イチゴノキは果実の美しい花木 季節の花-常緑低木

  • イチゴノキは、フルーツのイチゴによく似た果実をつける常緑低木です。秋が深まる頃に白色の壺形の小さな花を咲かせます。イチゴといえばバラ科の植物ですが、イチゴノキはツツジ科なのです。どうも、似たような果実をつけるのですが、関連はまったく無いのも不思議ですね。もう一つは、ツツジ科の植物に共通する酸性土壌を好むという常識・・にも反して、アルカリ性土壌でもよく生育します。(原産地が地中海周辺というのも納得)
  • 花の美しさはもちろんのこと、秋になって果実が徐々に熟すると、色合いが変化していく美しさも鑑賞に値します。

イチゴノキは常緑低木です

ツツジ科の植物だがアルカリ性土壌でも育つ

  • 分類:ツツジ科イチゴノキ属 / 原産地:地中海沿岸
  • 別名:(漢字表記:苺木)
  • 学名:Arbutus unedo
  • 英名:Strawberry-tree
  • 園芸分類:常緑低木 / 半耐寒性 
  • 樹高:2~4m (原産地などでは最大15mに及ぶものもある)
  • 開花期:11~12月 /
  • 栽培方法:地植え、鉢植え

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  • 特徴
  • イチゴノキは、果物の苺(いちご)によく似た果実を付けることから、この名前が付けられたそうです。イチゴノキの本種は、地中海沿岸やアイルランドが原産地です。現在では、アフリカのカナリア諸島や北アメリカ西海岸地域などに園芸品種約15種が分布しています。
  • 日本では、イチゴノキの仲間は馴染みの無い植物でしたが、最近は小型の園芸品種が出回って栽培件数も増えています。ツツジ科の植物でありながらアルカリ性土壌でも元気に育ちます。果実は、秋が深まってくると緑色~黄色、そしてオレンジ色~赤色へ変化して晩秋に成熟します。園芸品種は、樹高が2m前後にまとまるので家庭栽培も可能です。
  • 近縁種
  • ヒメイチゴノキ(Arbutus unedo ‘Compacta’)→イチゴノキ属の常緑低木。樹高は2.5~3mで、10~11月にアセビに似た白色の小花を咲かせる。果実は直径2cm程の球形で、晩秋に成熟する。
  • ベニバナイチゴノキ(Arbutus unedo ‘Rubra’ )→イチゴノキ属の常緑低木。樹高は2~3mで、11~12月に紅桃色の小花を咲かせる。受粉してから一年後に熟します。果実は直径2cm程の球形で表皮に細かい突起がある。

イチゴノキはツツジ科です

根が細く移植を嫌います

  • 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
  • なし
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 食べて害はないが、美味いものではない。食用としては普及せず。果実酒は可能。
  • 用土 水はけ水もちのよい肥沃な土壌を好みます。 
  • 鉢植えの場合、鉢底には大きめの鉢底石を敷いて、赤玉土(小粒)4:ピートモス3:鹿沼土(小粒)3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。(水はけが悪い土壌なら川砂を1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月に寒肥として骨粉を混ぜ込んだ油かすを施す。6月中旬と9月中旬に速効性化成肥料を施す。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月に寒肥として骨粉を混ぜ込んだ油かすを施す。
  • 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に撒きます。

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、3月中旬~5月中旬。秋は9月~10月中旬です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
  • 鉢植えの場合、大きめの鉢底石を敷き、根鉢を丁寧に1/3程崩してから植え付けます。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢を丁寧に1/3程崩してから植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え ツツジ科は根が細いので移植は適さない
  • 適期は、3月中旬~5月中旬。秋は9月~10月中旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、、2~3年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、一度根付くと移植を嫌うので必要ありません。(移植すると枯れることもある)
  • 増やし方
  • 挿し木で増やす→適期は、6月下旬~7月中旬です。新梢が堅くなった頃、7~8cmの長さに切り取り挿し穂にします。1時間程水に浸してから、赤玉土(小粒)や鹿沼土(小粒)の用土に挿します。

イチゴノキは果実が実る

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 剪定→適期は、2月中旬~3月です。小枝が密生して美しい樹形を作ります。放任しないで2~3年に1回程度、樹冠の内側の徒長枝や枯れ枝を切り取る程度で、強い剪定は必要ありません。(翌年の花のツボミは、果実が熟する11月~12月頃に枝先に作られるので刈り込みを避けます)
  • 病気・害虫→特になし

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イチゴノキは11~12月開花期

  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 寒冷期に強い寒風が当たらない場所を選んで定植しましょう。

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