カラー 季節の花-純白の花が切り花として人気がある-イパネマおやじ

  • カラー ( Calla ) は、花期になると長い葉の間から花茎を伸ばして、薄い布を巻いたような花を咲かせます。花弁のように見えるのは葉が変化した苞で、実際の花は苞の中心にある棒状の部位です。花色は白色のみです。カラーという花名は、ギリシャ語のカロスに由来する”美しい”という意味だそうです。カトリックの修道女の着衣の白い襟に似ていることから名付けられました。和名のオランダカイウという花名は、オランダ原産という訳ではなく、江戸時代にオランダより渡来したのが由来です。因みに、カイウ(海芋)とは水を好み、芋のような塊根を持つことからです。
  • 植え付けの適期は3月中旬からなので、暖かい場所に置いて発芽させる等、気候の変化に応じて移動のできる鉢栽培がお奨めです。発芽適温は20~25℃で、3週間程で発芽します。高温多湿の環境では、病気が発生しやすく枯れやすいので要注意です。

カラーはサトイモ科

春植えの球根植物

  • 分類:サトイモ科オランダカイウ(ザンテデスキア)属 / 原産地:南アフリカ
  • 別名:オランダカイウ(和蘭海芋)、エチオピカ
  • 学名:Zantedeschia aethiopica(湿地性)
  • 園芸分類:多年草(球根・塊根植物) / 耐寒性(普通)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:20~100cm
  • 苗の植え付け:3月中旬~4月
  • 植え替え:3月中旬~4月
  • 株分け:3月中旬~4月
  • 開花期:5月~7月
  • 栽培方法:コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
  • 特徴
  • カラーの仲間は、南アフリカにに約8種が分布するサトイモ科オランダカイウ属の球根植物です。湿地性と畑地性の2つのタイプに大別されます。この中の1種であるオランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)だけが水辺の湿地帯を好んで生育します。他の7種は水はけの良い土地を好む畑地性の種です。
  • 湿地性のカラー(オランダカイウ)は、江戸時代にオランダより渡来して古くから栽培されています。エチオピカとして市場に流通しているのは、オランダカイウの変種で四季咲き性のチルドシアナ種を親として作出された園芸品種たちです。湿地を好むので湿地性と呼ばれ、畑地性よりも耐寒性があるので冬にも葉が残ります。個性的な花形で、純白の花は切り花として人気があります。地中には球根(塊根)があり、葉腋に花芽を作ります。
  • 一方の畑地性は、水はけのよい畑地などに生育して、非耐寒性で冬には葉が枯れます。畑地性タイプは品種改良されたハイブリッド種が非常に多くあり、花色も白色、黄色、ピンク色、橙色、赤色、紫色、黒色など多彩な品種があります。球根を作り球根内部に花芽をつくります。花弁が堅くて厚みがあり、日持ちが良く既存の品種と比べると、開花期が長いのが特徴です。夏の高温多湿に弱いので栽培には注意が必要です。

※ 当ページでは湿地性の「カラー」に絞って案内しています。温暖地以西の平地では、地植えで冬越しも可能ですが、管理面からもコンテナ(鉢植え)栽培をお奨めします。

  • 近縁種
  • オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)→別名はカラー。原産地は、南アフリカ、スワジランド、レソト。湿地を好み常緑で、塊根状の根から真っ直ぐに伸長する。草丈は50~100cmで花色は白色。開花期は、5月~7月。
  • シラホシカイウ(Z. albomaculata)→原産地は,南アフリカ北部、タンザニア。山腹の沼地に自生。葉表に白い斑が入る。地下に根茎を持ち茎は直立してオランダカイウより少し細長い。草丈は60cm程で花色は白色。開花期は、5月~7月。
  • キバナカイウ(Z. elliottiana)→原産地は、南アフリカ、トランスパール地方。地下に根茎を持ち、長い茎を立ち上げる。葉表に白い斑が入り、草丈は90cm程。花色は鮮黄色で、苞を持つ。開花期は6月~7月。

湿地性

湿り気があり水持ちのよい土壌を好む

  • 用土
  • コンテナの場合、赤玉土(小粒)3:腐葉土3:鹿沼土2:ピートモス2:(他には、赤玉土・小粒4:腐葉土2:パーライト2:ピートモス2:または田んぼの土も生育が良い)の割合で混ぜ込んだ土を使います。水持ちのよい土が適しています。
  • 肥料 
  • コンテナの場合、あまり多くの肥料を必要としません。球根を定植後の追肥は、春に芽が出る4月~6月、月に1回、少量の緩効性化成肥料を置肥します。

球根植物

ハーブの仕切りライン小

  • 球根の植え付け
  • 適期は、3月中旬~4月です。
  • 鉢植えの場合、5号鉢に1球を植えます。鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土を入れます。球根の頭が地表と同じ深さになる程度の浅植えで、株間は30cm程にします。
  • 乾いた状態の球根に、いきなり水をかけると球皮から雑菌が入って腐ることがあります。あらかじめ、湿った土に球根を植え付け、10日程は水やりをしないようにしましょう。
  • 植え替え
  • 適期は、3月中旬~4月です。
  • コンテナの場合、1~2年に1回を目安に行います。6号鉢に1~3芽が目安です。経年と共に、株間が混みあってくると生育が悪くなります。
  • 株分け(分球)
  • 適期は、3月中旬~4月です。1~2年に1回、植え替えの際に同時に作業しましょう。

オランダカイウ

季節の花仕切りライン大

安定した水やりの出来る腰水が適する

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、受け皿に水をためて腰水栽培にすると安定して吸水できます。春の生長期に水切れすると花が咲かなくなります。夏は腰水(底面吸水法)を中断して、明るい日陰に置き、土の表面が乾いてきたらタップリと水やりをしましょう。葉や茎に水がかからないように、根元から穏やかに施してください。
  • ※ 腰水→サイト内 詳細ページ
  • 手入れ
  • 葉かき、芽かき→葉が茂り過ぎたり芽数も増えやすいので、株が込み合わないように手入れします。
  • 花茎切り→古くて枯れかけている葉や花茎は、早めに取り除きます。
  • 病気→軟腐病
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 半日以上は日に当たる場所に置きましょう。(休眠中は弱光でもよい)ただし、夏の強い日差し等の直射日光は避け、風通しのよい半日陰に移動させましょう。
  • 通常は湿り気のある土壌で育てるのが望ましいが、夏の高温期になると根が腐りやすくなるので、腰水(底面吸水法)を中断して、やや乾燥気味に育てましょう。

季節の花仕切りライン大