イソトマ(ローレンティア) 季節の草花-涼しげで爽やかな花を多数咲かせる-イパネマおやじ

  • イソトマ (Isotoma) は春から秋の長い時期を真夏の暑さにも負けず咲き続けます。春の花期になると、葉の付け根から花柄を伸ばし、星形をした花径3cm程の小花をたくさん咲かせます。よく見かける花色は青紫色ですが、白色、ピンク色の品種もあります。
  • 地表を這うように広がるイソトマ・フルビアティリス種( I. fluviatillis )は、グランドカバーや花壇の縁取りとして人気があります。淡い紫色の花色が群生するように茂る様は、暑い時期でも涼しくて爽やかな空間を作りだします。春から秋までの長い間、美しい花を楽しめます。

イソトマ

寒さに弱いが室内で育てれば冬越しも可能

  • 分類:キキョウ科イソトマ属(旧名=ローレンティア属) / 原産地:地中海沿岸、アフリカ、オーストラリア、アメリカ
  • 別名:ローレンティア、ラウレンティア
  • 学名:Isotoma( 旧=Laurentia)
  • 園芸分類:多年草(国内では一年草扱い) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:20~40cm
  • タネまき:3月下旬~4月、秋まき9月中旬~10月上旬
  • 苗の植え付け:3月下旬~5月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 植え替え:3月下旬~5月(鉢植えで冬越しをした株は植え替えする)
  • 挿し木:6月~7月上旬(毒素を含むので樹液に触れないように注意する)
  • 開花期:5月~7月、9月中旬~10月(7月下旬に切り戻すと開花する)
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)

注:イソトマの葉茎から出る白い液体にはアルカロイド系の毒素が含まれています。目に入ると失明の恐れもあるほど危険な成分です。この毒素に由来して「猛毒」と「強烈な誘惑」という花言葉が付けられているほどです。

  • 特徴
  • イソトマは、オーストラリアやニュージーランド、中央アメリカから南アメリカなどに約10種が分布するキキョウ科の多年草です。寒さに弱いので冬越しが難しく、また2年目以後は花付きも悪くなるため一年草として扱われています。イソトマの仲間の中で、主に栽培されているのは、オーストラリアやニュージーランドに分布するイソトマ・アクシラリス種( Isotoma axillaris )とイソトマ・フルビアティリス種( I. fluviatillis )とその園芸品種です。
  • 近年、植物分類がキキョウ科ローレンティア属から、現在のイソトマ属に変更されています。その名残で、今でも以前の名称「ローレンティア」と呼ばれることがあります。
  • 一般的に、イソトマといえばイソトマ・アキシラリス(Isotoma axillaris) を指すことが多いです。本来原産地では、多年草ですが、国内では寒さに弱いので一年草として扱われています。但し、温暖地の場合は秋まきにして、フレームなどで苗を育てると、春から初夏にかけて見事な花を咲かせます。(冬場でも5℃以上あれば冬越し可能)
  • 近縁種
  • イソトマ・アクシラリス種 ( Isotoma axillaris ) →オーストラリア原産の多年草。直立あるいは斜上して草丈50cm程。花色は、明るい青色~藤色、白色やピンク色の品種もある。花期9月~5月(南半球)
  • イソトマ・フルビアティリス種( I. fluviatillis )→ オーストラリア原産の多年草。茎は平伏して節から根を出す。匍匐してマット状に育つ。花色は、白色~淡い青色。花期は晩春~夏(南半球)

一年草

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用)/ 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、植えつけの1週間程前に土壌をよく耕して、水はけをよくするために土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2kg程)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、生育期間中の4月~6月、9月中旬~10月中旬に、月1~2回薄めの速効性液体肥料を施します。(基本的に多くの肥料は必要ない)
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、生育期間中の4月~6月、9月中旬~10月中旬に、1~2ケ月に1回緩効性化成肥料を少量置肥します。
  • 植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)

キキョウ科

温暖地の場合は秋まきするとよい花が咲く

  • タネまき 発芽適温15~18℃
  • 適期は、3月下旬~4月、秋まき9月中旬~10月上旬です。種子が微細なので直まきは避けて、育てやすい箱まきかピートバンにまきます。
  • タネがとても細かいので、箱まきかピートバンにまいて、好光性種子なので覆土はしないで、種子が風で飛ばされない程度の土で押さえるようにしましょう。弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、2~3号(6~9cm)ポリポットに移して仮植えします。水を切らさないように管理して、弱い苗を間引きながら本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに移して定植します。秋まきの場合、苗を育てている間に冬になるので、フレームやビニールハウスなどの中へ入れて育てましょう。
  • 一般的に春まきしますが、厳しい暑さには少々弱いので、温暖地の場合は秋まきの方が良い結果が得られます。但し、苗の生育が遅いので、秋まきした場合は通常の栽培では晩秋までに定植するのは難しいです。やはりフレームなどの保温設備は必要なので、初心者は春先に流通する苗を購入するのがお奨めです。
  • 苗の植えつけ
  • 適期は、3月下旬~5月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、購入したポット苗は、1~2回り大きなサイズの鉢に植え替えましょう。「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20~40cm、65cm深型プランターだと2~3株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20~40cm空けて植え付けます。
  • 植え替え
  • 適期は、3月下旬~5月です。
  • コンテナの場合、地植えの場合は1年草として扱いますが、鉢植えで冬越しした株は、毎年1回、1~2回り大きなサイズの鉢へ植え替えましょう。用土と手順は「植え付け」と同じです。植え替え直後にタップリの水を施します。
  • 挿し芽 
  • 適期は、6月~7月上旬です。新芽の先端を7~10cmの長さで切り取り挿し穂にします。
  • (挿し穂を作る際に、茎を切り取ったときに出る樹液に触れないように注意)※ 挿し芽の詳細ページ

ローレンティア

段落のライン

水はけと風通しのよい場所を好む

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面がよく乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、乾燥気味に育てます。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 鉢植えの場合、梅雨の時期は雨の当たらない軒下へ移しましょう。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 剪定→7月頃に花が咲き終わったら、全体を草丈1/2程の長さに切り戻します。切り戻すと、3週間程で新しい脇芽が出て、秋になると再び開花します。
  • 花がら摘み→花後のまま放置すると次々と種子が出来るので、枯れた花は茎の根元から切り取ります。
  • 冬越し→鉢植えは、草丈の1/2程を切り戻し屋内で冬を越させます。
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりと水はけのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。夏季は半日陰で西日の当たらない場所へ、コンテナを移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

段落のライン