アサガオ 季節の花-緑のカーテンを育て夏を涼しく-イパネマおやじ

  • アサガオ ( Morning glory ) は、夏の花として親しまれている花ですね。小学校の家庭科や工作の時間に、あんどん仕立て用の支柱を組み立てたり、夏休みの宿題として育てるなど、多くの皆さんに馴染みのある花だと思います。
  • 5月頃に苗が出回り、園芸店での品定めや東京都内で開催される「入谷の朝顔市」など各所で行われる朝顔市は数多いですね。朝顔市へ出かけると、屋台が出て賑わいをみせる様子は、どことなく江戸時代からの風情を感じるのは私だけでしょうか。苗を求めて、朝顔市の散策をしたり、育てる以外にも楽しみがある花ですね。

朝顔は緑のカーテンになる

アサガオの日陰で夏を涼しく

  • 分類:ヒルガオ科サツマイモ属 / 原産地:中央アメリカ、メキシコ、南アメリカ
  • 学名:Ipomoea nil (=Pharbitis nil )
  • 園芸分類:つる性一年草 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:30~500cm
  • タネまき:5月~6月上旬(発芽適温・20~25℃)
  • 苗の植え付け:5月下旬~6月中旬(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 開花期:7月上旬~10月上旬(基本は7月上旬~9月、セイヨウアサガオは8月~11月)
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 特徴
  • アサガオは、夏の風物詩として幼い頃から身近にある花ですね。日本では古くから親しまれている草花ですが、実は日本固有の植物ではないんですね。奈良時代に中国から薬草として、渡来したのが始まりのようです。江戸時代になると、多くの園芸品種が作出され、観賞用として栽培されるようになりました。江戸庶民の間で、アサガオの栽培が大流行したようですね。
  • 原産地は、近年まで中国西南部からヒマラヤ山麓とされていましたが、最近の研究でアメリカ大陸原産が有力視されています。

アサガオ

あんどん仕立て

段落ラインハーブ

次々と一日花を咲かせる

  • 用土 水はけのよい有機質のタップリ入った土壌を好みます
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)5:腐葉土4:川砂1:(他には、赤玉土5:腐葉土4:くん炭1:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土や牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。(水はけが悪い土壌なら、更に川砂などを1~2割加える)
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、7月上旬~10月上旬(開花中)に、2ケ月に1回緩効性化成肥料を置肥、加えて月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、7月上旬~10月上旬(開花中)に、1~2ケ月に1回、緩効性化成肥料を置肥します。(葉を茂らせグリーンカーテンにするならチッ素分を多めに)
  • 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。

アサガオは夏の花

一年草

  • タネまき 発芽適温20~25℃
  • 適期は、5月~6月上旬です。アサガオは、表皮が硬い硬実種子なので、表面をヤスリや爪切りなどで傷つけてから(発芽処理済のタネは不要)、2時間程吸水させ柔らかくしてまきましょう。自家栽培した種子を採取して、翌年まで貯蔵してタネまきすることも可能ですが、発芽率が低かったり、親と同レベルの質のものが育ちにくいです。管理が簡単なのでポリポットまきか、花壇などへ直まきします。
  • ポリポットまきの場合、3号ポリ鉢に、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ、1~2粒をまいたら1cm程覆土をします。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。発芽したら日当たりのよい場所において、弱い苗を間引きながら本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
  • 花壇に直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、株間30cm間隔で1ケ所に2~3粒まきます。1~2cm程覆土して、発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。形の悪いものを間引いて、1本立ちさせます。(株間は30cm程)
  • 自家受粉の種は、毎年続けると品質が低下するので、開花時に好みの株を選んで人工授粉させます。採取したタネは冷蔵庫で春まで保存します。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、5月下旬~6月中旬です。
  • コンテナの場合、5~6号の大きめの鉢を使います。鉢底石を敷き、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(あんどん仕立ての鉢サイズは5~6号鉢に1株)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm位空けて植え付けます。つるが長く伸長するので、早めに誘引用の支柱やネットを設置しましょう。

ヒルガオ科サツマイモ属

段落ラインハーブ

緑のカーテンで日陰を作る

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。盛夏は乾燥しないよう、小まめに朝夕の2回は施しましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。真夏期は様子をみて萎れているなら施しましょう。
  • 手入れ
  • あんどん仕立て→鉢植えで、あんどん仕立てにすると管理しやすいです。本葉が6~8枚に育ったら、摘芯をして新しく脇芽を発生しやすくします。数本発生したら、丈夫な芽を1本だけ残し、他の脇芽は切り取ります。1本の芽を支柱に巻きつけます。この時つるの伸びる方向は、下面からみて時計の針と同じ方向へ進んでいきます。(右巻き&左巻きと、表現は2通りある)
  • 花がら摘み→一日花なので、開花した翌日には萎んでしまいます。咲き終わった花は毎日摘み取ります。
  • 病気→輪紋病、斑紋病、つる割病
  • 害虫→エビガラスズメ、カンザワハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。

段落ラインハーブ