カンパニュラ 季節の花-タネまき適期は春と秋-イパネマおやじ

カンパニュラ ( Campanula ) は、世界中の温帯地域に分布する大半は多年草ですが、中には一・二年草もあります。ここでは、カンパニュラ・メディウム (Campanula medium) を1例として紹介しています。

ピンク色のフウリンソウです

カンパニュラ・メディウム

世界中に300品種以上も分布する

  • 分類:キキョウ科ホタルブクロ属 / 原産地:南ヨーロッパ
  • 別名:フウリンソウ(風鈴草)、ツリガネソウ(釣鐘草)
  • 学名:Campanula medium
  • 園芸分類:一・二年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:40~50cm / 本来は60~150cmになる(園芸品種は改良され草丈が低くなっている)
  • タネまき:二年草タイプが、4月下旬~5月。一年草タイプは8月下旬~9月中旬。
  • 苗の植え付け:一・二年草ともに9月下旬~10月中旬です(春ころから流通する苗を購入した場合は即時植え付ける)
  • 植え替え:花後には枯れるので必要ありません。
  • 開花期:4月~6月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • カンパニュラの仲間は、世界の温帯北部に300種以上が分布するとされます。栽培されている、多くの品種は毎年花を咲かせる多年草ですが、中には1・2年草もあります。南ヨーロッパ原産で、日本へ渡来したのは明治初期とされています。春から夏にかけて咲く、小さな種が多いのですが当サイトに掲載した画像は比較的大きなサイズの、カンパニュラ・メディウムです。ちなみに、メディウムとは「中間の」という意味です。ここでは、二年草の品種の栽培方法を例として紹介します。
  • タネまきは、原則として春に蒔いて翌春以後に花を咲かせて枯れる二年草として扱いますが、一年草タイプは8月下旬~9月中旬が適期です。ある程度の大きさに育った株が、寒さに低温に馴染むことで花芽が作られる性質なので、タネまきの時期によっては開花が翌々年になる場合もあります。

カンパニュラ

カンパニュラ

  • 近縁種
  • カンパニュラ・エリヌス(Canpanula erinus)→キキョウ科の多年草。草丈は30cm程で、6~7月頃に、白色の花筒部の裂辺部位が薄紫色の5cm程の鐘形花を咲かせる。花冠は5裂している。全草が白色の刺状の細毛に覆われる。
  • カンパニュラ・ディコトマ(C. dichotoma)→キキョウ科の多年草。草丈は20cm程で、6~7月頃に、花冠は5裂して白色の花筒部の裂辺部位が青紫色の1cm程の花を咲かせる。全草が白色の細毛に覆われ、茎は赤みを帯びて、上部で二股分枝する。地中海地方の、平地から海抜1000m以上の日当たりのよい岩場や荒地にも自生する。
  • カンパニュラ・メディウム(C. medium)→和名ではフウリンソウト呼ばれ、広く流通している。キキョウ科の二年生草本。草丈は40~50cm程で、4~5月頃に、白、ピンク、淡い紫、紫色で、釣鐘状の受け咲き(上向き開花)。
  • カンパニュラ・ルシタニカ(C. lusitanica)→キキョウ科の一年草。草丈は60cm程で、4~8月頃に、花冠は5深裂して青~紫色の径1~3cm程の花を咲かせる。全草に白色の細毛が密生して、茎は細くて軟弱で地面を斜上しながら分枝をする。ピレーネ山脈を除く、イベリア半島全域に自生する野草です。

カンパニュラ・メディウムは二年生草本

カンパニュラ・メディウム

  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の草花用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)酸性の土壌を嫌い、腐葉土や堆肥タップリの土を好みます。
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、1~2ケ月に1回、緩効性化成肥料を置肥、または月2~3回希釈した液肥を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g)を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、生長期の間1~2ケ月に1回、緩効性化成肥料を置肥します。

カンパニュラは地中海南部が原産地です

カンパニュラ・メディウム

春まきと秋まきの2つのタイプがある

  • タネまき 発芽適温20℃前後
  • 適期は、二年草タイプが、4月下旬~5月、一年草タイプは8月中旬~9月中旬です。
  • 川砂やバーミキュライトを湿らせた土に蒔き、発芽するまで乾燥しないように管理します。発芽したら、混み合った芽は取り除き、本葉が3枚になったらビニールポットに1芽づつ植え替えます。
  • 夏場を、涼しい環境で過ごさせるのがポイントです。花は翌年の春に開花します。秋にも蒔くことはできますが、株がある程度の大きさに育って、低温に馴染まないと花芽が作られないので、冬を小さな苗で過ごす「秋まき」は、開花が翌々年の春になります。
  • 植え付け
  • 適期は、一・二年草ともに9月下旬~10月中旬です。移植を嫌うので苗が小さいうちに植え付けます。(苗を園芸店などで購入した場合は、時期を問わず即時に植えつけましょう。)
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。本葉が3枚になったら、根鉢の根を傷めないように抜き取り、丁寧に植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。本葉が3枚になったら、根鉢の根を傷めないように抜き取り、丁寧に植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 花が咲いたら枯れてしまうので、一度植え付けたら植え替える必要はありません。

カンパニュラはキキョウ科です

カンパニュラ・メディウム

ハーブ仕切りライン大

花後は枯れる一年草として扱う

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。冬場は生育がほぼ止まるので、やり過ぎに注意して、土の表面が乾いてから3日後を目安に施しましょう。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。厳しい乾燥が続く場合は施しましょう。
  • 手入れ
  • 切り戻し→涼しい気候を好み、高温多湿を嫌うので、夏の管理が大切です。涼しく過ごさせるために、混み合った茎は刈り取り、茎の下部の風通しをよくする。枯れた葉や茎、花は小まめに摘み取ります。
  • 冬越し→寒冷地でも根を凍らさなければ冬越し可能です。地植えの場合は、根元に腐葉土やワラなどでマルチングをして防寒してやりましょう。鉢植えの場合、凍らない程度の場所へ移動させますが、室内へは取り込まないようにしましょう。(ある程度の低温でないと花芽ができない)
  • 病気→特になし
  • 害虫→ヨトウムシ 昼間は土中に隠れて、夜になると這い出して茎葉を食害します。夜間に見つけるか、株元の土を軽く掘ってチェックしましょう。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、定植前に場所をよく見極め、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

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