ルピナス 季節の花-秋にタネまき夏に咲く花-イパネマおやじ

ルピナス (Lupinus) は、開花期の春になると真っ直ぐに伸びた茎頂部に花序を付け、大きな花穂に多数の蝶形花を咲かせます。花色は、白、黄、ピンク、オレンジ、青、紫、赤色など多彩な色合いで、春~初夏の観賞用として広く栽培されています。

ガーデニング

育てPOINT

耐寒性は優れているが、高温多湿を嫌う性質なので、温暖地や暖地では多年草タイプでも、夏には枯れる一年草として扱われています。

夏に咲く花

暑さや多湿に弱いので夏には枯れる

  • 分類:マメ科ハウチワマメ(ルピナス)属 / 原産地:地中海沿岸、北アフリカ、南北アメリカ
  • 別名:ハウチワマメ、ノボリフジ(漢字表記:昇り藤)
  • 学名:Lupinus
  • 園芸分類:一・二年草、多年草(中間地では一年草扱い) / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
  • 草丈・樹高:20~150cm
  • タネまき:9月~10月、3月(寒冷地の場合)
  • 苗の植え付け:3月、秋は10月下旬~11月 (初心者の場合、春に苗が流通するのを植え付けると簡単)
  • 植え替え:基本的には必要ない(関東以西の温暖地、暖地では花後の夏には枯れる)
  • 開花期:4月~7月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • ルピナスの仲間は、アメリカ大陸の一部を中心に地中海沿岸、北アフリカに約200種以上が分布しています。園芸分類は、マメ科ルピナス属の一・二年草タイプ、多年草タイプがあります。栽培の歴史は古いのですが、本格的に観賞用として栽培されるようになったのは、イギリスで品種改良が始まった1910年代からとされています。日本へ渡来したのは、明治時代初期とされています。
  • 春になると、真っ直ぐに伸びた茎頂部に花序を付け、大きな花穂に多数の小花を咲かせます。花穂は50~60cmで、花形はマメ科の特徴である蝶形花です。多年草タイプは、寒冷地では宿根して冬を越し、毎年大柄な草姿になり花を咲かせます。温暖地、暖地では夏には枯れる一年草として扱われます。、
  • 近縁種(園芸品種)
  • ラッセルルピナス(Lupinus polyphyllus hybrid)→ルピナスの代表的な品種。タネまきの適期は6月頃です。原産地のアメリカ北西部では多年草タイプで、寒冷地では宿根して冬を越します。温暖地、暖地では、花後の夏には枯れる一年草として扱います。草丈50~70cmですが、流通量も多く広く栽培されているのは、草丈50~60cmの矮性種のミナレットです。
  • カサバルピナス(L. hirssutus)→地週回沿岸から北アフリカ、西アジア一帯に分布する一年草タイプ。発芽適温が20~25℃で、他の品種より高温で発芽するので、タネまきの適期は8月下旬~9月下旬です。草丈60~80cmで、花形は大ぶりで花色は、白、ピンク、青色です。比較的育てやすい品種。
  • ルピナス・テキセンシス(L. texensis)→北アメリカのテキサス州を中心に自生する二年草タイプ。コンパクトな草姿で、草丈20~30cm、花穂は10~15cm程です。花色は、基本がブルーだが、白色やピンクの変異種もある。園芸品種には、ブルーボンネットやテキサスマローンがある。

ルピナスはマメ科

  • 用土 
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土にパーライトを1~2割加えた用土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、中性土壌を好むので、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~200g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。さらに土壌のpHを測定可能ならば、弱アルカリ~中性へ調整しておきましょう。
  • 肥料
  • ルピナスは、マメ科の植物の特性である、根に根粒菌が共生しており、空気中のチッ素分を吸収して養分を補充してくれるので、チッ素分を控えた肥料を使います。
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春~6月初旬の間、月に2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します)
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に必要ありません。

ルピナス

ポット苗が春頃に流通する

  • タネまき 
  • タネまきから育てるのが一般的です。発芽適温は15~20℃で、直根性なので移植を嫌います。
  • 適期は、9月~10月、3月(寒冷地の場合)です。(カサバルピナス種は8月下旬~9月)根が直根性で移植を嫌うので、直まきかポリポットまきにします。タネの表面が非常に硬いので、一昼夜水に浸けておきます。
  • セルトレイや9cmポリポットなどに、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を敷きつめ、2~3粒をまいたら覆土を1cm程の厚さにします。
  • 弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。ポリポットまきの場合も同様に、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
  • 苗の植え付け
  • 初心者の場合、タネまきから育てる自信がないという方は、春頃に苗が流通するので購入して植え付けると簡単です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、ポリポットから根を傷めないように丁寧に、根鉢を引き抜いて植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3~4株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。ポリポットから、根を傷めないように丁寧に、根鉢を引き抜いて植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm位空けて植え付けます。
  • 植え替え
  • 当然一年草タイプは植え替えは不要です。多年草タイプでも国内の、温暖地や暖地では夏の暑さで枯れるので、一年草として扱います。多年草タイプが寒冷地で夏越しが出来たとしても、直根性の根は、とても傷みやすいので、植え替えは避ける方がよいでしょう。

北アメリカ原産

ハーブの仕切りライン大

気温が25℃以上になると枯れやすい

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。乾燥が過ぎると、葉を傷める原因となるので、水不足に注意して管理しましょう。ただし、過湿になると根腐れを起こすので、やや乾燥気味に管理しましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 切り戻し→適期は、一番花が咲いた後に花穂の下部で切り戻します。やがて脇芽が伸びて、2~3番花を楽しむことができます。花後の花穂を放置すると、結実して栄養分をとられてしまいます。
  • 防寒対策→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。寒冷地で地植えしている株は、10~11月中に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内などで冬を越させる)
  • 病気・害虫→特になし
  • 収穫
  • 花が終わったら、枝豆のようなサヤが結実するので、よく乾燥させてから収穫します。サヤから実を取り出したら、日陰でよく乾燥させます。紙袋などに入れて、風通しのよい場所で保存して、適期になったらタネまきします。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。

ハーブの仕切りライン大