カランコエ 季節の花-室内で育てると年中開花する-イパネマおやじ

  • カランコエ (Kalanchoe) は、秋を過ぎて寒くなっても花が咲くので、冬の時期に部屋の中で花を咲かせたい場合に最適な植物です。熱帯のマダガスカル島原産の多肉植物で、乾燥には強いのですが、寒さや高い湿度が苦手です。日本で育てる場合は、鉢植えにして寒い時期は室内で育てるのが一般的です。
  • 開花時期になると、茎頂部から多彩な花形や花色の小花を咲かせます。花色は黄色、白、ピンク、オレンジ、赤色など多彩な品種があります。花径も1cm前後から3cm前後で一重咲き、八重咲き、バラ咲きなど豊富な花形と花色があり、冬の鉢花として人気があります。

カランコエは多肉植物です

短日植物なので日照時間が短くなると開花する

  • 分類:ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ(カランコエ)属 / 原産地:マダガスカル島、東アフリカ
  • 別名:リュウキュウベンケイ(漢字表記:琉球弁慶)
  • 学名:Kalanchoe
  • 園芸分類:多肉植物(多年草) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:20~40cm
  • 苗の植え付け:4月~5月、9月(苗の流通期間は長い)
  • 植え替え:花後の6月頃
  • 挿し芽:5月~6月
  • 開花期:12月~5月(5月~10月頃に新芽を出す)
  • 栽培方法:鉢植え(プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)

緑色のライン大サイズ

  • 特徴
  • カランコエの仲間は、マダガスカル島、アフリカ東部~南部、アラビア半島、東南アジアに約100種が分布する、ベンケイソウ科の多肉植物(多年草)です。分布する地域は広範囲ですが、主にマダガスカル島と東アフリカで自生が見られます。
  • 国内でよく見かけるのは、鉢花として流通しているカランコエ・ブロスフェルディア (kalanchoe blossfeldiana)です。マダガスカル固有の多肉植物で、島の北部山岳地帯から、比較的涼しい高原地帯に自生しています。日本へ渡来したのは昭和初期で、和名はリュウキュウベンケイと呼ばれています。
  • 近縁種 (園芸品種)
  • カランコエ・ブロスフェルディアナ (kalanchoe blossfeldiana)→和名はベニベンケイ。カランコエの代表的品種で、国内で「カランコエ」というと、当種から作出された園芸品種の総称として使われるのが一般的です。
  • カランコエ・クィーンローズ (k. blossfeldiana “Paris Evergreen”)→和名はカランコエ・パリ。八重咲きの花形で、肉厚の花弁をしている。花色は、白、ピンク、黄、オレンジ色がある。草丈20cm程で、収まりがプレゼント用の鉢花として人気がある。
  • カランコエ・デザートローズ (k. luciae)→和名が唐印。アフリカ南部の原産。丸みのある扇状の肉厚の葉が重なり合っている。秋~冬になると、葉の先端から紅葉する姿が美しい。
  • カランコエ・ラクシフローラ (k. laxiflora)→和名は胡蝶の舞。マダガスカル島原産。葉の縁はギザギザのある鋸歯があり肉厚で、ロゼッタ状に多数茂らせる。冬になると花茎を伸ばして、細長い釣鐘状の薄紫色の花を咲かせ、同時に葉も紅葉する。
  • カランコエ・ピナータ (k. pinnata)→和名はセイロンベンケイ。南アフリカ原産、世界中の熱帯・亜熱帯地域に広く自生する。細長い釣鐘状の花は、大きくなると150cmにも育つ。

ベンケイソウ科です

  • 用土 
  • 鉢植えの場合、市販の多肉植物用培養土(草花用でもよい)にパーライトを2割程混ぜる、または赤玉土(小粒)5:腐葉土4:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 肥料 
  • 鉢植えの場合、苗を購入したらすぐに植え付けます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋の生育期に、月2回程度薄めの液体肥料を施すか、月1回固形肥料を置肥します。(5月~6月、真夏の高温期は避けて、9月~10月)

マダガスカル原産です

常時雨の当らない場所に置く

  • 苗の植え付け
  • 苗は、長い期間流通しています。苗を購入したらすぐに植え付けます。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢を崩さないように一回り大きな鉢に植え付けます。定植したら、「用土」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、花後の6月頃です。
  • 鉢植えの場合、1~2年に1回を目安に行いましょう。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢全体の1/3~1/2程度に崩して切り戻し「植え付け」の項目で用意した土と同じ用土に植え替えます。1週間程は明るい日陰に置き、その後は元の場所へ戻します。
  • 増やし方
  • 挿し芽で増やす→適期は、5月~6月です。挿し芽の用土は、バーミキュライト、ピートモスなどの清潔な用土に挿すと20日位で発根します。(挿し芽の詳細ページ

カランコエは鉢栽培に向く

根が細く根腐れを起こしやすい

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が白く乾いたら、花や葉にかからないようにタップリと水を施します。多肉植物なので乾燥には強いのですが、根が細く根腐れを起こしやすいので水のやり過ぎには注意しましょう。
  • 過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。冬は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 手入れ
  • 短日処理→カランコエは、短日条件(日に当たる時間が短い)で花芽が付きます。短日植物と呼ばれ、日に当たる時間が約12時間以下になると花が咲く植物です。秋を過ぎると花が咲くのは、日暮れが早くなり日が短くなるので開花するという訳です。しかし、冬は室内で育てるので、室内の照明器具に長時間にわたり当たると開花しません。そこで、ダンボールなどを被せて光を遮る「短日処理」を行います。30~40日間ほど繰り返すと花が咲きます。これを行えば、一年中花が鑑賞できます。
  • 摘芯→適期は、開花後の植え替えと同時に行います。枝分かれさせて多くの花を咲かせるために行いましょう。広く出回る、ブロスフェルディアナ系は3~4節残して摘芯、釣鐘状の花を咲かせ蔓を伸ばす系統は、5~10cm残して摘芯します。
  • 害虫→アブラムシ
  • 日当たり
  • 夏の間は、直射日光を避け明るい日陰に置きしょう。
  • 短日処理→長時間にわたり室内で蛍光灯などに当ると開花しないので、日に当たらない暗い環境作りが必要です。ダンボールなどで鉢をスッポリと覆います。

緑色のライン大サイズ