アンゲロニア 季節の花-春から秋まで長く咲く-イパネマおやじ

アンゲロニア (Angelonia) は、初夏になると真っ直ぐに伸びた頂部に花序をみせ、穂状になって多くの花を付けます。葉の付け根から茎頂部まで、花径1~2cmの唇形の花を咲かせます。花色は、白、紫、青紫、ピンク色などの涼しげな色合いが多いです。

本来は多年草ですが耐寒性がないので、一年草として冬には枯れるものとして扱うなら、花壇に植えた方が手間かかからず簡単です。コンテナ栽培にするか、晩秋には鉢上げして屋内へ移すことで冬越しすることもできます。例年、春になると苗が流通します。苗は安価でもあり、冬越しをさせない一年草として育てるなら、暑さに強いのでとても育てやすい植物です。

熱帯植物

鉢植えも屋外で育てる

  • 分類:オオバコ科アンゲロニア属 / 原産地:中央アメリカ、南アメリカ
  • 別名:エンジェルラベンダー
  • 学名:Angelonia
  • 園芸分類:多年草(国内では一年草扱い) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:30~100cm(40~50cmの園芸品種が多い)
  • タネまき:5月~6月(発芽適温22~25℃)
  • 苗の植え付け:5月~7月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 植え替え:冬には枯れる一年草扱いなので必要なし(もし、フレームなどで冬越しをした場合は、冬越しの項目を参照)
  • 挿し芽:6月~7月上旬
  • 開花期:6月~10月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php

初夏~秋まで咲く

  • 特徴
  • アンゲロニアの仲間は、メキシコからブラジルの中央アメリカ~南アメリカの熱帯・亜熱帯地域に約30種が分布するオオバコ科アンゲロニア属の常緑多年草です。ブラジル北東部の熱帯林地帯に多くの種が自生しています。主に流通しているのは、アンゲロニア・サリカリフォリア(Angelonia salicarifolia)やアンゲロニア・アングスティフォリア(Angelonia angustifolia)の園芸品種が中心です。いずれも原産地では多年草ですが、日本では屋外での冬越しが難しいので、一年草として扱われます。夏の強い日差しにも強く、さらに半日陰でも丈夫に育ちます。
  • 微細種子なので、タネまきから苗を育てるのは手間がかかります。苗は安価なので、春に購入して育てるのが簡単です。
  • 寒さに弱いので一年草扱いですが、防寒対策をすれば冬越しが可能ですが、とても手間がかかります。初心者は、春に料通する苗を購入するのがお奨めです。
  • 近縁種
  • アンゲロニア・アングスティフォリア (Angelonia angustifolia) →原産地は中央アメリカ。草丈50~100cmで、茎は直立して分枝をして枝先が広がる。開花期は5月~10月、葉脇から花柄を伸ばして芳香のある花を咲かせる。花色は、白、青紫、淡桃色で花径1cm程。
  • アンゲロニア・サリカリフォリア (A. salicarifolia)→別名がエンジェル・ラベンダーと呼ばれるがラベンダー種とは別属の植物。原産地は中央アメリカ。草丈90~100cmで、茎は直立して枝先が広がるように伸張する。開花期は5月~10月、葉脇から花柄を長く伸ばして花を咲かせる。花色は、白、青紫、淡桃色で花径1cm程。花弁の中心に白地に斑点模様が入る。
  • アンゲロニア・カリータ (A. augustifolia ‘Carita’)→原産地は中央アメリカ。草丈50~100cmで、茎は直立して枝先が広がるように伸張する。開花期は5月~10月、葉脇から花柄を長く伸ばして芳香のある花を咲かせる。花色は、白、青紫、淡桃色で花径1cm程。花弁の中心に白地に斑点模様が入る。
  • アンゲロニア・セレニータ (A. augustifolia ‘serenita Mix’)→原産地は中央アメリカ。草丈25~30cmで、分枝を繰り返し伸長する。開花期は5月~10月、葉脇から花柄を長く伸ばして芳香のある花を咲かせる。花色は、白、青紫、淡桃色で花径1cm程。花弁の中心に白地に斑点模様が入る。

アンゲロニア

寒さに弱く一年草として扱われることが多い

  • 苗を選ぶ
  • 花が咲いている花穂の数が多い苗を選びましょう。価格の高いブランドの品種を選んだ方が、分枝が活発でよい株に育ち花付がよいです。
  • 用土
  • 水はけがよく適度に保水力のある土壌を好みます。
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、植えつけの10日程前に、深さ30cm以上に土を耕して、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。さらに、水はけの悪い土壌の場合は川砂を1~2割混ぜ込んでおきましょう。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、開花中の5月~10月の間、月に1回程化成肥料を置肥、加えて月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、開花中の5月~10月の間、月に1回程、化成肥料を置肥、加えて月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • タネまき 発芽適温22~25℃
  • 適期は、5月~6月です。
  • 微細種子なので給水管理がしやすい育苗ポットまきが一般的です。ペレット加工されているタネの場合、タネまきの後でペレットが割れるまで霧吹きを続けます。(※ペレット加工:微細な種子を天然の粘土で包んで大きくする加工。加工によって摘まみやすくなる)
  • 明るい窓際に置いて、植物活力剤100倍希釈液で水分を施しながら弱い苗を間引いて、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
  • 苗の植え付け
  • 適期は、5月~7月です。水はけがよく、適度な保水力のある土壌を好みます。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢はほぐさないで植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は、草丈の低い品種15~20cm、70~100cmの高性種は30~35cm)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢はほぐさないで植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は、草丈の低い品種15~20cm、70~100cmの高性種は30~35cm)
  • 植え替え
  • 一年草なので笛替えの必要はありません。フレームなどで冬越しできた場合は「冬越し」の項目を参照してください。
  • 挿し芽
  • 適期は、6月~7月上旬です。芽の先端から10cm程の長さで切り取り、挿し穂にします。
  • 耐寒性がないので、秋に挿し芽をしたら苗を室内に置き、8~10℃で管理して冬越しさせれば翌年に開花します。(挿し木・サイト内 詳細ページ

一年草扱い

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水はけと適度に水もちのよい土壌を好む

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 冬越し・植え替え→フレームなど5℃以下にならない場所で、冬越しができた場合は植え替えましょう。3月下旬~4月中旬頃暖かくなったら、まず屋外に置いて日に当てましょう。その後4月下旬~5月に植え替えます。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢をあまり崩さないように、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えしている株は、霜に当たるのを防ぐために10月~11月上旬に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内やフレームなどで冬を越させる)
  • 切り戻し→7月~8月頃、花が終わった花穂は、脇芽の付いている上で1/2~1/3の草丈になるように切り戻すと、脇芽が伸びて2~3週間で再び花を付けます。
  • 置き場所→春から秋は屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所に置きます。
  • 支柱たて→枝は比較的柔らかく、折れやすいので樹高が高くなると強風などで折れることがあります。支柱を設置して、紐で固定してやりましょう。台風などの際には屋内に取り込みましょう。
  • 病気→灰色かび病
  • 害虫→アブラムシ、ナメクジ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 1日に3時間以上は日に当たる場所を選びましょう。

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