サザンカ 季節の草花-日本固有の花木-イパネマおやじ

サザンカ ( 山茶花 ) は、ツバキによく似ていますが花が終わった後、ツバキは花全体が落花しますがサザンカは花弁が徐々に散っていきます。日本原産で、本州では山口県南部、四国、九州、琉球列島に自生しています。

サザンカ

庭木や生垣として人気の花木

  • 分類:ツバキ科ツバキ属 / 原産地:日本
  • 別名:サザンカ(漢字表記:山茶花)
  • 学名:Camellia sasanqua
  • 英名:Sasanqua
  • 園芸分類:常緑小高木 / 耐寒性(普通)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:2~6m
  • タネまき(とりまき):10月
  • 苗の植え付け:3月中旬~5月中旬、秋は9月~10月中旬
  • 植え替え:3月中旬~5月中旬、秋は9月~10月中旬
  • 挿し木:6月下旬~8月上旬
  • 取り木:3月~6月
  • 開花期:10月中旬~5月上旬(カンツバキ・10月中旬~2月、サザンカ・10月中旬~12月中旬、ハルサザンカ・2月中旬~5月中旬)
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)、生垣

注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。

※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。

気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php

  • 特徴
  • サザンカは、色鮮やかな花を咲かせる花木で、庭木や生垣などに利用されています。長年にわたり栽培されてこられた歴史があり、日本の気候条件に適応した育てやすい植物です。日本固有種で、見た目や基本的な性質はツバキ(Camellia japonica)とよく似ていますが、異なる点もあります。日当たりがよく、北風の当たる場所は避けて植えつけましょう。
  • ツバキが早春~春に開花するのに対し、サザンカの野生種は10月~12月に開花する晩秋の花木として親しまれています。ツバキよりも耐寒性が低く、本州では山口県、四国、九州、沖縄に分布しているのが見られます。基本的な性質は、ツバキと似ていますが、異なるのは新梢と葉柄、葉の表裏の中央脈、子房に短い毛がある、花弁は基部で合着しないので花が終わると花びらが散ります。ツバキの花後は花首から落ちるという違いがあります。
  • 野生種は白色だが園芸品種には、桃色、淡紅色、紅色、覆輪複色があります。花形は、一重、八重、千重咲きなど多様な咲き方があります。
  • サザンカを親として作出された園芸品種、サザンカの園芸品種とされるカンツバキを親として作出された園芸品種群、ツバキとサザンカの交雑種であるハルサザンカ(C. x vernalis)から作出された園芸品種群を合わせて、3つの園芸品種群として扱われています。

ツバキ科

日本の原産

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用)/ 料理・飲み物で楽しむ
  • 脂肪油(ツバキ油に似る)
  • 用土 有機質の多い弱酸性土壌を好む
  • コンテナの場合、赤玉土(中粒)4:完熟腐葉土3:鹿沼土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。水はけ水もちのよい土壌を好みます。
  • 地植えの場合、植えつけの1週間程前に、深さ30cm以上または根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に3~4割の腐葉土か牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。
  • 肥料 
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、2月下旬~3月中旬、6月中旬~7月上旬、9月中旬~下旬に、油かす6:骨粉4:を混ぜたもの、または油かすの固形肥料を容器の縁に置肥する。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、2月下旬~3月中旬、6月中旬~7月上旬、9月中旬~下旬に、油かす6:骨粉4:を混ぜたもの、または油かす5:化成肥料5(N-P-K=10-10-10):を混ぜ込んだものバラまきします。

秋に開花

日本の気候になじんだ育てやすい花木

  • タネまき
  • 適期は、10月です。採取したタネをまきます。(とりまき)
  • ポリポットまきの場合、3号ポリポット(または10cm未満の小さな鉢)に、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、重ならないようにまいて1cm程覆土をします。発芽するまでは、日陰の風通しのよい場所に置き、水切れを起こさないように管理します。その後、3月~4月頃に発芽します。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
  • 10月にまかない場合、採取したタネを、湿らせた砂か水苔をポリ袋に入れて密封してから、冷蔵庫や地中に埋めて春まで保存して、3月頃に植えつけてもよいです。
  • 苗の植えつけ 弱酸性の土壌を好む
  • 適期は、3月中旬~5月中旬、秋は9月~10月中旬です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、軽くほぐして広げてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(2~3年培養してから化粧鉢などに植え替えるとよい)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2~3倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように、軽くほぐして広げてから植え付けます。土と根をなじませて、盛り土をして高植えにします。定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 弱酸性の土壌を好むサザンカにとって、コンクリートやブロック塀などはアルカリ性を含み、土壌に影響を及ぼすので近くに植えるのは避けましょう。
  • 植え替え
  • 適期は、3月中旬~5月中旬、秋は9月~10月中旬です。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。(用土と元肥は、植えつけと同様のもの)
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 挿し木
  • 適期は、6月下旬~8月上旬です。今年の春に伸び始めた枝を、15cm程の長さで切り取り挿し穂にします。斜めに45度で切り口を入れ、1時間程水揚げしたら、切り口に植物成長剤を塗り付けます。
  • 挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライトなど未使用のものを使いましょう。
  • 取り木
  • 適期は、3月~6月です。
  • 親株の枝や幹に不定根を発生させるための処理をして、発根後に切り離して独立した株とする栄養繁殖の方法です。十分に根が出たら、親株から切り離して新しい苗として別に植えます。( サイト内 詳細ページ ) 

常緑性高木

段落の仕切りライン

タネまきから開花までは年月を要する

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。特に開花期は、花弁を広げるために多めの水を必要とするのでタップリと施しましょう。
  • 地植えの場合、植えつけ後2年間は、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。2年目以後は、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 剪定→適期は、3月~4月です。自然の樹形でも、ある程度まとまります。ただし、サザンカは新しく伸びた枝の先に花が咲く性質があるので、数年に1回、3月~4月に剪定をすることで花の咲く位置を調整します。花芽は、前年枝から伸び始めた新梢の先に6月頃つくられます。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は、早めに子房ごと摘み取ります。放置すると果実に養分を取られて、花に養分が回らなくなります。
  • 防寒対策→ツバキより耐寒性が弱いので、-5℃以下になる場所は防寒対策が必要です。冷たい風の当たる場所は避け、冬囲いをしましょう。(冬囲い→ワラやむしろなどを使って木を覆う囲いのこと)
  • 病気→もち病
  • 害虫→アブラムシ、カイガラムシ、チャドクガ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 半日陰でも育つが、花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。-5℃以下になる場所では防寒対策が必要です。

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