サクラ バラ-説明する必要がないほど親しまれている花木-イパネマおやじ
サクラ (Cherry blossam) という名称は、野生種15種のほかに園芸品種も300以上あるサクラ属の総称です。最も馴染みのある花の一つですね。春の花木の代表で、公園、街路をはじめ個人の庭園でも多く見ることができます。サクラは、バラ科サクラ亜科サクラ属サクラ亜属の植物の総称です。
野生種15種と園芸品種300種以上
- 分類:バラ科サクラ亜科サクラ属サクラ亜属 / 原産地:日本、(中国やヒマラヤにも分布するが大半はわが国に多い)
- 学名:Cerasus spp. (Prunus spp.)
- 英名:Cherry Blossam
- 別名:(漢字表記・桜)
- 落葉高木・耐寒性 / 樹高:3~20m
- 開花期:2~5月(10月~翌年3月まで開花する種もある)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- 中木の樹高になる種類(カンヒザクラ系のカワヅザクラ、オカメザクラ、ヨコハマヒザクラやマメザクラ系を親とする種)が個人で栽培するのに適しています。
- 以前の属名はPrunusでしたが、近年はサクラ属の属名に Cerasus(サクラ亜属)を用いる傾向があります。しかし、後者とすることで決着したわけではありません。
- 「野生種」→花のつき方や実の違いで、8群に分けられています。
- ミヤマザクラ群→ミヤマザクラ
- セイヨウミザクラ群→セイヨウミザクラ
- エドヒガン群→エドヒガン (枝垂れたのがイトザクラ)
- チョウジザクラ群ーチョウジザクラ
- マメザクラ群→マメザクラ、タカネザクラ
- カンヒザクラ群→カンヒザクラ
- ヤマザクラ群→ヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、オオヤマザクラ
- ユスラウメ群→ユスラウメ、ニワウメ、ニワザクラ
- 「園芸種」→300種あるといわれ、4性に分けられています。
- ヤマザクラ性→ソメイヨシノ(エドヒガンとオオシマザクラの雑種)
- オオヤマザクラ性→
- サトザクラ性→サトザクラ(オオシマザクラと他品種との雑種)高砂、関山、鬱金、普賢象
- ヒガンザクラ性→ヒガンザクラ(エドヒガンとマメザクラの雑種)
- 「栽培品種」→サクラの栽培品種(園芸品種)を総称して、サトザクラと呼びます。広く栽培されている品種です。
- ソメイヨシノ(染井吉野)→日本で一番多く植えられている品種で、サクラの代名詞といわれます。
- イトザクラ(糸桜)→シダレザクラ(枝垂れ桜)のことです。古くからあるエドヒガンザクラの栽培品種で、生長が早く枝が下向きに伸びる。
- コヒガン(小彼岸)→エドヒガンとマメザクラの雑種とされています。小型で花つきがよく、切り花に利用されます。
- フゲンソウ(普賢象)→八重咲き大輪の品種です。葉に変化した2本の雌しべの姿を普賢菩薩の乗る白象に見立てて名前がついている。
日本書紀にも登場する古来より親しまれている花木
- 適応
- 不眠、精神安定、リラックス
- 料理・飲み物で楽しむ
- 葉や花の塩漬け、和菓子の原料に混ぜて香りを楽しんだり菓子を包む
- 用土
- 土保水性があり肥沃な土壌を好みます。鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)4:腐葉土3:黒土3の割合で混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 植え付ける時に、植え穴の底に元肥として化成肥料を堆肥に混ぜ込んで入れて、軽く覆土しておきます。
- 晩秋から冬にかけて株の周囲に何ヶ所か穴を掘り、有機肥料と緩効性化成肥料を混ぜ込んだものを寒肥として穴の中へ施します。その際に、肥料を地表にまくと、根系が地表に上がってくるので注意しましょう。さらに、樹勢によっては花後に追肥をします。
- タネまき
- 可能ですが、親株と同じ花が咲かないことが多いので、園芸品種を増やすには適しません。
- 挿し木で増やす
- オオシマザクラ、ケイオウザクラなどは3月の上旬から中旬頃、芽が吹く前に挿し木が可能です。
- 挿し穂は10~15cmの長さにして、鹿沼土や赤玉土の挿し床にさします。密閉ざしは活着率が高くなります。
- 参考:密封ざしー風雨を避け、一定の空中温度を保ち、穏やかな環境を作って発根を促すこと。
- 接ぎ木
- 適期は3月です。特に園芸品種は、接ぎ木で増やします。
- 台木は高さ5cmほど、切り口が斜めになるよう切り取って3cm程、切り込みを入れます。
- 穂木は新芽の付いた枝を5cmくらいに切り、下部の表皮を3cmくらい剥ぎ、切り口を斜めに切り落として台木の切り込みに差し込んで接ぎ木テープでしっかりと固定します。
- 植え付け
- 地植えの場合の植え付けは、12~3月が適期で、事前に腐葉土などの有機物を混ぜ込んだ元肥を、入れてから植え付けます。
- 植え替え
- 鉢植えの場合は、2~3年に1回は必ず植え替えましょう。適期は12~3月です。植え替えをしないと生育が衰え、立ち枯れを起こしやすくなります。また、根を切らず用土を足すだけの鉢増しなら、4月まで可能です。
- 鉢植えを購入したら、小さめの鉢ならば一回り大きな鉢に植え替えたほうが、水管理が楽になります。
最も親しまれている花木
- 枝抜き(剪定)
- サクラの基本的な剪定方法は、枝抜きで作業の適期は落葉期の12~2月です。
- 剪定作業は枝が細い状態の内に行います。太枝になると、切り口の表面積が大きくて、雑菌が入りやすくなり最悪の場合は、枯れることもあるからです。
- 重なり合っている枝や枯れた枝は、枝分かれしている付け根から切り落としましょう。こうすることで、枝が均一に配置され、樹木全体に日が当たり、風通しもよくなります。
- サクラは枝同士がふれあうと、その枝の伸びや芽吹きが停滞する性質があります。これが、多くの部分で発生すると樹形が大きく変わります。樹姿をバランスよく保つためにも、重なり合った枝を取り除くことが大切です。
- 「やむを得ず太い枝を切る場合の注意点」
- 1.切り口が、幹に対して垂直になるように切り落とす。(菌を媒介する水が溜らないようにするため)
- 2.枝分かれしている付け根の部分で切る。
- 3.切り口には癒合剤などをしっかりと塗る。(傷口を菌から守るカサブタなどに注意して行う)
- 注:必要な剪定はしなければりませんが、むしろサクラの性質としては、あまり枝をいじらない方がよいとされています。
- 防寒対策→地植えの場合で、まだ苗木のうちは株元に敷きワラなどをして霜を防ぎます。
- 病気→天ぐ巣病 ソメイヨシノやエドヒガン系のサクラに多発します。症状は、生長点近くの葉の付け根から細かく小さい黄色の葉が、多数発生してホウキ状になります。症状の現れた枝は深く切除します。使用後のノコギリなどは、よく殺菌しておきましょう。
- 害虫→モンクロシャチホコ、コスカシバの幼虫。モンクロシャチホコは葉を食害するので、発生初期に見つけ捕殺します。コスカシバの幼虫は、幹に入って食害するので、根元付近の除草をして幹から出ているヤニを見つけたら駆除します。
- 水やり
- 地植えの場合は、基本的に水やりは不要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾きかけたらタップリと与えます。
- 日当たり・置き場所
- 一年を通じて日当たりのよい場所を好みます。しかし強い西日の当たる場所は好みません。
- 鉢植えの場合は、冬の時期の北風があたる場所を避けましょう。