ポットマリーゴールド ハーブ-ポットが付くのは食用にできる種類-イパネマおやじ
ポット マリーゴールド (pot marigold) は、南ヨーロッパに約20種類が分布するハーブ植物です。英名の’pot’は「食用に出来る山菜、あるいは野草」の意味で、古代ローマ時代より、花や葉を食用に使ってきました。マリーゴールドという呼び方は、最近ではマンジュギク(Tagetes)の植物に使われるようになりましたが、元々はキンセンカに対する呼び方でした。
古代ローマ時代より花や葉を食用に利用したハーブ
- 分類:キク科キンセンカ(カレンデュラ)属 / 原産地:南ヨーロッパ
- 学名:Calendula officinalis
- 別名:カレンデュラ 、キンセンカ(漢字表記・金盞花)
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い~弱い)
- 草丈:20~80cm(矮性種~高性種)
- タネまき適期:9月~10月中旬
- 苗の植え付け:11月~12月
- 開花期:3月~5月
- 栽培方法:地植え、鉢植え ※記載している各適期は温暖地での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ハーブとしてのカテゴリーでは、マリーゴールドやポットマリーゴールド (pot marigold) と呼ばれます。園芸分類ではマリーゴールドは、別の植物を指します。茎は直立性でよく伸びて枝分かれして、葉は細かい毛で被われて長楕円形や被針形で互生します。
- 日本へ渡来したのは19世紀とされ、昭和初期から切り花用として広く栽培されるようになりました。現在では、オフィシナリスとその園芸種をキンセンカと呼ぶのが一般的になり、カレンデュラの中でも最も多く栽培されています。
- 暖地では、8月中旬~9月にタネまきすると年内から開花しますが、夏の暑い時期にまくので涼しい環境でなければ育ちません。一般的に温暖地では秋に入ってから、寒冷地では春に桜が咲く頃にタネまきをします。秋にタネまきして、翌春より花を咲かせる秋まき一年草です。
- 花径は4~7cmで、黄色やオレンジ色の暖色系で、一重咲きと八重咲きがあります。草丈の高くなる高性種は花壇に、低い矮性種は鉢植えかプランター栽培に適しています。
- 近縁種
- ヒメキンセンカ (Calendula arvensis)→姫金盞花。地中海沿岸原産。英名 field marigold 草丈10~20cmの一年草。国内各地で野生化しているのが道端や草地などで見かけられる。
- トウキンセンカ (C. officinalis)→ 唐金盞花。原産地不詳。多数の園芸品種があり世界各地で栽培され野生化もしている。一般的に「キンセンカ」と呼ぶのはこの種のことを指しています。
どんな土質を好むのですか?
- 適応
- 月経不順、消化不良、利胆、強肝、強壮
- 料理・飲み物で楽しむ
- 生の花、若葉をサラダ、スープやソースの色添え
- 用土
- 水はけと水もちがよい土壌を好みますが、過湿は嫌います。
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または腐葉土3:赤玉土7の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。酸性気味の土壌では、植え付けの2週間程前に、よく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。(1㎡当り100g→1握り)
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付ける際に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、暖かくなってきたら薄めた液体肥料を10日に1回、または月1回程化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付けの前に堆肥や、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。この時の肥料の成分が、チッソ分が多いものだと、葉が大きく、茎が過度に伸びすぎて花付きが悪くなったり、病気にかかりやすくなります。
タネまきは秋が適期 気温によっては春まきも可能
- タネまき
- 適期は、9月~10月中旬です。
- 暖地では、8月中旬から9月にかけて種まきすると年内から開花しますが、夏の暑い時期にまくので涼しい環境が必要です。温暖地では秋に入ってから、寒冷地では春に桜が咲く頃に種まきをします。
- プランターや鉢に、直まきして間引きしながら育てるか、苗を育ててから植え付けてもよいです。
- 日光によく当て、10℃前後の低温で育苗すると節間が締まり、元気に枝分かれをします。
- 植え付け
- 適期は、11月~12月です。寒さの厳しい地域では春になってからの方がよいでしょう。
- ポット苗をプランターに植え替える時は65cmサイズで4株を目安にします。ボリューム感を出したいなら6株くらいまでなら大丈夫です。それ以上を詰め過ぎて植えると風通しが悪くなり、病気の原因になります。
手入れは何をすればいいの?
- 水やり
- 冬場に乾燥させ過ぎると、ウドンコ病が発生しやすくなるので、カラカラの乾燥状態は避けて、土の表面が乾いたら、タップリと水を与えましょう。
- 手入れ
- 梅雨対策として、風通しのよい涼しい場所に置くことで、初夏まで花が咲き続けます。春になると生長して、草丈が60cm以上になったら支柱を立てましょう。
- 摘芯→開花前に一度、摘芯をしておくと花数の多い株になります。花殻を残すと花期が短くなります。(花が枯れた後も放置しておくと、種子が付いて株が弱ります)
- 防寒対策→冬越しの霜除け対策として、株元に敷きわらをしましょう。
- 病気→炭そ病、うどんこ病
- 害虫→アブラムシ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫 種子が熟したらタネまき用に採取する
- 花は夏の全開時に採取して、陰干ししてツボミだけを集める。葉は必要に応じて採取、乾燥させて保存します。
- 種子は、花後にできるものを保存しておき、秋に蒔くとよく発芽します。タネの寿命は長く、5年くらい経過しても発芽するそうですが、時間が経ったタネより採取したら次の時期に早目に蒔いた方が発芽率が高いようです。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。日当りが悪いと花付きがよくありません。
- 耐寒性はありますが、霜や寒風に当たると葉先が枯れるので要注意です。