ナスタチウム ハーブ種-朱橙色などの花を咲かせ葉はワサビ味|イパネマおやじ
ナスタチウム nasturtium は、メキシコから南米に分布する、つる性の草花です。その仲間は約50種がしられています。ペルーで発見された野生種がイギリスに渡り、日本には江戸時代末期に渡来しました。春にタネを蒔くと、初夏から秋に開花して、花後には枯れる一年草です。
一年草のハーブで赤色やオレンジ黄色などの暖色系
- 分類:ノウゼンハレン科・ノウゼンハレン属 / 原産地:ペルー・コロンビア
- 学名:Tropaeolum majus cv.
- 英名:Garden nasturtium, Indian cress
- 別名: (和名:キンレンカ 金蓮花)
- 1年草・非耐寒性 / 草丈:30~300cm
- 開花期:5月中旬~7月・9~10月中旬 (冷涼地以外は、夏は花を休む)
- 栽培方法:地植え、鉢植え(吊り鉢)
- 近縁種
- トロパエオルム・マユス(T.majus)→一般的にナスタチウムと言えば、この種を指します。園芸品種が豊富で英名をガーデン・ナスタチウムとも呼びます。
- トロパエオルム・ペレグリナム(T.peregrinum)→別名は、カナリアヅル。エクアドルやペルーの高地原産で鮮やかな黄色い花を咲かせます。葉や花びらに切れ込みが入っている。
- トロパエオルム・ツベロスム(T.tuberosum)→地下に鶏卵サイズの根茎を作ります。アンデス地方では、ノウゼンハレンと呼ばれ重要な食料として利用しています。
- 特長
- 花色はオレンジ、赤、サーモンピンク黄色、オレンジなど暖色系が多く、花びらは一重、八重、万重咲きなど多彩な種類があります。
- つる性で茎が這うように伸びるので、吊り鉢仕立てにすると見栄えの良いハーブになります。観賞用だけではなく、花、葉、果実は食用として利用できます。
- フランスではペルークレソンと呼ばれて、ピリッとした辛さと酸味のある若葉をクレソンの代わりに利用しています。つる性でよく枝分かれし50~100cmの生長に留まる矮性種(わいせいしゅ)や、中には3mにまで生長するものもあります。
- アブラムシ、コナジラミ、アリなどを寄せつけない防虫効果がありコンパニオンプランツとして利用できます。特にキュウリ、トマトの周りに植えて害虫駆除に利用することがあります。
ペルークレソンとも呼ばれ食用にもなる
- 適応
- 抗菌、増血、風邪、貧血
- 料理・飲み物で楽しむ
- 日本で食べる花といえば、お刺身に添えるシソの花、食用キクの花などが真っ先に浮かんできますね。クレソンをさらに鋭くしたようなぴりっとした辛い風味の葉はサラダやサンドイッチに最適です。(エディブルフラワー:食べられる花のことです)
- 葉よりマイルドな味わいの花はサラダに彩りを添えるため、オードブルにもぴったり。ハーブチーズやハーブバターにもおすすめです。種子は若い緑色のうちにつみ取り、酢漬けにするとケイパーの代わりになります。
- 花には食べられるものも多くナスタチウムもその一つです。他にはパンジー、ビオラ、キンギョソウ、ベゴニア。センパフロレンス、ミムラス、キンセンカ、ヤグルマギク、バラ、ペチュニア、セキチク、インパチエンスデンファレなどなど。
- 重要なことは、食用に出来るものは無農薬栽培はもちろんいろいろな条件があります。園芸品種には多数の品種がありますが食用に不向きなものもあるので、よく確認しましょう。
- 用土
- 水はけの良い有機質に富んだ土が良いでしょう。腐葉土4:赤玉土6の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 肥料
- 開花時期に追肥として、薄めた液体肥料を、週に1回与えます。
- ナスタチウムは、肥料を与えすぎると花付きが悪くなるので、量は控えめにしましょう。特にチッソ系の成分が多いと葉が大量に生い茂り、花数が少なくなってしまいます。
- 花をたくさん咲かせたい場合は、リン酸の肥料を与えると花付きが良くなります。
キュウリ、トマトの周りに植えてコンパニオンプランツとして利用します
- タネまきで増やす
- 適時期は3~4月・秋が9~10月です。
- タネの薄皮がコルク質で堅いので、一晩タネを水に浸けておいてから翌日に蒔きます。
- 春にタネを蒔いたら3ヶ月くらい花を楽しむことが出来ますが、暑くなると花が咲かなくなるので、少し期間が短いです。(秋になると、再び咲きます
- 秋にタネを蒔いたら冬越しをすることになります。開花までの育苗期間が長いのですが、時間がかかる分だけ、株が大きく育ちます。
- 霜や寒風を避けて、凍らさないように注意して軒下などで冬越しできますが、5℃以上に保てる環境に置きましょう。室内に取り込み際は、日当たりの良い場所にします。
- 挿し芽で増やす
- 適時期は4~6月です。茎を3節ほどの長さに切って挿し穂にします。
- 苗の植え替え
- 適時期は4~5月です。しかし、基本的には移植を嫌います。タネ蒔きをする際に、鉢やプランターに詰め気味に蒔いて、元気な苗を残しながら間引いていきながら、そのまま定植させると、根も傷まず手間がかかりません。
- 水やり
- 水を与えすぎると、細く軟弱に伸びて葉ばかりが生い茂り、花が付きにくくなります。土の表面が乾いてくるまで水やりは控えて、乾いたらタップリと与えます。やや乾燥気味に育てるましょう。
- 手入れ
- 夏季は乾燥して葉がしおれかけたらタップリと水を与えましょう。
- 冬季は日当りが良く、暖かい地域なら日当たりの良い場所や室内で育てれば、1年草だが冬越しをさせることが出来ます。
- 病気→立ち枯れ病 高温多湿だと株が蒸れて発生することがあります。
- 害虫→ハダニ、ナメクジ ハダニの予防は葉の表裏に、小まめに水をかけてやると発生をふせぐことも出来ますが、被害が広がりそうな時は薬剤散布をしましょう。
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- 収穫
- 5~10月の間に随時収穫できます。
- 花、葉は料理に使います。山葵に似た辛味がありサラダに混ぜるとサッパリ感が味わえます。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。ただし夏の日差しには弱いので、直射日光の当たる場所を避け、木漏れ日のあたるような風通しの良い明るい日陰に移しましょう。夏季は乾燥して、葉がしおれてきたら早めにタップリと水を与えましょう。