ハナミズキ 季節の花-冬は植え付けの適期-イパネマおやじ
ハナミズキは、アメリカを代表する花木です。ミズキ科の落葉高木で樹高が5~12mになります。春になると一重咲きの可憐な花をつけます。花色は白が基本ですが、ピンク色や紅色の品種もあります。花後には光沢のある小さな楕円形の実がつき、秋になると赤色に熟します。
春には白色やローズ色の花を咲かせる
- 分類:ミズキ科サンシュユ属 / 原産地:北アメリカ
- 和名:アメリカヤマボウシ(ハナミズキ・漢字表記:花水木)
- 学名:Cornus florida
- 英名:Dogwood
- 園芸分類:落葉高木/ 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:3~10m
- 苗の植え付け:2月中旬~3月、11月~12月
- 植え替え:2月中旬~3月
- タネまき:3月、秋に果実を収穫後
- 接ぎ木:3月
- 挿し木:6月
- 開花期:4月中旬~5月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 昭和45年に、当時の東京市長の尾崎行雄氏がアメリカ合衆国にサクラの苗木を寄贈しました。その返礼として、大正4年にアメリカから寄贈されたのがハナミズキです。アメリカを代表する花木で、北アメリカ東部からメキシコ北東部に分布しています。丈夫で育てやすく、樹形のまとまりがよく比較的場所をとらないので、各家庭のシンボルツリーとして広く栽培されています。
- ハナミズキの花は、花弁のようにみえる部分が、実は本来の花弁ではなく総苞片という花の付け根の葉です。
- 近縁種
- ハナミズキの、正式な和名はアメリカヤマボウシですが別名のハナミズキで呼ぶのが一般的です。花姿が似ているので混同される、ヤマボウシ(Cornus kousa)は日本に古くから自生する落葉樹で、庭木などで栽培されています。花弁(総苞)の先が尖っているのがヤマボウシで、花弁(総苞)が丸くて先がくぼんでいるのがハナミズキ(アメリカヤマボウシ)です。
- 紅花ハナミズキ→花色(総苞)は紅色。実生で紅花が咲いたものの総称として呼んでいる。
- チェロキー・チーフ→花色(総苞)は紅色。長く栽培されている、濃い紅色花の代表種。
- クラウド・ナイン→花色(総苞)は白色。広弁の大輪種で、白色花の代表種。多くの花をつける。
- アルバプレナ・ダブルホワイト→花色(総苞)は白色。二重咲きで、八重ハナミズキと呼んで流通することもある。
落葉高木で3m~12mになる
- 用土
- 水はけ水もちのよい土壌を好みます。特に湿気のある土壌は、川砂などを混ぜ込んでおきます。
- コンテナ・鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を多めに混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 施肥の適期は、2月が寒肥、5月下旬~6月中旬がお礼肥です。寒肥、お礼肥ともに骨粉入りの発酵油かすを、株元に浅く掘って施します。
- コンテナ・鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として、骨粉入りの発酵油かすの固形肥料を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として緩効性化成肥料と腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 植え付け
- 適期は、春が2月中旬~3月、晩秋が11月~12月です。
- コンテナ・鉢植えの場合、樹高100cm未満の苗は6~7号鉢に植えます。
- 地植えの場合、苗木の根鉢サイズより2~3割程大きめの植え穴を掘ります。根鉢をくずした苗木を置きます。掘り上げていた土を埋め戻し、タップリと水を施して水が引いたら支柱を立てます。
- 植え替え
- 適期は、2月中旬~3月です。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢の中が根詰まりしたら2~3年を目安に植え替えをします。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 増やし方
- タネまき→適期は、春まきが3月、秋は赤く熟した果実を採取して果肉を除いてよく水洗いして、すぐにまく”採りまき”か、冷蔵庫に保存しておき、3月になったら春まきします。花を咲かせるまでに6~7年かかります。
- 接ぎ木→適期は、3月です。実生のハナミズキ台木を使って、切り継ぎで増やします。
- 挿し木→適期は、6月です。当年枝を10cm程に切り取り新鮮な用土に挿します。ただし挿し木は発根する確率が低く、生長ペースも緩いのが実情です。
手間がかからず育てやすい
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 手入れ
- 剪定→適期は、落葉期の12~2月です。若木のうちは、樹勢が強く枝の伸びに勢いがあります。長く伸びすぎたり、徒長枝や花芽の付かない枝を切り落とします。花後の6月頃に枝が混みすぎていたら軽い剪定をしましょう。
- 病気→うどんこ病、紋羽病 水はけの悪い土壌には紋羽病が発生しやすいので、過湿には注意します。
- 害虫→アメリカシロヒトリ 葉を食害する毛虫。発見した薬剤散布をします。
- 収穫
- 秋になったら10月頃に果実が熟したら採取します。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。