植物にとってよい土はー2 適度な土の重さが必要-イパネマおやじ

土が軽すぎると株が倒れやすく、特に植え付け直後は水やりなどで株が安定せず初期の根の生育が悪くなります。植物を支えるためには適度な重さが必要ですが、重すぎる土は細かい土(みじん)が多く通気性、排水性が悪く、もちろん根の生育にもよくありません。それでは、植物にとってよい土とはどんな土でしょう。

植物にとってよい土とは

重すぎず、軽すぎないのがよい土の基本

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一般的に、土が1リットルの容量に対して、400~600gが適度な重さの目安です。但し、ハンギングバスケットの土はそれよりも少し軽めに、野菜やバラのように草丈のある場合は、少し重くします。

  • ハンギングバスケット
  • コンテナをワイヤーなどで吊るすので、土は軽くします。目安は約 1リットルの容量/400g

ハンギングバスケット

  • 根の張り方が普通の場合
  • 直根性タイプではない場合の例。約 1リットルの容量/500g

普通の土の分量配合

  • 根の張り方が、浅い・株丈が高くなる・葉や花が生い茂る場合
  • 約 1リットルの容量/600g

植えつける土の配合

  • 弱酸性であること
  • アジサイ(青色)、サツキ、ブルーベリーなどのように酸性の土を好むものや、アジサイ(ピンク色)のように中性から弱アルカリ性の土に植えつける植物もありますが、一般に多くの植物は、弱酸性(ph5.5~6.5)の土が生育に適しています。
  • アルカリ性が強い土は、土の中に鉄やホウ素などの微量要素が含まれていても、根から吸収されにくく、欠乏症を起こしがちです。反対に酸性が強すぎると、根が生育障害を起こしやすくなりす。
  • 鉢やプランターの古い土は酸性になっている場合が多いので、再利用する場合は石灰を混ぜます。
  • アルカリ性の土には、酸度未調整のピートモスを混ぜ合わせて調整します。
  • 酸性・・・・・・・・・・・pH5.5~6.5が生育に適している・・・・・・・アルカリ性
  • 清潔であること
  • 病原菌や害虫、害虫の卵、雑草の種などが混じっている土は、植物の生育の障害となります。
  • 室内で育てる観葉植物などの土も、カビや小バエなどが発生しないように、ほぼ無菌のピートモス、バーミキュライト、パーライト、赤玉土などを混合し元肥も有機質肥料を避け化成肥料を使用します。

覚えておこう!土と根のよい関係

  • よい土は根からの水分、養分の吸収を助ける
  • 植物は、根の先端から数mmのところにある”根毛”と呼ばれる部分で水や養分を吸収しています。そのほかの部分は、根毛から吸い上げた水や養分を葉や花に送るパイプの役割をしています。根毛がスムーズに水分や養分を吸収するためには、土の中に新鮮な空気が必要です。
  • 土の表面が乾かないうちに水やりを続けると、ジメジメした加湿状態になり、土の中の空気が不足します。このように酸欠状態になると、土の中に水や養分があっても、根から吸収することができなくなります。
  • この状態が長く続くと根の生育が悪くなり、根腐れを起こして枯れてしまう場合もあります。このように、根が水分や養分を吸収するためには新鮮な空気が必要なので、適度に乾きやすい土が、根にとってよい土です。

よい土の構造

  • よい土は温度変化から根を守る
  • 水分が多く、いつもジメジメしている土は外気温度の影響を受けやすく、夏は鉢内の温度が上がって蒸れてしまい、冬は温度が下がって、共に根をいためる原因になります。
  • 特に夏の熱帯夜が多い地方では乾燥に気を使うあまり、保水性の高い土を選びがちですが、余分な水を含まず、空気を多く含む通気性、排水性のよい土は、断然に保温効果があり、土の温度変化から根を守ります。
  • そのため、1年を通して通気性、排水性のよい土を使用し、夏の乾燥防止にはマルチングをしたり、鉢内の地温の上昇を防ぐために、日が直接当たらないようにする工夫が必要です。

根を守る土

根はみじんより団子が好き

  • みじんとは
  • みじんとは非常に細かい土の粒のことです。みじんの多い土は、水を与えすぎたり、雨が降り続くと水が引きにくく泥状になり固まります。粒と粒の隙間がほとんどなく、通気性、排水性が悪いため根の生育も悪く、根腐れの原因になります。
  • 反対に、赤玉土のように細かい粒が集まった土(団粒)葉、土と土の間にすき間が有り、通気性、排水性にすぐれています。

土はみじんが多いと空気や養分が流れない

根が好きなのは、団子なのです。ただし、粒が大きすぎても根の張りが悪くなるので注意しましょう。

良い土は植物が健康に育つ

  • 土の三相とはなんですか?
  • ・よい土には粒と粒の間に、すき間があり、このすき間には水と空気が含まれています。粒の部分を”固相”、空気の部分を”気相”、液体の部分を”液相”といいます。これらを総称して「土の三相」といいます。土が乾いてくると、固相は変化しませんが、気相が増え、液相が減ります。
  • この状態で水やりをすると逆に、気相が減り、液相が増え、、すき間に新しい水と空気が満たされます。通気性、排水性にすぐれたよい土は、この繰り返しが多く、根の生育がよくなります。よい土の三相は、固相40%、液相30%、気相30%の構成です。

植物にとってよい土シリーズ(ページリンク) 植物にとってよい土とはー1|植物にとってよい土とはー2

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