上は日に当てる

  • 水やり
  • 3月~6月は、土の表面が乾いて白っぽくなったら、2~3日に1回を目安に施します。6月~9月は、土の表面が乾いて白っぽくなったらタップリと施します。10月~11月になり、気温が下がってきたら量を減らして調整。12月~2月は、乾いてきたら週に1回を目安に施す程度。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花後の花茎は早めに切り取ります。
  • 支柱立て→10月~11月頃、花芽が伸びてきたら支柱を設けて茎を支えます。
  • 病気→軟腐病
  • 害虫→赤ダニ、カイガラムシ、ナメクジ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好むので、日中4~5時間は日に当てるようにしたいものです。
  • 日当たりのよい場所を好みますが、夏季の強い日差しは葉焼けを起こすので避けましょう。

ハーブの仕切りライン大