アグロステンマ 季節の花-秋にタネまきする一年草-イパネマおやじ
アグロステンマ ( Corn cockle ) は、花期になると分枝した茎頂部に花径3cm程の花を咲かせます。花弁が外側へ、軽く反るようにに開花します。花弁の中心は白さが強めで、弁端へと濃いピンク色~赤紫色のグラデーションになって縦に筋が入ります。
弱アルカリ性の土壌を好む
- 分類:ナデシコ科ムギセンノウ属 / 原産地:地中海沿岸、西アジア
- 別名:ムギセンノウ(漢字表記:麦仙翁)、ムギナデシコ
- 学名:Agrostemma githago
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:60~90cm
- タネまき:9月~10月(発芽適温20℃前後)
- 苗の植え付け:10月~12月、3月~4月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:5月~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
- 特徴
- アグロステンマは、地中海沿岸から西アジアへかけて3種が分布するナデシコ科ムギセンノウ属の一年草です。数種ある中でも、主に観賞用に栽培されているのは、地中海の東部地域原産のアグロステンマ・ギタゴ種(Agrostemma githago)です。丈夫で旺盛な繁殖力があり、自生地では麦畑の雑草という存在で、好んで栽培されることはありません。世界中の広い地域で帰化植物として定着しているようです。
- 秋まきの一年草なので、翌春に開花して咲き終わった後は株が枯れてしまいます。丈夫で育てやすい植物で、放任した状態や、こぼれ種からでも元気に開花します。温暖地の平地であれば、防寒対策をしなくても冬越しが可能です。
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)/ 料理・飲み物で楽しむ
- なし
- 用土 弱アルカリ性で水はけのよい土壌を好みます。
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(中粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料 やせ地でもよく育ち多肥になると草姿が乱れる
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春先にに1~2回、少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、元肥と追肥ともに必要ありません。
温暖地であれば花壇でも冬越しが可能
- タネまき
- 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。発芽適温は20℃前後です。
- 箱まきの場合、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはまたはバーミキュライト、ピートモスなどの清潔な用土を敷きつめ、2~3粒をまいたら薄く覆土します。弱い苗を間引きながら、本葉が3~4枚になったらポリポットに植え替ええします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- ポリポットまきの場合、弱い苗を間引きながら丈夫な苗を1本立ちにして、本葉が5~7枚になったら、花壇や鉢に定植します。
- 苗の植え付け
- 適期は、10月~12月、3月~4月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、古い土を軽く落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間25~30cm)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は25~30cmで植え付けます。温暖地の平地であれば冬越しは可能ですが、霜の降りる場所でまだ苗が小さい場合は、株元へ腐葉土などでマルチングしておきましょう。
原産地では雑草扱いされる程強健な植物
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。水のやり過ぎには注意して、やや乾燥気味で管理しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 種の採取
- 花後になると、子房が膨らんで茶色になり乾燥気味になったら、中の種が熟しているので採取します。採取した種は、封筒などへ入れて冷暗所で保管しておきます。
- 手入れ
- 支柱立て→高性種は草丈が長くなると、茎が倒れやすくなるので支柱を設置します。
- 防寒対策→地植えの場合、関東以南の温暖地の平地であれば屋外での冬越しは可能です。凍結する場所で、まだ苗が小さい場合は、株元に腐葉土などでマルチングしておけば安心です。
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。