剪定ー1 株を健康に保つための大切な作業-イパネマおやじ

剪定とは、伸びすぎた枝や不要な枝を切り、幹や主な枝の先端を切りつめ、樹姿を整える作業のことです。花木などではツボミがつきやすいように、枝を切り詰めたり、果樹などでは余分な枝葉を刈り取ることで園芸作業をしやすくしたり、結実をふやすために枝を整える作業も剪定といいます。春の花のために行うのが「冬剪定」、秋の花のために行うのが「夏剪定」です。

バラの夏剪定

剪定と整枝は同義に扱われることが多い

整枝と剪定

剪定は整枝を目的に行うことが多いので、剪定と整枝は同義に扱われることが多いようです。ここでは、敢えて二つの項目に分けて違いというよりは、いろんな技法を記載してみました。

剪定の目的と適期

植物の姿を整えたり、日当たりや風通しをよくして健康を保つためや、枝葉をふやすために枝や幹などを切り取る作業を剪定といいます。剪定を行う目的により方法や時期はさまざまです。剪定は、一年中行うことができますが、目的や時期を誤ると、剪定したことで、かえって木姿が乱れたり、花が咲かなかったり、枝が枯れ込んだりするので注意が必要です。

間引き剪定

混み合った枝を間をおいて切り取る間引き剪定は、いつ行ってもかまいません。木の内部にある弱い枝を切り、内部の風通し、日当たりをよくすることで、内部の蒸れや病気の発生が抑えられます。

段落の仕切りライン

季節によって変わる剪定の内容

  • 春の剪定
  • 新しい芽が伸びてくる前に行い、内部の弱い枝を切り、風通しをよくしたり、強い枝を切り芽の強弱をそろえることによって、新芽が均等に伸びて枝葉がふえます。

春の剪定 樹形を整える

  • 初夏から夏の剪定
  • 新芽の伸びが止まり、充実した頃に剪定を行うと、再び新芽が伸び始めて枝葉がふえます。強く伸びる枝を剪定することにより、枝元にある弱い枝に勢力が分配され、元気になります。この時期に生垣の刈り込みも行います。
  • 徒長枝は元から切り取る。生垣は作りたい形に刈り込む。この時期に花芽をつけるサクラやツバキ、ウメ、ハナミズキなどは剪定を行ないません。

春の新芽を摘む

  • 秋の剪定
  • 生育期に伸びすぎた枝の先や形を乱す枝と、枯れた枝を切る程度にとどめ姿を整えます。

春の剪定をする

花木や実ものの剪定と主な植物は

花木や実ものの剪定(春~初夏咲き)

  • 花芽ができる時期と習性を知ることが大切です。冬から初夏にかけて開花する種類は、ほとんど前年の夏から秋に花芽が準備されます。花芽ができる前までに新しい枝を伸ばして充実させたいので、花後すぐ切り詰めます。
  • 夏咲きのものや初夏から秋まで開花を続ける種類(サルスベリ、ブッドレアなど)は、生育しながら枝先に花芽をつくっていくので、春の芽が伸びる前に行います。

主な花木実ものツバキ、ウメ、モモ、モクレン、ボタン、ツツジ類、トサミズキ、ハナミズキ、ユキヤナギ、ライラック

花木や実ものの剪定(夏~秋咲き)

今年伸びた枝先に花芽をつける種類は、花後は見苦しくないように花がらだけを摘んでおき、冬に切り込む。どこで切ってもよいが、長く伸びる種類は深く切り込んでおくとよい。

主な花木、実もの→バラ、サルスベリ、キンモクセイ、キョウチクトウ、コムラサキ、デイゴ、ブッドレア、ザクロ、ノウゼンカズラ、ハギ、ムクゲなど

ハナモモの剪定

  • 落葉樹の剪定
  • 落葉後は、枝ぶりや枝分かれが見極めできやすいので、落葉後の12月~2月ごろに行います。樹形を乱す枝を付け根から切った後、全体の枝先を切り、樹形のバランスを見ながら形を乱している部分を切り取ります。枝は外芽のすぐ上で切るようにします。
  • ※枝を切ると、切った位置のすぐ下にある芽が伸び出すので、木の外側に伸びる芽(外芽)の上で切る。ただし、芽に近すぎると傷めるので、上部5~10mmの位置で、芽の向きと平行に切るのがポイントです。
  • 常緑樹の剪定
  • 新芽の伸びがやや落ち着いてくる5月~6月頃、好みの大きさに全体を刈り込みます。その後、形を乱す新芽を秋までに1~2回刈り取ります。枝を切るときは、葉や芽を残すようにします。

剪定・シリーズ(ページリンク) 剪定ー1|剪定ー2

段落の仕切りライン