クレマチスは11月~3月まで植えつけできる 季節の花-庭木
クレマチス (Clematis) は、日本人好みの端正な花姿で人気が有り、江戸時代以降からテッセンの花名で栽培されてきました。植え付けの時期が長いのが特徴です。そして、開花時期も5~10月頃と長い間に亘り楽しませてくれます。
11月から3月頃まで植えつけできる
- 分類:キンポウゲ科センニンソウ属 / 原産地:世界各地 主に北半球
- 別名:
- 学名:Clematis spp.
- 英名:Clematis
- 園芸分類:蔓性多年生草本 / 耐寒性
- 草丈:木立性又はつる性で伸長は最長で300cm程
- 開花期:5月~10月
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- 世界中に約250~300種が分布しています。日本では約20種が自生しています。クレマチス属の大半は、つるを伸ばして生長する蔓性植物です。厳密に分けると、落葉性と常緑性に分類され形態や生育サイクルにより更に細かく分けられます。
- 鋭角的な花びらのように見えるのは、実は萼(がく)が色づいているものです。本来の花びらは退化してありません。基本的に花びらの枚数は、4枚・6枚・8枚ですが、例外は雌しべや雄しべが、花びらに進化(変化?)した八重咲きの品種です。
- 近縁種・系統
- インテグリフォリア系(C. integrifolia)→木立性~半つる性、花期は5~10月。花付がよく育てやすい。前年枝・当年枝の新梢に花をつける。節々に花をつけながら上へ向かって開花して頂花を咲かせる。四季咲き。
- ヘラクレイフォリア系(C. heracleifolia)→木立性~半つる性、青色でヒヤシンスのような筒状の花を咲かせる。グランドカバーに適する。一季咲き。
- モンタナ系(C. montana)→前年枝に花をつける。節々に複数の花を直につけ株全体に開花する。一季咲き。
- ヴィチセラ系(C. viticella)→今年の枝から伸びた新梢に花をつける。葉腋から伸びた側枝に花をつけ、小輪花を下から上へ向かって開花していく。四季咲き。
- テキセンシス系(C. texensis)→新梢に花をつける。葉腋に花をつけながら下から上へ向かって開花していく。チューリップ形やベル形で多くの花を咲かせる四季咲き。
- ジャックマニー系・遅咲き大輪系(C. jackmanii)→前年枝・今年枝から伸長した新梢に花をつける。頂花をつけその後節々に花をつける。四季咲き。
- パテンス八重咲き大輪系(C. patens double)→前年枝から花芽を伸ばし、頂花咲きでその下につくこともある一季咲きの大輪花。
- タングチカ系(c. tangutica)→前年枝・当年枝の新梢に花をつける。葉腋に花をつけ下から上へ向かって開花していく。黄色、オレンジ色で釣鐘型で多くの花を咲かせる。四季咲き。
- シルホーサ系(C. cirrhosa)→クリスマスローズに似た小輪の花をさかせる。白色の花は鐘形で下向きに垂れて開花する。williamsiiの近縁種。
- がくアトラゲネ系(C. atragene)→前年枝・今年の枝に花をつける。節々に直に花をつける。弱い四季咲き。
- フロリダ系(C. florida)→前年・今年の新梢に葉腋に花をつける。下から上に向かって花をつけながら伸長する。和紙の様な柔らかい花びらの小輪花。四季咲き。
クレマチスは柔らかい中性の土壌を好む
- 用土
- 保水性があり、酸性・アルカリ性の中間の柔らかい土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料の堆肥、酸性土壌なら石灰をを混ぜ込んでおきます。
- 植えつけ
- 適期は、11月~3月です。寒冷地の1月~2月中旬は避けましょう。生長期になったら支柱を設置しましょう。
- 植え替え
- 適期は、春が2月下旬~3月、秋は9月中旬~10月中旬です。
- 鉢植えの場合、鉢の中が根詰まりしやすいので、様子をみて1~2年に1回根鉢を崩さないように植え替えをしましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありませんが3年に1回を目安に堀り上げて株分けしましょう。
- 増やし方
- 株分け→適期は2月~3月上旬です。3年に1回は堀り上げて株分けしましょう。
- 挿し芽→適期は、5月~6月です。頂芽の先端2~3節を挿し穂にします。1時間程水揚げしましょう。
剪定の方法が性質により異なる
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。大輪種は水切れを嫌うので鉢土を乾かさないように注意しましょう。
- 地植えの場合、特に必要はありません。
手入れ
- 剪定→
- 一季咲き性の種は、前年枝に花芽がつくものが多いです。当年枝の新梢に花をつける種。そして、四季咲き性は前年枝と当年枝の新梢に花芽がつく種が多いです。このように3種類のタイプがあります。
- 前年枝咲きの剪定→前年に伸びた枝から春になると、短い枝を出して花を咲かせる。春の花後、初夏に枝が少し伸びた頃、冬の落葉期の3回です。
- 当年枝咲きの剪定→適期は、初夏と冬の2回です。
- 四季咲き性で新旧両枝咲きの剪定→適期は、初夏と冬の2回です。前年伸びた枝から春に芽を出し、5~6節に生長するとそこに花をつけます。新旧両方の枝に花をつけるのではなく、旧枝から伸びた新枝に花をつけるものです。
- 支柱たて→草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったらそれぞれ1本ずつよりも、あんどん仕立てやフェンス、アーチなどに仕立ててもよい。
- 病気→うどんこ病
- 害虫→ナメクジ、アブラムシ
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- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。