フェンネル ハーブ-ハーブティーや料理の香辛料になる-イパネマおやじ

フェンネル (Fennel) は、地中海沿岸の古代ローマでも栽培された記録があり、歴史上もっとも古い作物の一つであるとされています。中国でも広く使われているスパイスで、五香粉(ウーシャンフェン)の原料になっています。

松田山ハーブ園の風景です

アニスに似た甘い香りは魚料理との相性がよい

  • 分類:セリ科ウイキョウ属 / 原産地:地中海沿岸、アジア西部
  • 学名:Foeniculum vulgare
  • 別名:スイートフェンネル(和名:ウイキョウ・茴香)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:80~200cm
  • タネまき適期:3月~5月、9月~10月
  • 苗の植え付け:4月~5月、9月~10月
  • 植え替え:基本的には植え替えない
  • 開花期:6月~8月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • 日本には平安時代に中国から渡来し、長野県、富山県、岩手県で多く栽培されています。全草にはアニスに似ている香りがあり、料理の香辛料として知られています。フェンネル、フヌイユ、フィノッキオ、ウイキョウはどれも同じものでセリ科ウィキョウ属の植物です。特にヨーロッパでは、お馴染みの野菜として知られている。日本では、ウィキョウ(茴香)と呼ばれています。
  • 若い葉や茎はサラダや煮込み料理に、種子はパンやクッキー、リキュールの香り付けに利用されます。
  • 健胃、去痰などの薬用効果がある事でも有名なハーブです。
  • 近縁種
  • スイートフェンネル(F.vulgare)→和名・ウイキョウ、フェンネルの基本種です。葉の香りが強く香り付けや薬用など幅広く利用されています。
  • フローレンス・フェンネル(F.vulgare ver.azoricum)→株元が丸く膨らみ、その部分を食用にします。フローレンスフェンネルは1年草で分類します。
  • 食用として収穫するつもりなら軟白処理が必要です。根株がゴルフボールくらいの大きさになったら茎の元あたりまで、周りの土を寄せて株を埋めます。根株に光があたらないようにすることで、青く変色して硬くなるのを防ぐためです。
  • ブロンズ・フェンネル(F.vulgare ‘Purpurascens’)→葉がブロンズ色になり、観賞用に適しています。

段落のライン大サイズ

フェンネルは草丈が2mにも伸びるハーブです

肉料理の香り付けや漢方にも利用される

  • 適応
  • 消化不良、健胃整腸、食欲不振、駆風、腹部膨満、乳分泌不足、便秘、更年期障害、ムクミ、鎮痙、発汗、月経不順、性欲減退、尿路結石
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 爽やかで甘みのある芳香で、葉は魚・肉料理の臭み消し、マリネ、ピクルス、ビネガーやオイルの香料として。
  • 種子は、カレー、ザワークラウト、パン、菓子などに加えます。リキュールの香りつけハーブティーとしても利用します。
  • 用土
  • 水はけの良い、肥沃な土が適しています。やや乾燥気味の土壌を好みます。
  • コンテナの場合、市販のハーブ用培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。苦土石灰を混ぜ込みます(用土1L当り3~5g)
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~200g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、3月~4月と9月~10月の各1回、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月~4月と9月~10月の各1回、緩効性化成肥料を置肥します。

フェンネルはセリ科ウイキョウ属のハーブです

定植したら基本的に植え替えは避ける

  • タネまき
  • 適期は、3月~5月、9月~10月です。発芽気温は15~21℃です。根が直根性で移植を嫌うため、コンテナか花壇への直まきか、ポリポットまきにします。
  • ポリポットまきの場合、1穴に8~10粒まいて覆土は1cm程です。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
  • 花壇かコンテナに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、深さ1cm程のまき溝を作ります。1ケ所に8~10粒まいて、株間が40~60cmになるようにまきます。覆土は1cm程で、発芽するまでは水切れを起こさないように管理します。
  • 苗の植え付け
  • 適期は、4月~5月、9月~10月です。
  • コンテナの場合、直根性で縦に深く伸びるので、30cm以上の深い容器を選びましょう。鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように、古い土は落とさないで植え付けます。「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cmプランターで2株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように、古い土は落とさないで植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は50~60cm空けて植え付けます。
  • タネを自家採取する場合、同じセリ科のディルが近くに植わっていると、お互いに掛け合わさってしまうと出来たタネは蒔いても順調な生育をしないことが多いです。(よい株が出来ない、芳香が劣る)
  • 植え替え
  • 移植を好まないので、一度定植したら基本的に植え替えはしません。コンテナ栽培で根が回ってきた場合は、土を落とさないように株を掘り上げたら、丁寧に植え替えましょう。

フェンネルはハーブです

株が茂って葉茎が込み合ったら間引きます

  • 水やり
  • やや乾燥地気味の土壌を好みます。
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと与えます。冬は地上部が枯れても根は生きているので、回数を少なくして乾かし気味に管理します。
  • 地植えの場合、夏に雨の降らない日が何日も続くような場合だけ施しますが、基本的には必要はありません。
  • 手入れ
  • 支柱の設置→フェンネルは開花期になると、草丈が高くなってくるので支柱を設置します。
  • 病気→特になし
  • 害虫→カメムシ、アゲハチョウ、赤と黒の縦じま模様のアカスジカメムシが、夏の開花期に付きやすいので、見つけたらすぐに駆除しましょう。
  • 収穫
  • フェンネルの葉や茎はいつでも収穫できます。やわらかい部分だけを収穫します。球茎は春まきならば7月の上旬に、秋まきならば11月の上旬に収穫できます。
  • 種子は株全体が黄色く枯れ、結実した果実が熟す前に、花茎ごと切り取って風通しの良い日陰で逆さに吊して乾燥させて、追熟させます。
  • 種子を採種するなら、黒くなる前に採りましょう。種子の色は、初期は黄色ですから褐色に変化する頃合を見計らって採種するのが良いでしょう。タネを自家採取する場合は、同じセリ科のディルが近くに植わっていると、お互いに掛け合わさってしまうと出来たタネは蒔いても順調な生育をしないことが多いです。(よい株が出来ない、芳香が劣る)
  • 果実の収穫は、長い花期の中では株の部位により熟成する時期にバラつきがあります、8月頃に実が黄褐色になりかけた房を切りとって乾燥させます。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 株が大きく茂って茎葉が混み合った場合は、茎を間引いて株の内部まで充分日が当たるようにします。

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