チョコレートコスモス 季節の花-チョコレートのような香りがある-イパネマおやじ

  • チョコレートコスモス (Chocolate cosmos) の開花期は、5月~11月の長い間開花して楽しませてくれます。春から秋まで咲く品種と、秋咲きの品種があります。花期になると、長く伸ばした茎頂部に花径3~5cmの頭花を咲かせます。花は、キク科特有の花序で、頭状花とも呼ばれています。
  • この頭花は、一つの花に見えますが花弁のように見える外周は舌状花、中心部は小さな筒が集まった管状花から構成されている集合花です。舌状花は8~10個で、暗赤色または暗褐色~黒褐色です。ほのかにチョコレートのような香りがあります。

チョコレートコスモス

根は球根状だが乾燥貯蔵はできない

  • 分類:キク科コスモス属 / 原産地:メキシコ
  • 別名:ベニコスモス
  • 学名:Cosmos atrosanguineus
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(少し弱い)、耐暑性(少し弱い)
  • 草丈・樹高:30~90cm
  • 苗の植え付け:4月~5月
  • 植え替え:4月~5月
  • 株分け(分球):根がダリアのような球根状に肥大する
  • 挿し芽:原種チョコレートコスモスは5月中旬~6月中旬、交配種は5月~8月
  • 開花期:5月~11月。秋咲き品種もある
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • チョコレートコスモスは、メキシコ中央部原産のキク科コスモス属の多年草です。メキシコ中央部のグアナフト州、ケレタロ州などの、標高2000m前後の森林の中に自生しています。1902年から広く栽培されるようになり、日本へは大正時代に渡来しています。
  • 実は、これは交配種であり、稔性(ねんせい)のある種子はできないので、株分けや挿し木で増やしたクローン株です。そのため自家受粉では結実しない、または結実しても正常な種子を形成しない性質を持っていました。種で増やすことが出来ず、挿し芽、または球根状に肥大した根を分球して増やしてきました。
  • 最近まで野生種は絶滅して、原種の花は香りは高いのですが、多湿や病害虫に弱く育てるのが難しいです。広く育てられているのは、原種とキバナコスモスとの交配種です。近年になりメキシコの植物学者によって新たに野生種が発見されています。これにより種子が採れるようになるのか、期待されています。

多年草

高温多湿を嫌います

  • 用土
  • コンテナ・鉢植えの場合、市販の草花用培用土、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕しておきます。水はけの悪い土壌の場合、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
  • 肥料 肥料過多になると花付きが悪くなる
  • コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、5月~10月の生育期(7月~8月を除く)、3~4週間に1回、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g程)を混ぜ込んでおきます。

メキシコ原産

  • 苗の植え付け
  • 適期は、4月~5月です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナ・植木鉢に入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、4月~5月です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、1~2年に1回を目安に行いましょう。用土と元肥は「植え付け」と同じです。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。植え替え直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 株分け(分球) 
  • 適期は、4月です。根が球根状に肥大するので根を堀り上げて、芽の部分を確認して2~3芽に切り分けします。植え替えの際、同時に作業しましょう。株分けは、切り口から腐りやすいので、あまりお勧めではありません。
  • 挿し芽
  • 適期は、原種チョコレートコスモスは5月中旬~6月中旬、交配種は5月~8月です。
  • 新芽の先端から2節程の長さで切り取り、挿し穂にします。枝の上部の数枚を残して下葉を取り除きます。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、1時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。植え付け後は、明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

キク科コスモス属

ハーブの仕切りライン

地中の根だけで冬越しする

  • 水やり
  • コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。12月~3月の休眠期は、地上部が枯れて根(球根)だけで冬越します。凍結しない場所へ移動させますが、完全に乾かすと枯れてしまうので、少量の水を施しましょう。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。地植えの場合は株元をマルチングなどして、根(球根)の凍結を防ぎます。掘り上げると、根(球根)が乾燥すると枯れるので地中で冬越しをさせましょう。
  • 手入れ
  • 冬越し→花が終わったら、地上部を地表から5cm程の長さで刈り取ります。コンテナ・鉢植えは凍結しない場所へ移動させます。地植えの場合は、株元を腐葉土やバークチップなどのマルチング材で覆って寒さから守りましょう。
  • 切り戻し→適期は、夏の終わり頃に伸びすぎたり傷んだ枝を切り戻します。思い切って地際の、10~20cmの高さで刈り取ります。
  • 花がら摘み→生育期の、咲き終わった花茎を早めに取り除きましょう。
  • 病気→うどんこ病
  • 害虫→アブラムシ、ホコリダ二
  • 日当たり
  • 4月~11月の生育期は、日当たりのよい場所で育てます。
  • 但し、原種は夏の直射日光に当たると葉が傷んでしまいます。コンテナ・鉢植えは午前中から柔らかな日差しが当たる場所に置きましょう。西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。(※ 交配種の場合は普通に管理して大丈夫です)
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

ガーデニング風景

ガーデニング風景

ハーブの仕切りライン