ナンテン ハーブ苗-真っ赤な果実が美しい縁起木として好まれる|イパネマおやじ

ナンテン nandina は、古くから、「難を転ずる」という意味で、縁起木あるいは魔よけ、厄除けなどに植えられ、祝い事の飾りなどに使われてきました。関東より以西の本州、四国、九州など暖かい地域に自生している常緑ないし半常緑性の低木です。性質は丈夫なので、園芸で植えられたものが野生化したものが多く見られます。紅い果実が美しく、むやみに横に広がって場所をとることもないので、縁起の良い木として玄関先や庭に好んで植えられています。

ナンテンはメギ科ナンテン属

 

古くから庭木として好んで植えられた

  • 分類:メギ科ナンテン属 / 原産地:アジア東部の温帯~暖帯
  • 学名:Nandina domestica
  • 英名:sacred bamboo / heavenly bamboo
  • 常緑低木・半耐寒性~耐寒性(~-5℃) / 草丈:150~200cm
  • 開花期:6~7月 / 栽培方法:地植え(生垣)、鉢植え
    • 特徴
    • 樹形は株元から沢山の細い幹を、まっすぐに伸ばして株立ち状になります。
    • 初夏には茎の先端から花軸を伸ばして、小さな白い花が集まって円錐状に咲きます。花後に小さな丸い果実を沢山付けて、晩秋から冬にかけて熟成して真っ赤に色づきます。
    • 雪の降る中で真っ赤な実を付けた、樹姿は一幅の絵のようで、すごく日本的なイメージがあります。
    • ナンテンの名前は、中国の漢名で南天竹・南天燭に由来しています。ナンテンという語感が「ナン(難)をテン(転)じる」に通じるところから縁起木として親しまれています。
  • 日本で栽培された歴史は古く、江戸時代から明治時代にかけて100種以上の園芸品種が作られています。現在では約40種が栽培されています。
  • 本品種以外にも、白い実を付けるシロナンテン、葉が糸のように細くなるキンシナンテンや丸みのある葉を付けるオタフクナンテンなどがあります。

ナンテンはメギ科ナンテン属です

難を転ずるという縁起木として好んで庭に植えられた

  • 適応
  • 葉には健胃、解熱、鎮咳
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土
  • 地植えの場合は、堆肥や腐葉土を耕してよく混ぜ込んだ土で、水はけと水もちのよい土や粘土質の土壌が適しています。
  • 鉢植えの場合は、腐葉土3:赤玉土7の割合で混ぜた土を使います。
  • 肥料
  • 2月頃に油かすや鶏糞を、9月頃には化成肥料を株元に与えます。
  • 与え過ぎには注意が必要です。特に窒素分が過多になると、実の付き具合が悪くなってしまいます。
  • 他には、よほどのやせ地を除いて、通常の土壌であれば実付きが悪くなる原因の多くは、開花期の長雨や日照不足によるものです。

ナンテンは常緑低木です

 

  • タネまきで増やす
  • 11月頃に熟した果実を採取して果肉の部分を取り除いてから蒔きます。
  • 発芽するのは翌年の春で、開花までに4~5年かかります。採取して、スグに蒔けない場合は乾燥させないように貯蔵しておき翌春に蒔きましょう。
  • 挿し木で増やす
  • 適期は3月中旬~下旬です。
  • 前年の枝を使いましょう、無ければなるべく若い枝をを用います。挿し穂は15cm位に切り取って赤玉土や鹿沼土に挿します。
  • 切り口は斜め45度、または左右両方面から「くさび形」に切ります。なるべく鋭利な刃物で切ると切り口の回復が早まり、発芽率が高まります。
  • 挿す土の深さは、挿し穂が倒れないように2cm程度を目安にします。ピンセットなどで、真っすぐに挿します。
  • 日当たりの良い場所で、乾燥させないようにします。2~3ヶ月で根が出て、生長を始めます。

  • 植えつけ
  • 植えつけは春以後に行います。4月・秋は9月が適期です。
  • 地植えの場合も、植えつける前によく耕して堆肥を混ぜ込んでおきます。
  • 植え替え
  • 適期は、春は4月・秋は9月です。
  • 鉢植えの場合、2年に1回のペースで植え替えましょう。鉢底から根がはみ出してきたら、根詰まりしているので一回り大きな鉢サイズに交換しましょう。

ナンテンは常緑低木で樹高は200cm余り

  • 水やり
  • 地植えの場合の、水やりは極端な乾燥をしている場合を除いては特に水を与える必要はありません。
  • 鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから(2~3日を経過した後)タップリと、与えます。

ナンテンのお手入れ方法は?

  • 手入れ
  • 剪定→木が若いうちは放任で枝を伸ばしても問題ありませんが、木が生長して幹の数が多くなると枝葉が混み合って、茂りっぱなしでは見た目にも雑然としてきます。スペースに応じて間引きして幹の本数を6~7本に整理するとスッキリして見栄えも良くなります。
  • 先端に花芽の付いていない枝や、実の付いている枝を選んで(実を付けた枝は翌年から3年位は花芽を付けません)地際で切り落とし(間引き)ます。
    同時に枯れた枝や、細くて弱い枝も枝分かれしている付け根から切り落としましょう。
  • 樹高が高くなり過ぎたものは、低い幹を残して高くなった幹を地際で間引くなり、適度な高さで切り戻しましょう。切り戻しをすると、2~3年すると新たに枝が芽生えてきます。
  • 実付きをよくする→開花時期が、梅雨と重なるので、雨量の多い場合は受粉が行われずに実の付きが悪くなります。その時は、花をビニール袋などで覆って、雨を遮ってやると効果的です。
  • 病気→すす病
  • 害虫→カイガラムシ カイガラムシが発生すると、植物の汁液を吸って生長を妨げるだけでなく、排泄物からすす病が発生しやすくなります。
  • すす病は、葉に黒いすすの様なカビがべったりと張り付いて光合成を妨げます。カイガラムシは薬剤が効きにくいので、見つけ次第に歯ブラシなどでコスリ落として駆除しましょう。
  • 枝や葉の付け根に綿の様なものが付いていたらカイガラムシの可能性が高いので、日頃から細かく観察をしましょう。

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 収穫
  • 葉は、1年を通じて収穫が可能、実は11~12月が適期です。
  • 乾燥した果実の煎液は、漢方で鎮咳薬として利用される。扁桃炎、口内炎、歯茎の腫れ、歯痛などには生薬の剪液を冷まして数回うがいをするとよい。
  • 湿疹やあせも等には、粗く刻んだ生葉を袋につめて浴槽に入れて入浴をします。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みますが、半日陰の場所でも育ちます。
  • 落ち葉の積もった、山野の中を好んで自生をする半陰樹なので、日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所での生育と比べると、花付き、実付きは悪いです。
  • 西日の当たる場所は、乾燥を伴うので適しません。ある程度は耐寒性はあるので北海道以外の場所であれば栽培は可能です。(寒風の当たる場所は避けます)