ラナンキュラス 季節の花-早春の鉢花として人気がある|イパネマおやじ
早春から初夏に咲く球根植物です。多くの種類が、紙のような薄い花びらが何枚も重なった色合いと花姿が美しい草花です。(掲載している画像の品種はラナンキュラスのラックスシリーズです)
たくさんの薄い花びらを重ね合わせて咲く
- 分類:キンポウゲ科キンポウゲ属 / 原産地:ヨーロッパ東南部、トルコ、シリア、イラン
- 別名:ハナキンポウゲ(漢字表記・花金鳳花)
- 学名:Ranunculus asiaticus Crowsfoot / Gold Knots / Persian
- 英名:Buttercup
- 園芸分類:常緑多年生 / 耐寒性
- 草丈:20~35cm
- 開花期:4月~6月 / 栽培方法:地植え、鉢植え
- 撮影:里山ガーデン 2018年4月
- 特徴
- 園芸では秋植え球根として扱い、夏の終わり頃から乾燥させたものが流通します。ラナンキュラス属の植物は世界中で500種以上が栽培され、ラナンキュラス・アシアティクス(Ranunculus asiaticus)を改良品種したものが多くを占めています。
- 根が肥大化した塊根で、太くて短い根が多数付いています。花色は白、ピンク、オレンジ、赤、黄、複色など数多いですね。
- 近縁種
- ラナンキュラス・アシアティクス(R. asiaticus)→多くの園芸品種の元となった野生種です。園芸品種の元祖の大半は、この野生種から生まれています。花名は「アジア産の・・」という意味から。花びらが5枚の一重咲きです。
- ラナンキュラス・カランドリニオイデス(R. calandrinioides)→キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。北アフリカのアトラス山脈の高地が原産で、草丈15~30cm。長い葉柄をもった篦型(へらがた)で、2~3月頃から花径5cm程の白色~淡い桃色の花を咲かせる。
- ラナンキュラス・サルドーウス(R. sardous)→キンポウゲ科キンポウゲ属の1~2年草。中国地方~九州北部の河川沿いや田の畦などに多く見られる帰化植物です。草丈は15~60cm程で、茎は細長く直立し茎葉は先端が3浅裂し茎に互生する。4~7月頃茎頂に1cm大の黄色い5弁花を咲かせます。
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- なし(観賞用)
- 料理・飲み物で楽しむ
- なし
- 用土
- 水はけがよく、やや水保ちのよい用土を好みます。簡単なのは市販されている草花用の培養土を使う。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小・中粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 芽出しの春から花が咲き終えるまで、月間2~3回を目安に液体肥料を施します。
- 植えつけ
- 適期は、10月です。市販の球根は乾燥していて、そのまま土中に植えつけるとイキナリ水分を吸収して腐ります。まず、乾燥した球根をゆっくりと吸水させて、戻してやりましょう。
- 容器に、湿らせた川砂かバーミキュライトを入れ球根を水ゴケで包むようにして、一晩寝かせます。材料が揃いにくければ、キッチンペーパーかティッシュペーパーなどで包んで、ラップで保湿します。
- 鉢植えの場合、5号鉢に5個以内を目安に植え付ける。深さは表土が2~3cmの比較的浅めに植える。
- 地植えの場合、10~15cmの間隔を空けましょう。
- 球根の掘り上げ
- 適期は6月です。花後に葉が枯れて黄色くなってきたら、球根を掘り上げます。葉を落としよく土を払ってから、日に当て充分に乾燥させてから涼しい暗所に貯蔵しましょう。
ラナンキュラスの増やし方は?
- 球根を分けて増やす→適期は6月の堀り上げ時です。球根の付け根に、白い短毛が生えている部分を付けて分けます。
- タネまきで増やす→適期は10月です。発芽温度は15度前後で、発芽まで2~3週間必要です。乾燥させないように管理して発芽を待ちます。
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
どんな手入れが必要ですか?
- 花がら摘み→花が枯れてきたら、早めに花茎の下から切り落とします。枯れた花を放置すると、余分な栄養をとられ、カビが発生する原因にもなります。
- 病気→灰色カビ病 多湿になると発生しやすいので、株は常に清潔に保ちましょう。
- 害虫→アブラムシ 春先から発生しやすいので、見つけたら薬剤散布をしておきます。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 地植えの場合、定植前に場所をよく見極め、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。
植物園の風景:里山ガーデンにて
後記:ラナンキュラスの花名の由来は、ラテン語でカエルを意味する「ラナ」だそうです。この種属の多くは、カエルが好んで住む湿地に自生することに因んでいます。